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医療法人社団誠高会 おおたかの森病院

(千葉県 柏市)

松倉 聡 病院長

最終更新日:2022/09/30

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高度医療と地域連携で住民の健康を守る

つくばエクスプレス開通を機に人口増が続く千葉県東葛北部地区。その発展の流れの中心にある流山おおたかの森駅近くに「おおたかの森病院」はある。同院は高度な専門性を通じた地域医療への貢献をめざし、各診療科の拡充を図り、設備の充実を進めてきた。同院の松倉聡病院長は「24時間対応の救急医療、消化器や循環器、整形外科、脳神経外科などの高度医療が当院の強み」と話す。「ただ、当院だけで地域の医療をカバーできるはずはありません。ほかの医療機関と密接に連携して、一刻を争う患者さんの治療を迅速に行うネットワークづくりにも力を入れています」。さらに同院では、循環器や脳血管の血管内治療、切開部分を1ヵ所にとどめたSILS(単孔式腹腔鏡下手術)など、患者の体への負担を軽減した治療にも積極的だ。「住みたい街というだけでなく、住んで良かったと評価される街になるよう、医療の面から支えたい」という松倉病院長に、同院の診療の特色、地域連携などを詳しく聞いた。(取材日2022年5月31日/情報更新日2022年8月31日)

こちらの病院の地域での役割などをお聞かせください。

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当院はつくばエクスプレスの開通と同時期に開院し、街とともに発展してきた病院です。診療面では高度医療、救急医療を中心に、消化器や循環器は内科・外科の両面からアプローチできる体制を持ち、脳神経外科では頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍など幅広く診療しています。これにより、消化器がんの早期発見から難しい症例の治療、心筋梗塞や脳梗塞といった一刻を争う病気にも迅速に対応可能です。救急車、ドクターヘリによる救急の患者さんも積極的に受け入れています。これから日本は後期高齢者の割合が増えていきますが、そうした方への急性期医療も必要で、当院の役割はさらに重要になると考えています。また、整形外科は脊椎、膝関節、スポーツ整形、手の外科といった多様な専門家が在籍するのも特色。泌尿器科、皮膚科でも地域に密着した医療を行い、小児科では2022年から常勤の医師が在籍して子育て世代も多い地域のニーズに応えています。

循環器分野、脳神経外科の診療内容をご紹介ください。

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高度医療は救急対応と、ある程度予定された定時手術に大別できます。循環器で緊急性が高いのは心筋梗塞や大動脈解離などで、循環器内科は心臓カテーテルによる血管の開通、心臓血管外科は開胸手術などに24時間対応可能です。定時手術では不整脈による脳梗塞のリスクを軽減するための左心耳閉鎖デバイスの装着があります。不整脈でできた血栓が脳まで届かないように、血液がたまって血栓ができやすい左心耳をふさぐもので、循環器内科と心臓血管外科の協力、手術で使用するデバイスを決める心臓の超音波検査、高度な医療機器を扱う技士など、当院のチーム医療が力を発揮します。また、カテーテル先端に特殊な器具をつけ、詰まった血管の開通を図る治療の実施も可能。脳神経外科の救急の代表例は脳卒中などの脳血管障害で、脳血管を拡張するステントを使った血管内治療に注力しています。地域の医療機関と協力した脳卒中治療ネットワークの構築も検討中です。

消化器のがん治療やほかの外科治療について教えてください。

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消化器のがんは内視鏡治療、腹腔鏡・胸腔鏡での治療が中心です。内視鏡治療は食道・胃・大腸の早期がんを対象に、大きな腫瘍も一括で切除できるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)も可能で、担当医師は腫瘍を徹底して取りきるよう心がけて再発リスクの低減に努めています。また、治療が難しいといわれる胆管がんや膵がんに対しても、黄疸を改善するためにERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)を行った後、院長を中心とした肝胆膵の外科のスペシャルチームで切除を行います。外科には消化器以外にも乳がんのマンモグラフィ検査や乳腺外科を専門とする医師も在籍し、早期発見から治療までカバーできるのも特徴。また、腹腔鏡・胸腔鏡手術は胃がん、肺がん、大腸がんだけでなく肝嚢胞、胆石などの良性疾患でも用い、可能なら腹部を1ヵ所だけ切開して腹腔鏡を入れるSILS(単孔式腹腔鏡下手術)によって、患者さんの体への負担を極力減らすようにしています。

地域の医療機関、救急隊との連携も密接と伺いました。

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治療に一刻を争う病気などに、個々の病院だけでは対応できないケースがあります。助けられる命を可能な限り救うには、地域の医師会、医療機関、救急隊との協力は欠かせません。その一つが消化管出血治療の救急ネットワーク「GIBネットワーク」で、東葛北部地区の柏、流山、松戸、野田、我孫子の5市にある20近くの病院が参加。密接な情報交換のもと、即時対応可能な病院が患者さんを受け入れる仕組みです。さらに搬送中も救急隊員が電子端末に症状などの情報を入力し、受け入れ体制のある複数の病院に送信。各病院から医師が直接受け入れ可否を伝えることで、より迅速な対応が可能になります。循環器では「柏ハートネット」があります。当院を含む柏市内の4病院の循環器内科をホットラインでつなぎ、救急の患者さんを適切な病院に受け入れる連携体制です。また、私は柏市医師会の救急災害担当として市内の医療機関と行政との協力体制にも尽力しています。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

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おおたかの森駅周辺をはじめ流山市は人気が高まり、子育て世代の皆さんも多く住む地域となりました。そうした方はもちろん親御さんの世代や高齢の方も含め、「住みたい」だけでなく「住んで良かった」と評価していただけるよう、当院は地域の医療機関と連携し、健康で長生きできる地域をめざしています。24時間対応の救急医療、がん治療をはじめ各診療分野で高度医療を提供するほか、地域包括ケア病棟では、治療後のリハビリテーションにも力を入れています。また、GIBネットワークや柏ハートネットのように同じ診療分野で病院同士が連携するだけでなく、高齢の方が安心して暮らせる地域づくりに向けて、高度医療から在宅医療までをシームレスにつなぐ地域包括ケアのモデル事業「柏モデル」に10年以上参画してきました。当院の理念は「地域とともに」「地域の皆さんの健康を守るために」です。どうぞ安心して受診していただければと思います。

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松倉 聡 病院長

1993年東京大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院第二外科入局。肝移植をはじめ肝臓、胆道、膵臓の治療を多く経験し、1999年に国立がんセンター中央病院肝胆膵外科チーフレジデント。東京大学医学部附属病院肝胆膵・人工臓器移植外科助教を経て、2004年医療法人社団誠高会に入職し、2005年から現職。日本外科学会外科専門医、日本肝臓学会肝臓専門医。

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