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社会医療法人社団三思会 東名厚木病院

(神奈川県 厚木市)

山下 巌 病院長

最終更新日:2020/11/25

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救急とがん医療に注力、信頼される病院へ

東名高速厚木インターから車で3分の地に、1981年に開院した「医療法人社団三思会 東名厚木病院」は、282床ながら、年間5037台(2016年4月〜2017年3月)の救急車を受け入れている地域医療支援病院である。近年ではがんの治療体制充実を図り、2017年6月に神奈川県央地域では数少ないというリニアック(放射線治療装置)の運用を開始した。同院を率いる山下巌病院長は消化器外科が専門だが、救急部門の責任者として現在も前線に立ち、夜の当直も担当し続けている。そんな志は医師たちにも受け継がれ、同院には自身の専門分野だけでなく、急性期医療に興味と情熱を持つ医師やコメディカルスタッフが集まっているという。山下病院長へのインタビューでは、救急医療、がん治療、そして地域包括ケアをめざす医療連携や早期からの退院支援体制など多岐にわたった。その言葉の端々に、何よりも患者のことを考える医師としての熱い思いが伝わってきた。(取材日2018年4月2日)

東名厚木病院は、この地域でどんな役割を担う病院ですか?

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当院は282床、ICU8床を有して地域の急性期医療を担っています。特に救急医療で地域に貢献することを、1981年の病院開設以来の使命としてきました。産婦人科、心臓血管外科、小児科、耳鼻咽喉科、眼科領域以外の疾患なら、三次救急レベルの重症患者も断らずに受け入れています。今年度も救急車5000台以上の受け入れが見込まれています。24時間365日の救急対応は、当直やオンコール待機する医師やコメディカルスタッフの協力があるからです。病院全体で救急医療を支える意識が浸透していることと急性期医療に興味を持つ人が集まっていると言えます。また、急性期の入院医療の特色を1つ挙げるなら、当院は経験豊富な摂食嚥下チームが、「早く食べられる状態に戻して、早く退院するためのお手伝いをする」活動に十数年前から取り組んでいます。治療だけではなく、あらゆる面で患者さんをチームで支えています。

最近、力を入れておられる分野は何でしょうか?

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がんの放射線治療です。2017年6月から先進的な放射線治療装置であるリニアックを運用開始しました。神奈川県央地域では、半数以上の患者さんが二次医療圏外の遠方の病院で放射線治療を受けておられ、圏域内で放射線治療が受けられる病院はほとんどありませんでした。運用開始以来、1日20〜30人程度の患者さんが来られるようになり、周辺住民の方には喜んでいただいていることと思います。放射線治療は多くの施設は外来でしか行っていません。当院でも多くは外来治療ですが、入院して受けることも可能にしています。高齢の患者さん、あるいは進行がんの患者さんで、通院での放射線治療が受けられないという方もいるので、その状態を考慮して入院対応を行っています。がんの痛み、症状緩和にも放射線治療は役立ち、残りの人生を楽しく送ることにもつながり、地域の病院から放射線治療の紹介も増えています。

ほかに、最近、機能を強化されたことはありますか?

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これまで、当院と敷地内の関連施設「とうめい厚木クリニック」の2ヵ所に分かれていた内視鏡部門を、2017年6月から病院内に統合し、内視鏡室4ブースで対応するようになりました。内視鏡検査・治療に精通した医師や看護師、設備機器などの医療資源を集中して効率的に運用するためです。専門の医師が集まっての症例検討もしやすくなりましたし、何かあればすぐ他科に応援を求めることもできます。患者さんも、広くなった内視鏡部門1ヵ所でスピーディーな診断、治療が受けられるようになったと思います。また、2017年10月から14床の緩和ケア病棟を開設しました。従来のイメージと違って、看取りをするだけの病棟ではありません。痛みや苦しさを緩和する治療を受けて、改善したら家に帰って充実した時を過ごしていただくための病棟です。ご本人が望むなら、できる限りご自宅での看取りを支援し、実際、その思いで緩和ケアチームは活動しています。

地域の医療機関とは、どのような連携を取っていますか?

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地域連携室が地域の先生方との紹介、逆紹介の窓口となり、スムーズに受診や入退院ができるように努力しています。当たり前のことですが、ご紹介いただいた患者さんは、紹介元の先生に必ずお返しするというのが原則です。入院患者さんには、入院直後から必ずソーシャルワーカーや退院調整看護師による支援を行います。家庭・社会環境や生活状況を調査し、病気の治療とともにADLを改善し、摂食嚥下機能を回復させる医療を行い、短い入院期間でも退院後の生活を維持できる体制を整えた上で、地域の先生方やご家族のもとへお返しすることを徹底しています。この地域は、回復期、慢性期の病院や老健への転院に時間を要することもあり、早い段階から退院後の準備をする必要があると思います。地域包括ケアの要となる在宅医療をどうするかということも踏まえ、今後は地域全体で1つのチームとなって患者さんを支えていくという姿勢が重要です。

今後の展望と、医師としての思いをお聞かせください。

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急性期医療、救急医療を中心にする方針は変わりません。当院は心筋梗塞や脳卒中などの救急に加え、切断指の再接着などの外傷治療も行えます。さらに包括的ながん治療をますます強化し、神奈川県指定の「がん診療連携指定病院」をめざしています。私の専門は消化器外科ですが、2000年ごろに病院の体制を整えたときに救急部門の責任者となり、その後もずっと救急を担当し、今も当直をしています。私の若い頃は容体が悪ければ夜もつき添い、外出しても駆けつけるのが当たり前でした。今とは時代が違いますが、主治医はそれぐらい患者さんに責任を持たなければなりません。受け持ったからには、良くして帰すという思いで努力すれば、患者さんにも伝わると信じています。患者さんと医師は対等に話をして信頼関係を結ぶものだと思います。当院理念のどおり「地域に信頼される病院」「患者に愛される病院」「誇りと責任を持てる病院」であるように努力し続けます。

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山下 巌 病院長

1985年富山医科薬科大学(現・富山大学)医学部卒業後、同大学病院第二外科(消化器外科)入局。1999年から「東名厚木病院」に勤務。その後、救急部門の責任者となる。2015年、病院長に就任。若い頃は、いつでも緊急呼び出しに応じられるようにポケットベルを頭にのせて入浴したという逸話も。日本外科学会外科専門医、日本救急医学会救急科専門医。

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