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医療法人賢仁会 産婦人科菅原病院

(埼玉県 越谷市)

寺内 文敏 病院長

最終更新日:2021/04/30

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安全性重視の医療で女性の生涯をサポート

「産婦人科菅原病院」の前身は、1972年に千葉県八千代市で菅原賢治理事長が開院した「菅原産婦人科医院」。1977年に現在地に移転したのち、1997年に現名称に変更した。産科においては、きらびやかな入院設備や豪華な食事が重視されることもある中、同院が最も大切にしているのは安全性の確保だ。妊娠・出産は病気ではないものの、数多くの病気を引き起こす可能性もあり、場合によっては母子の命にかかわることも。だからこそ、医療者は経過を見守りつつ細心の注意を払って状況を把握することが大切だと寺内文敏病院長。寺内病院長を含む専門の医師の努力の上に、患者にとって快適な通院・入院生活が成り立っているといえるだろう。開院以来、地域に根づいた産婦人科に特化した専門病院として、妊娠・出産を主体とした診療を続け、2022年に開院50年を迎える同院の取り組みについて、寺内病院長に話を聞いた。(取材日2021年4月8日)

メインの産科の特徴を教えてください。

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一般的に個人病院では正常分娩のみを取り扱うことが多いですが、当院では異常妊娠や異常分娩の妊婦さんも受け入れています。今は無痛分娩のニーズが非常に高く年々増加傾向にあり、基本的には患者さんのご要望に合わせてフルタイムで対応していますが、無痛分娩は通常の分娩よりもリスクが高いため、安全面に問題があると判断した場合は、経過を診ることもあります。当院の常勤医師は全員無痛分娩で行う硬膜外カテーテルに精通しており、かつ麻酔の専門知識を持つ医師も在籍し、安全に配慮しながら無痛分娩が行える環境を整えています。また、切迫早産については頸管縫縮術という治療をして管理をしながら安定につながるまでしっかりと診させていただいています。ゴールは元気なお母さんが元気な赤ちゃんを産んで帰るということ。それをめざして日々診療しています。

先生のご専門の婦人科についてはいかかでしょうか?

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婦人科では進行したがん以外の幅広い分野をカバーしています。外来では、月経困難症や更年期障害、骨粗しょう症の診断・治療をしています。入院治療では、子宮筋腫などの病気に対する子宮全摘術、腹腔鏡下手術による卵巣腫瘍や子宮外妊娠に対する専門的な治療のほかに、子宮頸がんの早期診断のためのコルポスコピーという精密検査や円錐切除術を、私を含む婦人科腫瘍専門の医師が大学病院と遜色のないレベルを追求した診療を行っています。婦人科は極端に言えば、赤ちゃんから高齢になるまで女性の生涯を通して診ていくことのできる診療科です。女性のライフステージごとに起こる症状に寄り添える地域の病院で在りたいと思っています。

その他の診療の特徴を教えてください。

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まず、生殖医療センターでは、外来診療を主体に体外受精など高度生殖医療を提供しています。産婦人科とは入り口を完全に分け、同じ待合室で患者さんが待つことがないように同じ敷地内の別棟で診療をしています。よく生殖医療だけを別施設で扱う病院もありますが、体外受精などにおける重要な行為の1つである採卵をする際、偶発的におなかの中の出血や麻酔によるショックが起こることがあります。万が一そのような事態になったとき迅速にある程度の人員を確保し対処できるように、このような配置にしました。その他、当院で生まれた新生児を対象に小児科・新生児科を開設し、乳児健診やワクチン接種に対応しています。さらに、専門の医師による乳がん検診や胎児超音波検査も実施し、産婦人科領域のほとんどの診療を院内で完結できるようにしています。その上で当院では治療が難しい症例については、地域の中核施設や高次医療機関にご紹介しています。

先生の産婦人科医療におけるこだわりはなんでしょうか?

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われわれが一番重視しているのは安全性です。妊娠・出産というのは哺乳類特有の生命の営みであり自然なことですが、数多くの病気の温床にもなり得ます。病気が発症した場合には胎児の命や場合によってはお母さんの命を奪うこともあります。そこで当院では安全性の確保を最重要事項として捉え、24時間365日緊急事には当直医のほかに専門の医師3人以上が瞬時に病院に集結できる体制を整えています。私は妊婦さんに「過剰な心配はせず、リラックスした気持ちで通院入院してください。細かい注意点はわれわれが見守っています」とお話ししています。最近は産科というとお部屋や食事の内容を気にされる方も多いですが、どんなに部屋が良くても赤ちゃんやお母さんの具合が悪くなってしまっては意味がありません。妊娠・出産は病気ではありませんが、病気につながる可能性はあり、そこから妊婦さんを守るのがわれわれ産婦人科医師の使命だと考えています。

最後に今後の展望についてお話しください。

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これまではメインの産科を取り囲むように婦人科や生殖医療、小児科がありましたが、少子高齢化に伴い、婦人科における妊娠出産を終えた次のステージの人を対象とした診療を充実させていきたいと考えています。例えばお肌のトラブルはホルモンバランスが原因であることも多いので、婦人科の中の美容皮膚科のような位置づけで、ホルモンの専門家としてのアプローチを展開していきたいです。妊娠をきっかけにできたご縁を大切に、今まで以上に地域の女性が求めていることを専門的で高度に、広い範囲でカバーできる産婦人科専門病院で在りたいですね。妊娠のことや体調のことで迷ったらまずは受診してください。最大限の対応をさせていただき、もしもわれわれでは対応できないことは責任を持ってしかるべき施設にご紹介いたします。地域の女性が安心して生活していけるように頑張ってまいります。

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寺内 文敏 病院長

東邦大学医学部卒業後同大学医学部産婦人科学講座入局。同大学医学部講師を経て米国Memorial Sloan Kettering Cancer Center留学。2010年東京医科大学産婦人科学講座教授就任。2019年より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医。母体保護法指定医。東京医科大学産科婦人科学講座客員教授、東京慈恵会医科大学産婦人科学講座非常勤診療医長。

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