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医療法人賢仁会 産婦人科菅原病院

(埼玉県 越谷市)

寺内 文敏 院長

最終更新日:2024/06/19

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安全性を最優先に地域の産婦人科医療に貢献

1972年の設立から50年以上にわたり、産婦人科に特化した専門病院として地域医療に貢献してきた「産婦人科菅原病院」。正常分娩だけでなく、異常妊娠や異常分娩の妊婦も受け入れる同院のシンボルマークは、病院名の頭文字をはじめ、「安全(Safe)」、「誠実(Sincere)」、「衛生的(Sanitary)」といった「S」を集約したデザイン。日頃から母児の命に関わるような緊急事態を想定した訓練を実施するなど、安全性を最優先にした医療を徹底している。さらに、婦人科や生殖医療、新生児に対する健診やワクチン接種など産科以外の診療も充実。婦人科の病気に対する腹腔鏡手術や子宮全摘術、円錐切除術なども積極的に行っており、幅広い年齢層の女性の健康をサポートしている。「思春期から妊娠・出産期、更年期、老年期まで、女性の人生をトータルにケアできる産婦人科医療の提供をめざしています」と語る寺内文敏病院長に、同院の特徴や今後の展望を聞いた。(取材日2024年5月14日)

病院の特徴と地域の中での役割について教えてください。

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当院は産科を中心に、月経に関するトラブルや不妊治療、更年期障害など産婦人科領域を幅広く診療する産婦人科専門病院です。分娩に関しては通常分娩はもちろん、肥満や糖尿病、高血圧症などの合併症を有する妊婦さんなどハイリスク妊娠にも対応しており、緊急時にも365日24時間、複数の医師で対応できる体制を整えています。近年は妊娠・出産年齢の高齢化に伴いハイリスク妊娠も増えています。埼玉県の地域周産期母子医療センターである獨協医科大学埼玉医療センターと連携しながら、当院での出産を希望してくださる妊婦さんの期待にできる限り応えていきたいと思っています。出産はとても素晴らしく、喜ばしいものですが、同時に多くのリスクが伴います。当院では安全性を最優先に、出産時のリスクをできる限り抑え、最良の結果が得られるように尽力しています。

分娩時の緊急事態にも対応できる体制が整っているそうですね。

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はい。妊娠中や分娩中に母児に予期せぬ緊急事態が発生した場合は、できるだけ早く帝王切開で分娩させる必要があります。特に、常位胎盤早期剥離や切迫子宮破裂、臍帯脱出など母児の命に関わる事態に陥った場合は、手術を決定した後30分以内に赤ちゃんの娩出をめざすグレードA、つまり超緊急帝王切開術を行います。当院ではこの緊急事態に迅速に対応できるよう、グレードAを想定したシミュレーション訓練を、医師・看護師・助産師など多職種で定期的に実施し、平均20分程度での娩出をめざしています。また、一度帝王切開で出産した方は、次回の出産も帝王切開が選択されますが、臓器の癒着などにより、初回よりも高度で慎重な手技が求められます。そのため、2回目以降の帝王切開は取り扱わない施設もありますが、当院では3回までは対応しております。

出産後のケアや、婦人科の診療についても教えてください。

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当院での入院期間は経腟分娩は4日、帝王切開が7日ですが、入院期間を延長することも可能です。産後の体力が回復せず、もう少し体を休めたい場合や、授乳や沐浴など赤ちゃんのお世話に自信が持てない場合などにご利用いただければと思います。また、新生児の診療では、獨協医科大学埼玉医療センターの周産期母子医療センターにも在籍する新生児専門の医師が乳児健診や予防接種、入院中の赤ちゃんの診察を行っています。婦人科では、月経困難症や子宮内膜症、更年期障害などに対する薬物療法のほか、子宮筋腫などの病気に対する子宮全摘術、腹腔鏡下手術による卵巣腫瘍や子宮外妊娠に対する外科治療にも対応しています。さらには、子宮頸がんの前段階である子宮頸部異形成に対する円錐切除術も行っています。円錐切除後の妊娠は早産のリスクが高くなるため、予防を目的とした頸管縫縮術も含めて当院にて継続して妊娠・出産まで診ていくことも可能です。

不妊治療にも対応されているそうですね。

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院内に生殖医療センターを設けていますが、産科の患者さんと同じ待合室で待つことがないよう入り口を完全に分けています。生殖医療を専門とする医師が診療を担当し、タイミング法と人工授精の一般不妊治療から、体外受精や顕微授精、胚移植、胚凍結・融解胚移植まで対応しています。不妊治療では、採卵の際に偶発的におなかの中の出血や麻酔によるショックが起こることもあります。万が一そのような事態になった場合、生殖医療専門の施設では他の病院に転院して治療を受けることになりますが、当院は手術・入院が可能ですので、ほとんどの場合院内で対処が可能です。もちろん、当院では対応できないことはしかるべき施設にご紹介いたしますが、地域の中核施設や高次医療機関に患者さんが集中して過剰な負担をかける事態を避けるためにも、周産期を含めほとんどの診療を院内で完結できる体制を維持していきたいと考えています。

今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

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今後は、ニキビや乾燥といった肌の悩みに対する女性ホルモンの観点からのアプローチなど、美容皮膚科的なニーズにも対応できればと考えています。また、子宮脱などの骨盤臓器脱で通院されているご高齢の患者さんに、骨粗しょう症や高脂血症、高血圧症などの内科的治療も受けていただけたり、分娩時の会陰裂傷瘢痕に対する美容外科的手術にも対応したりと、出産後の女性の人生を豊かにする診療にも取り組めるよう準備を進めています。私は長年、大学病院で婦人科がんの治療に従事してきましたが、がん治療を終えて退院する患者さんには「おめでとう」と声をかけて送り出していましたから、がん治療も周産期医療も根本は変わらないと感じています。これからも地域に根差した産婦人科病院として、妊娠・出産を主体として女性のライフステージに一貫して関わっていける病院でありたいと思っています。産婦人科領域の悩みがあれば、気軽にご相談ください。

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寺内 文敏 院長

東邦大学医学部卒業後同大学医学部産婦人科学講座入局。同大学医学部講師を経て米国メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター留学。2010年東京医科大学産婦人科学講座教授就任。2019年より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医。母体保護法指定医。東京医科大学産科婦人科学講座客員教授、東京慈恵会医科大学産婦人科学講座非常勤診療医長。

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