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社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院

(神奈川県 海老名市)

小林 智範 病院長

最終更新日:2025/11/19

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地域の人々に安心をもたらす病院をめざす

神奈川県県央地域の中核病院として、地域に根差した医療を提供している「海老名総合病院」。高度急性期医療に特化し、救命救急センターでは、24時間365日体制で重症外傷や心肺停止、敗血症性ショックなど、命に関わる重篤な患者を受け入れている。さらに、脳神経疾患や心臓血管疾患には、高い専門性を持って治療にあたっているほか、がん診療にも力を入れて取り組んでいる。そんな同院の病院長に2025年に就任し、「海老名総合病院に行けば安心と思っていただける存在であり続けること。それが私たちの使命です」と話す小林智範先生に、同院の取り組みや今後の展望について話を聞いた。(取材日2025年9月19日)

最初に、病院の特徴を教えてください。

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当院は、神奈川県県央地域における高度急性期病院としての役割を担っています。病床は479床で、すべてを急性期治療に充てています。さらに、重症患者に対応する集中治療室(ICU)、手術後の管理を行う高度治療室(HCU)、脳卒中に特化した脳卒中集中治療室(SCU)といった専門ユニットも整備し、幅広い急性期医療に対応しています。救急医療にも力を注ぎ、県央地域に数少ない救命救急センターを運営しています。「断らない救急」を掲げ、24時間365日体制で命の危機にある重症患者さんを含め、多くの救急搬送を受け入れています。また、「地域医療支援病院」として、近隣の医療機関との連携を強化しながら、切れ目のない医療の提供をめざしています。その中でも、脳血管疾患や心臓血管疾患、がん診療に重点を置き、特にがん手術では手術支援ロボットを導入し、より低侵襲で体への負担が少ない治療の提供に努めています。

救急医療について、詳しく教えてもらえますか?

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救命救急センターは現在、専用病床を30床備え、専従の医師が17人在籍しています。そのうち、日本救急医学会救急科専門医が12人、集中治療を専門とする医師が4人、外傷を専門とする医師が3人、さらに精神保健を専門とする医師が1人という体制です。救急搬送されてきた患者さんには、救急集中治療部門が初期治療全般を行い、入院加療が必要と判断された場合には、該当する診療科へ引き継ぎます。一方、多発外傷や急性中毒、心肺停止、敗血症性ショックといった集中治療を要する重症患者さんについては、救急専用の病床や集中治療室において、救急集中治療部門で全身管理を含めた治療を継続します。急性の心臓血管疾患や脳血管疾患、重症外傷に対応できる医療機関は限られています。そのため、必要とされる医療を過不足なく提供していくことが、当院に課せられた重要な役割であると考えています。

ほかに力を入れていることはありますか?

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がん診療については、乳がんや大腸がん、胃がん、前立腺がんといった罹患数の多いがんに特に力を注ぎ、手術支援ロボットによる低侵襲手術にも対応しています。がん治療は長期にわたることが多く、遠方への通院が難しい患者さんも少なくありません。特に高齢の方にとっては、地域の中で治療を完結できる体制が望ましく、そのための診療体制を維持していきたいと考えています。脳卒中に対しては、脳神経外科と神経内科が連携する脳神経部門が、心筋梗塞などの心血管疾患には、循環器内科と心臓血管外科が連携する心臓血管部門が対応しています。いずれも救急集中治療部門と協力し、24時間体制で診療を行っています。また、脳神経部門では、未破裂脳動脈瘤に対する手術や血行再建術など、脳卒中予防に向けた治療、心臓血管部門では、狭心症に対する心臓カテーテル治療や不整脈のアブレーション治療などにも力を入れています。

先進の設備の導入を予定していると伺いました。

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普通の手術室と血管造影室を兼ね備えた「ハイブリッド手術室」を年度内に導入する予定です。現時点でハイブリッド手術室が不可欠となる治療は限られていますが、当院には脳血管や心臓血管領域の患者さんが非常に多く、近隣で対応できる医療機関も少ない状況です。そのため、今後はハイブリッド手術室を活用し、高度かつ低侵襲な治療に対応していく必要があると考え、導入することにしました。導入にあたってはクラウドファンディングを実施しています。寄付をお願いすることはもちろんですが、それ以上に、この取り組みを通じて「当院が現在どのような医療を行い、これからどのような医療をめざしていくのか」を地域の方々に知っていただくことも大切な目的の一つです。実際に脳卒中や心筋梗塞の治療経験のある患者さんからの寄付や応援のメッセージを頂いていて、これからも頑張っていこうと、スタッフ一同が元気づけられています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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当院は地域の中核を担う基幹病院として、経営の効率化を追求するだけでは地域の期待に応えることはできません。高度化する医療ニーズに対応するほど経営の難度も増す中で、診療機能の維持・発展と持続可能な医療提供体制の両立こそが、現在の最も重要な課題と考えています。当院の強みである心臓と脳の血管領域については、さらに診療レベルを高め、より高度な医療を提供できるよう取り組んでいきたいと思っています。また、数年前に完成した西館により、高度急性期医療を担うための設備面はある程度整ってきました。しかし、本館や東館は老朽化が進んでいるため、まだ完成形には至っていません。これらの建て替えも視野に入れこの地域に長く、過不足のない医療を提供できる体制を整えていこうと考えています。そして、地域の皆さんに思っていただける存在であり続けるためにこれからも努力を重ねてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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小林 智範 病院長

2000年山梨医科大学(現・山梨大学医学部)卒業後、東京女子医科大学脳神経外科に入局。2008年に同院に赴任し、脳神経外科の立ち上げに携わる。その後帰局、海外留学などを経て、2014年より同院。脳神経外科部長、副院長などを歴任し、2025年より現職。日本専門医機構脳神経外科専門医。医学博士。

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