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医療法人はぁとふる 運動器ケア しまだ病院

(大阪府 羽曳野市)

勝田 紘史 病院長

最終更新日:2023/07/19

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その人らしい毎日を多職種でサポートする

「運動器ケア しまだ病院」は、1946年に結核療養を行う病院として開設された。1984年に現理事長の島田永和先生が赴任したのを契機に、当時はまだ珍しかったスポーツ整形外科を中心にした病院に方向性を転換。運動器のさまざまな問題に対して、リハビリテーションを大切にした運動療法で対応してきた。患者には、体力の衰えが気になる年代だけでなく、スポーツを愛好する若年者も多いのが特徴だ。「私たちは、その人がその人らしく自分の人生を全うすることを“Warm Heart ” “Cool Head ” “Beautiful Hands ” で支援します」とグループで掲げているように、医師やスタッフは単に病気を治療するだけではなく、運動器の機能を取り戻し、一人ひとりの患者がより自分らしく、心豊かに生きられる毎日の実現をめざす。自身も「その人が、その人らしく生きられる」ことを医師としての目標にしているという勝田紘史病院⻑に、同院のスポーツ整形に対する特色ある考え方や取り組み、チーム医療や先進のロボット支援手術などについて話を聞いた。(取材日2023年4月28日)

病院名にもある「運動器ケア」とはどのようなものでしょうか。

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整形外科は形を整える外科と書き、例えば骨が折れると、外科的な処置を行って形を整え治癒へと導きます。ですが、骨折が治っても走れない、以前のような運動のパフォーマンスを発揮できないといった状態に陥ることがあります。このため、スポーツ整形外科では外科的に形を整えるだけでなく、骨折治療後の機能回復も合わせて考えます。当院が掲げている「運動器ケア」は、患者さんが主体的に動く運動療法に加えて、手術などのあらゆる手段を用いて身体的、社会的、精神的に病気を治し、支えることを目標とするケアです。骨折など明らかな形の異常がない場合や、痛み・動きにくさを感じる機能障害に対しても、リハビリによって体をうまく使えるように、また柔軟性や筋力を高めて体にかかる負荷に耐えられるように、ケアを提供しています。明らかな病名がつかないケースでも、適切なリハビリを行っていくことで機能の改善をめざします。

併設するメディカルフィットネスについて教えてください。

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「Eudynamics ヴィゴラス」では、日常生活上は大きな問題がなく医療保険での治療を終えた方でも、機能改善をめざすことで傷まない体づくりを目標に、一人ひとりの状態や目的に合わせた運動を提供しています。あわせて、理学療法士のサポートや看護師の巡回見守りがあるほか、12人のトレーナーが正しい体の使い方などのパーソナル指導に対応しています。また、一般のフィットネスジムとしての使用も可能なので普段から体力づくりを行いたいという方にも手軽にご利用いただけます。ヨガ教室などの充実したスタジオプログラムや個別トレーニングプログラムのほか、スポーツをされる方に対しては高いパフォーマンスを実現するための指導も行い、実際に投球やランニングができるスペースなども設けています。

手術支援ロボットを導入されたと聞きました。

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当院はリハビリを中心に行っていますが、徹底した保存療法でも改善が難しい場合は手術を提案します。現在、膝、腰、股関節、手、スポーツ整形外科など各分野の医師が15人在籍して手術に対応しており、医師が手術経験を積むのに適した環境でもあります。手術支援ロボットは膝の人工関節手術のために導入しました。曲げ伸ばしの複雑な膝の手術では靱帯のバランスを確認しながら手術することが大切です。これまでは膝が伸びた状態と、90度曲がった状態の2点で靱帯の状態を確認していましたが、膝が30度曲がった時に患者さんが違和感を覚えることがあります。当院が採用した支援ロボットは他の支援ロボットとは違い、膝が伸びている状態から深く曲げた状態までの靱帯のバランスなども数値化でき、手術の正確性だけでなく人工関節を入れた後の動きの向上が見込めるため、「形を整えるだけでなく、機能の改善をめざす」という当院の考え方とマッチしています。

院内のチーム医療はもちろん、地域連携も大切にされていますね。

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患者さんの治療については、医師はもちろん、さまざまな職種のスタッフがチームで関わります。例えば、画像診断などで異常を捉えることができない慢性疼痛の患者さんに対しては、公認心理師が心理的な面からアプローチし、麻酔科の医師は痛みをコントロールするための治療を提供します。骨粗しょう症で圧迫骨折を起こした方については、リエゾンサービスチームがご家庭内での動線や家具の配置など新たな骨折を防ぐための取り組みまでを治療の一環として捉え、対応しています。地域とのコラボレーションという意味では、コロナ禍の間は開催が難しかった市民公開講座を復活させ、さまざまなテーマで年に4〜5回開催する予定です。他にもトレーナーが地域の集会場などで腰痛予防の指導などを積極的に行っています。また、整形外科の単科病院では対応が難しい患者さんに対しては、近くの総合病院と密接な連携を生かして対応しています。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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運動器で困っている人にあらゆる対応ができる、総合デパートのような存在になりたいと考えています。デパートに出かけると、さまざまなものの中から自分の希望に沿うぴったりのものを選べますよね。当院でも、手術やリハビリに加え、枕や靴の中敷きなど、考えられるすべての方法を使って患者さんがその人らしく生活できるよう、最適な方法を選んでいただける運動器のデパートのような施設にいつかなりたいですね。整形外科は手術のイメージが強いかと思いますが、私たちはいろいろな角度から方法を検討した先に手術があると考えています。手術はタイミングが大切なので、最初から手術のお話をすることもありますが、「良くなりたい」という思いを持っておられ、主体的に取り組まれる方には、リハビリを通して機能を取り戻し、その方らしい毎日を取り戻せるよう精いっぱいサポートいたします。運動器のことでお困りなら、一人で悩む前にまずはご相談ください。

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勝田 紘史 病院長

2002年川崎医科大学医学部卒。2011年当時の島田病院副院長に就任。2014年から1年間、日本全国及び海外の整形外科に注力する病院を2週間ごとに巡り、整形外科医、病院経営者として必要なさまざまな知識や情報を吸収。2016年にグランドオープンした新病院の空間設計などにもその知識を生かす。2018年よりスキーのチームドクターとしても活躍中。2020年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。

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