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社会医療法人生長会 府中病院

(大阪府 和泉市)

竹内 一浩 病院長

最終更新日:2023/06/02

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地域に根を下ろし、愛のある医療を提供する

泉州北部地域の基幹病院として1955年に開設、68年の歴史を持つ「府中病院」。その志は高く「Excellent Hospital—最高の病院を目指す―」を基本方針に掲げ、職員一丸となって、地域医療の提供に邁進している。特に救急医療に注力しており、和泉市の約6割の救急搬送を24時間365日受け入れている。循環器内科医師と救急隊、地域の医師とは「ハートコール」でつながっており、心・血管系疾患は搬送時からスピーディーな治療を実施している。がん治療の分野では、早期に手術支援ロボットを導入し、前立腺から大腸、胃、肝胆膵、骨盤臓器脱の手術まで、着実に件数を積んでいる。人材育成にも熱心で、特に初期研修医は「医療界を担う大切な宝」と位置づけて病院をあげたサポート体制を整え、将来性のある若手医師を多く育てている。地域医療構想を実現するために泉大津市立病院との統合再編プロジェクトが進行しており、2024年に急性期を担う新病院が完成する予定である。そんな過渡期にある府中病院の竹内一浩院長に、魅力あふれる同院をさまざまな角度から語ってもらった。(取材日2023年4月14日)

まず病院の成り立ちと地域における役割について、伺います。

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当院は1955年、初代理事長である岸口繁先生が「患者を大事にする病院、そして職員を大事にする病院」を信念として開設されました。当初は30床の木造の建物でしたが、現在は380床の急性期病院として68年目を迎えます。法人としても大きく成長し、現在は社会医療法人 生長会と社会福祉法人 悠人会の2つの法人として施設数は50を超え、職員数も5000人を超える大きな組織となりました。府中病院は泉州北部の急性期医療を担う基幹病院としての役割を担っています。特に救急医療においては、急病救急センターを中心として一次・二次救急に対応し、24時間365日、断らない救急を心がけています。現在は和泉市内の6割の救急搬送を受け入れており、今後さらに心血管・脳血管疾患における救急医療の充実をめざしていきたいと考えています。

救急の他に注力されている医療について、教えてください。

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高度急性期医療として、がん治療があります。中でも手術においては手術支援ロボットを早くから導入し、泌尿器科、外科、婦人科領域で多くの症例を積んでいます。当院では以前より低侵襲手術として腹腔鏡手術の実績が多くありましたが、ロボット支援手術は腹腔鏡手術以上に患者さんにとって低侵襲な医療になり得るという確信を持ち、早期導入に踏み切りました。ロボット支援手術は、鮮明な3Dカメラで体内を立体的に映し出し、270度の可動域を有するロボットアームを操作して、繊細かつ精密な手術操作が可能となります。またこのシステムでは執刀医の手ぶれを補正するなどコンピュータ―制御によるサポートがあり、外科医の寿命を伸ばすメリットもあります。その反面、若い外科医が育ちにくい環境にならないよう、教育制度の構築にも取り組む必要があると考えています。魅力のあるロボット支援手術が、外科医の減少の歯止めになればいいと思います。

人材育成にも力を入れておられますね。

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良い医療を提供するためには、良い医療者の育成が欠かせません。2004年に新医師臨床研修制度が始まってからは、当院でも初期研修医の育成に力を注いでいます。当初は、日常の業務だけでも大変なのに、若い医師の面倒を見るのは大変だという思いも現場にありました。しかし、自分たちのことだけ考えるのではなく、医療界全体のことを考えた時に、若い医師をしっかり育てることは、きっと自分たちに、さらに自分の家族や子ども、孫にも恩恵として返ってくる、と私は信じています。当院の研修教育のキーワードは「磨く・もてなす・育む」です。初期研修として短い2年間の中で技術や知識を磨くのは当然のことですが、それ以上に人間的な部分もしっかりと成長できるように研修環境を整えてもてなそう、そして病院全体、職員全員で研修医を育もうという思いを込めています。

地域医療連携において、新しい構想があるそうですね。

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この泉州北部地域には大学病院や大規模病院がなく、300~400床前後の中規模病院が連携して地域医療を守っています。今後さらに地域に質の良い医療を持続的、普遍的に提供し続けるために、地域医療構想に基づく泉大津市立病院と府中病院との統合再編プロジェクトが進行しています。両院の機能をきっちりと分化、集約し、必要な病床数を備えた3つの病院に再編します。現泉大津市立病院は、周産期医療と小児医療に特化した病院へと生まれ変わります。両院の急性期、高度急性期を担う部門を集約し、救急医療、がん医療、災害医療、感染症対策を担う新病院を開設します。そして当院はその新病院を後方支援する病院として、回復期医療、地域包括ケアを担う病院に生まれ変わります。2024年にこのプロジェクトが実現する予定ですので、ぜひご期待ください。

最後に読者へメッセージをお願いします。

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府中病院の理念は、「愛の医療と福祉の実現」「地域と職員と共に栄えるチーム」「Yu・ki・to・do・ku ゆき届いたサービス」です。この中で私が一番大事にしているのは「地域と職員と共に栄えるチーム」です。患者さん、そのご家族、そして地域を元気にするためには、まず職員が元気でなくてはなりません。安全で安心な医療を提供するために、私たち医療従事者が求められる事柄はどんどん増えています。そんな大変な仕事だからこそ、職員が笑顔で、元気に働ける職場環境を整え、やりがいと幸せを感じてもらえる病院づくりが、私の使命だと考えています。そういう意味でも新病院はぜひ職員にとっても「Excellent Hospital」にしたいと思います。これからも地域にしっかりと根を下ろし、地域の先生方をはじめ、地域の皆さんから信頼していただけるような「ゆき届いた愛の医療」を提供していきたいと思います。

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竹内 一浩 病院長

1988年大阪市立大学医学部卒業後、同大学病院第一外科に入職。1990年兵庫医科大学救命救急センター、1991年馬場記念病院外科を経て、2005年府中病院外科部長に着任。消化器外科、主に肝胆膵外科を中心に執刀。臨床の傍ら、2008年から初期臨床研修に携わり、若手医師の教育にも注力。2011年に副院長、2015年病院長に就任し、現在に至る。

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