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社会医療法人 生長会 府中病院

(大阪府 和泉市)

西川 慶一郎 院長

最終更新日:2025/03/03

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地域包括ケアの拠点となって在宅復帰を支援

1955年の開設以来、泉州北部地域の急性期医療を担う基幹病院として大切な役割を果たしてきた「府中病院」。2024年12月、かねてより構想のあった泉大津市立病院との再編統合プロジェクトが実現し、回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟を中心とする地域包括ケアの拠点となる病院へと生まれ変わった。急性期医療を担う泉大津急性期メディカルセンターと役割を分担し、患者の在宅復帰へ向けた治療やリハビリテーションを提供するのが同院の第一使命。さらには市民のかかりつけとしての外来から生活支援や介護相談まで、地域には欠かせない総合施設という重要なポジションを一手に担う。新体制のリーダーとなった西川慶一郎院長が掲げたのは、「be yourself(その人らしく)」というスローガン。患者とその家族、関係者から医療スタッフに至るまで、それぞれの意思や主体性、ライフスタイルを尊重しようという西川院長の思いが伝わってくる。こうした理念をもとにリニューアルした病院の機能や位置づけ、同院がめざす地域医療との関わり方を、今後の展開を含めて西川院長に詳しく聞いてみた。(取材日2025年1月22日)

新スタートを切った病院の、新たな位置づけを教えてください。

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当院はこれまで地域に根差し、急性期および高度急性期を中心とした医療を提供してきました。2025年12月からは旧・泉大津市立病院との統合を果たし、急性期医療は新病院である泉大津急性期メディカルセンターが、回復期医療や地域包括ケアは私たち府中病院が、それぞれに機能を分化した上で新たな役割を担うことになりました。急性期を経過した患者さん、あるいはご自宅や入所施設からの救急のご高齢者さんを受け入れ、いずれも在宅復帰へ向けた治療やリハビリテーションなどの支援を行っていくことが当院の最大の使命です。また、法人の関連施設とも連携し、在宅医療や介護といった地域の生活支援や介護相談などの相談機能も整えています。医療の中心となるのは回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟で、外来診療では内科・肝臓内科・糖尿病内科に、眼科の「府中アイセンター」、泌尿器科、「透析センター」などがスタンバイしています。

どのような姿勢で臨んでいるのか、病院の理念を伺います。

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私たちの法人は「愛の医療と福祉の実現」「地域と職員と共に栄えるチーム」「Yu・ki・to・do・ku ゆき届いたサービス」を理念に掲げ、地域に貢献してまいりました。そこに加えて、病院として提唱したのが「その人らしく -be yourself-」というコンセプトです。患者さんにはご高齢であったり体に障がいがあったりで、生活に不自由さを感じている方もおられるでしょう。そうした皆さんに医療や介護を提供する上で忘れてはならないのが、中心となるのは患者さんであり、ご家族であり、生き方や死生観も千差万別ということ。それは私たち医療者側に関しても同様で、一人ひとりがそれぞれの思いや考え個性を持って接し、良い結果を導き出していくべきではないかと私は思います。いわば患者さん、ご家族との共同作業。何を希望されているのか、私たちに何ができるのか、しっかりとすり合わせながら理想を追求していきたいと考えています。

新体制下での院内スタッフの印象はいかがですか?

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私自身も泌尿器科や透析センターで医療現場を担当していますが、新体制で多忙な中にあっても職員全員が前向きに取り組んでいる姿が印象的ですね。急性期と回復期が同じフロアで共存していた頃に比べると病院の方向性がより明確になり、患者さんと接する時間も増えたように感じます。もちろん、かつて急性期医療に携わっていた先生方は泉大津急性期メディカルセンターにおられますので、心臓疾患や軽度の認知症などをお持ちの患者さんをラウンドしてもらうなど、以前と同様に一貫した流れで親密な連携が取れることは大きな安心につながっています。あと、地域の生活支援や介護相談などに関してはソーシャルワーカーが重要な役目を果たしていますが、皆さんのさまざまな事情を考慮しながら調整にあたってくれるので非常に助かっています。このようにそれぞれのスタッフが同じ目標を持ち、自分の求められている役割を果たしていくのがチーム医療ですからね。

今後に向けた展望があればお聞かせください。

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まずは病床ですが、現時点では地域包括ケア病棟40床と回復期リハビリテーション病棟40床で合計80床。そこに重度外傷を対象とした16床が加わり、さらには2026年の春をめざして167床へと大幅に増床する予定です。80床でスタートしたのには理由があって、一定期間を準備段階と見なし、小規模のうちに問題点や足りない部分をあぶり出して改善へとつなげるテストケースのような意味合いがあります。あと、医療機器などはなるべくハイテクなものを導入し、地域の中核病院にふさわしい環境を整えたいと考えています。例えばリハビリテーションの現場にはすでに手指の補助ロボットを先行導入していますが、これは若いセラピストたちの積極的な意見を取り入れた結果で、リハビリテーションでさっそく活用しています。新しければ何でも良いというわけではありませんが、こうした先進的なチャレンジには私自身も大いに刺激を受けます。

最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

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繰り返しになりますが、私たちの基本的な目的は患者さんの在宅生活への復帰へ向けた支援。急性期だけでは片手落ちになりがちな地域医療を法人全体で支えつつ、当院は回復期医療や地域包括ケアを使命として力を注ぎます。さらに今後は地域の開業医の先生方とも密に協力し合いながら、在宅医療や在宅のリハビリテーションでも中心的な役割を果たしていければと考えています。あらゆるステージに滞りなく関われるからこそ、連続した流れの中で皆さんの思いや生き方をサポートできるに違いありません。まだ新たなスタートを切ったばかりですが、押しつけや画一的なサービスではなく、これからも創意工夫を繰り返しながら魅力ある病院づくりに励んでいく所存です。皆さんが自分らしく生きるための医療や福祉の提供をめざしますので、単なる医療機関というだけでなく、心のよりどころとして頼りにしていただければ何より幸いです。

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西川 慶一郎 院長

1987年島根医科大学医学部卒業。1988年大阪市立大学大学院に入学し、大野病院や和泉市立病院の泌尿器科にて医員として勤める。大学院終了後、大阪市立北市民病院での勤務を経て府中病院に入職。1998年からは泌尿器科副部長・部長と人工透析センター長を兼任し、2006年に副院長に就任。院長代理を経て2024年12月院長に就任。泌尿器科診療や人工透析に携わりながら現在に至る。

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