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市立ひらかた病院

(大阪府 枚方市)

林 道廣 病院長

最終更新日:2024/01/09

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信頼を大切に、「心のかよう医療」をめざす

「市立ひらかた病院」へは、京阪本線・枚方市駅から禁野方面へ徒歩約15分、バスを利用すれば約5分でアクセスできる。1950年に内科、外科の病院として開設され、現在は豊富な診療科と335の病床を持つ総合病院、北河内エリア内の公立病院として地域の健康を支えている。2014年に新たに建て替えられた病院は、バリアフリー設備などユニバーサルデザインを導入し、誰もが利用しやすい空間となっている。手術や入院が必要な患者を診る二次救急指定医療機関として、「断らない医療」をモットーに多くの救急搬送を受け入れ、小児救急では小児科医師が24時間365日体制で対応。感染症やがんの診療、周産期医療に加えて災害時医療についても、充実した医療サービスの提供に努めている。また、地域に根差した公立病院として住民との信頼関係を大切にしており、市民の意見をつかむべく毎年患者アンケートを実施。病院全体でサービスや医療の質の向上をめざす取り組み積み重ねることで、モットーに掲げる「心のかよう医療」の提供をめざしている。病院の特色ある取り組みや地域医療にかける情熱について病院長の林道廣先生に話を聞いた。(取材日2023年1月6日)

地域におけるこちらの病院の位置づけについて教えてください。

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当院は、枚方市をはじめとする7つの都市のおよそ120万人の市民の健康を支える北河内エリアの公立病院です。急性期の医療を担う2次救急指定医療機関として、「断らない医療」を合言葉に、年間数多くの救急搬送を受け入れています。中でも小児救急に力を注いでおり、北河内医療圏における小児医療の拠点的な病院として、2022年に大阪府小児地域医療センターに指定されました。病院全体の救急搬送に占めるお子さんの割合が非常に高く、感染症や熱性けいれん、てんかんなどで救急搬送される患者さんを、現在は常勤の小児科医師9人に大学病院などからの非常勤の小児科医師も加え、24時間365日体制で対応しています。急性期を脱した患者さんについては地域の病院やクリニックをご紹介し、一方、より高度で先進的な急性期医療を必要とする患者さんについては、関西医科大学附属病院や大阪医科薬科大学病院と連携対応しています。

枚方市の災害時医療体制も整えているのですね。

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当院は、災害発生時に被災地域内の患者さんを受け入れ、求められる医療サービスを提供するとともに、必要に応じてほかの病院に搬送する機能を持っています。枚方市の場合、関西医科大学附属病院が災害時に発生した特に重症の患者さんの救急医療に対応する災害医療の拠点病院となっています。それ以外の患者さんを地域のほかの病院や診療所から受け入れるのが当院の役割です。災害はいつ起こるか予想ができないので、緊急時にも的確に対応できるよう、年に数回、災害訓練やシミュレーションを実践しています。あらかじめ決めた職員の役割分担に従って対策本部を立ち上げて行政との連絡体制を整え、緊急度に従って治療の優先度を判断するトリアージや診断、搬送の訓練などを、本番さながらに行います。また、単に訓練するだけでなく、毎回必ず振り返りを行い、明らかになった問題点の改善にも取り組んでいます。

がん診療にも注力されています。

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当院ではがん診療の充実を図り、高度で身体的負担のより少ない医療の提供に努めています。胃、大腸、肺、乳房、肝臓の五大がんなど一般的ながんについては、手術、放射線治療、化学療法からフォローアップまで対応可能で、当院でがん診療が完結できる体制を整えているのが特徴です。最上階の見晴らしの良いフロアには全室個室の20床の緩和ケア病棟を設けて、終末期をより快適に過ごしていただけるよう、ご家族が宿泊できる設備やキッチンなども備えています。また、腹腔鏡、胸腔鏡手術を積極的に導入しており、がんの手術についても必要十分でより負担の少ないこうした方式に順次シフトしています。さらに、2022年にはロボット支援手術も導入して、手術部位と術式により適用可能な患者さんについてはロボット支援手術を行っています。健康保険が適用される術式の幅も広がっているので、今後は活用するケースがより増えると思います。

さまざまな診療部門を立ち上げていますね。

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2019年に消化器センターを開設しました。消化器の調子が悪いと悩んでおられる方は、消化器センターにご相談いただければ、症状に適した診療科へとつないでいくことができ、どの診療科を受診すれば良いのかわからないと悩む必要がありません。また、消化器センターが中心となり、診療科の間の垣根を越えたスムーズで迅速な対応を提供できます。一方、整形外科が中心となって下肢機能再建センターも開設しています。手術やリハビリテーションを提供することで、健康な毎日に欠かせない「快適に歩ける、しっかり歩ける」状態をめざします。さらに、声がかすれる、声が出ないなど発声に問題がある方に対して手術などを行う音声外科センターと、糖尿病センターを2023年からスタートさせました。今後も地域に密着した病院として、市民の声を聞き、ご要望に応えるセンターを立ち上げることで、より地域のニーズに対応した医療の提供をめざしていくつもりです。

今後の目標を聞かせてください。

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職員の一人ひとりが、生きがいと誇りを持って生き生きと働ける職場をつくることが病院長としての目標です。そうした病院づくりが、ひいては医療サービスの質の向上につながると考えています。この3年間は、新型コロナウイルス感染症ばかりがクローズアップされてきましたが、この間、受診を控えていた方も少なくないと思います。しかしその一方で、コロナ禍を経験したことで生まれたさまざまな医療ニーズや、コロナ禍の影響で十分な対応がなされずご要望が高まっている医療ニーズがあると感じています。私たちはより良い病院づくりのために日々精進しておりますが、市民の皆さんのご意見やご支援があってこそ病院はより良くなります。不安なことや病院に対するご要望は遠慮なくお聞かせください。医療情報、健康情報の発信地として当院をご活用ください。誰もが安心して暮らせる地域を今後も市民の皆さんと一緒につくっていきたいと考えています。

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林 道廣 病院長

1984年京都大学医学部卒業、1993年京都大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。京都大学医学部附属病院、大阪府済生会泉尾病院、京都市立病院、米国カリフォルニア・パシフィック医療センター、大阪医科大学などを経て、2019年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会消化器病専門医。

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