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国家公務員共済組合連合会 枚方公済病院

(大阪府 枚方市)

木村 剛 院長

最終更新日:2022/06/22

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さらに良質な医療の提供をめざして

「枚方公済病院」は学研都市線・長尾駅から車で5分ほど、住宅街や王仁公園が広がる丘陵地にある。広大な敷地内ではヤギやヒツジが草を食む姿が見られ、職員の癒やしになっているという。一般病床313床、多くの診療科を有する同院は、2015年には地域医療支援病院となるなど、枚方市や大阪府北東部の中核病院として機能する。特に内科系の二次救急に注力し、循環器内科を中心とした救急診療体制を構築してきた。このため循環器疾患については24時間の受け入れと高度な治療が可能で、地域からも厚い信頼が寄せられている。このほど就任した木村剛院長は「医療職も職員も知恵を絞り、高い意識を持って患者さんに寄り添う病院です」と同院の強みを語る。患者にとって本当に必要な医療を重視してきた同院では今後、ロボット支援手術など先進的な技術の導入も予定する。木村院長は「強く、優しく、頼れる病院」という同院のモットーを保ちながら、多様な医療ニーズへの対応も含め、より良質な医療の提供に努めたいと展望する。(取材日2022年5月23日)

こちらの印象や、地域での役割についてお聞かせください。

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2022年4月から院長に就任したところですが、野原隆司前院長が掲げられた「強く、優しく、頼れる病院」というモットーが根づいていることを折々に実感します。新型コロナウイルス感染症の流行当初、まだ多くの病院が対応に苦慮していた時期に、当院では現場の医師が率先し、救急の受け入れや発熱症状の患者さんの診療を行いました。また今回の件に限らず、当院の医師や職員には「患者さんのために」という高い献身性があり、患者さんの不安を想像する力をもって診療にあたっていると感じます。また当院では手術件数や高度な医療技術にこだわらず、「本当に必要な治療を本当に必要な患者さんだけに提供したい」という信念に基づき、医療従事者が家族に行いたいと思える質の高い診療を追求してきました。こうした姿勢が地域の先生方にも評価され、枚方市内はもとより交野市、寝屋川市、四条畷市、八幡市などからも多くの患者さんが来られています。

救急医療では、循環器内科が中心となっているそうですね。

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多くの病院では救急や総合診療を専門とする医師が救急搬送の初療を担当しますが、当院では歴史的な経緯から、主に循環器内科がその役割を担っています。つまり循環器内科の医師たちは、当院に診療科がある内科領域の救急患者さんはすべて診察した上で、さらに循環器疾患があれば専門性を要する治療も行います。救急隊もそれをご存じなので、心筋梗塞や心不全など緊急性の高い患者さんの搬送は多いですね。通常、循環器内科では待機的PCIやカテーテルアブレーションなど高度な技術を用いる治療が主で、当院のような診療内容は珍しいといえます。ただ、救急の現場で日々診療し、そこで高度な循環器治療を真に必要とする患者さんを見出していくことは、専門に特化しがちな循環器内科の医師にとって非常に重要な経験となります。私自身も循環器内科が専門ですので、自らの経験や技術も反映しつつ、当院の循環器内科らしい高みをめざしていければと考えています。

消化器疾患に関しても診療内容が充実しています。

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消化器内科には診療経験が豊富な40〜50代半ばの医師が多数在籍し、外来はもちろん内視鏡検査なども担当しています。内視鏡の技量は高く安心して検査や治療を受けていただけますし、実際に検査数も非常に多くなっています。それから外科の中にある消化器外科部門では、ここ数年で手術件数が大きく増加したことで京都大学外科教室から手厚い支援をいただき、2022年1月には肝胆膵のロボット支援手術に精通した医師が着任しました。ロボット支援手術は泌尿器科や産婦人科などでは普及が進んでいますが、肝胆膵ではまだ歴史が浅く、大学病院レベルでの治療であるといえます。しかし当院では早期に手術支援ロボットによる膵臓手術を導入すべく、この4月からまず通常の膵臓手術を開始しました。診療経験を蓄積してロボットでの手術につなげ、ぜひ成果を上げていきたいですし、もちろん泌尿器科などでもロボット支援手術を導入していきます。

地域からのニーズが高い診療科があればご紹介ください。

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血液内科は常勤の医師は1人ですが病棟には無菌室が12室あり、高齢者を中心に造血器腫瘍の治療や、さらに少数ではありますが骨髄移植も実施するなど、精力的な診療を行っています。高度医療機関では造血器腫瘍の治療に年齢制限を設けていることも多いようですが、当院は治療を希望する高齢患者さんも受け入れ、ニーズにお応えしています。無菌室のある病棟では看護師やコメディカルスタッフも自らの役割をしっかり理解し、高い意識を持って患者さんの看護やケアにあたってくれています。それから内分泌・代謝内科も常勤の医師は1人ですが、日本糖尿病学会糖尿病専門医であり、外来を中心に多くの患者さんを診療しています。患者さんの苦痛にならない治療を心がけ、糖尿病療養に詳しいスタッフによる生活指導も行っています。また当院では血液検査の結果が1時間程度で出ますので、患者さんにとって利便性が高いことも受診の継続につながるようです。

今後の病院運営について、お考えをお聞かせください。

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「必要な治療を必要な患者さんにだけ」という姿勢を大事にしてきた当院ですが、医療技術の高度化が著しい現在、真に必要な治療を安全に実践するためには、技術面の向上や多くの治療経験も必要になっています。各診療科の医師はもちろん、コメディカルスタッフの意識の高さや熱意を心強く感じています。また、入院や通院のストレスを少しでも軽減できればと思い、除草職員としてヒツジとヤギを放牧しました。エコ除草だけでなく、当院にお越しいただくすべての方の癒やしとなっております。患者さん本位の診療姿勢を保ちながら、地域のニーズにも応えられる力を持ち、良質な医療を提供する「理想の病院」を、皆でめざしたいと考えています。

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木村 剛 院長

1981年京都大学医学部を卒業後、同大学医学部附属病院内科入局。1983年より小倉記念病院の循環器科に入局し、延吉正清医師のもとで心血管カテーテル治療の研鑽を積む。2002年京都大学大学院医学研究科循環器内科学助教授を経て、2009年より同大学院医学研究科循環器内科学の教授を務める。2022年4月より現職。専門は冠動脈疾患、大動脈弁狭窄症、心血管カテーテルインターベンション。

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