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社会医療法人美杉会 佐藤病院

(大阪府 枚方市)

河合 泰博 院長

最終更新日:2022/01/21

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できる限り早く、垣根を作らず医療を行う

1979年に有床診療所「佐藤外科」として開設。その後、1982年に「佐藤病院」となり、1995年には医療法人化。急性期医療から在宅医療・介護まで、枚方市北部を中心に包括的に支援する美杉会グループの中核的役割を担うのが同院だ。120床の小規模な病院でありながら、専門性の高い医師が多く在籍し、高精度放射線治療装置や3Dマンモグラフィを導入するなど、先進設備の整備にも力を注ぐ。がん診療にも注力し、化学療法、手術、放射線治療の3本柱で治療にあたる。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対しては、中等症までの患者を積極的に受け入れた実績もある。そんな佐藤病院で2009年から院長を務めるのが河合泰博先生。忙しい病院長職にありながら、外来も手術も精力的に行い、謙虚な姿勢で「現場の声を聞く」ことを実践する。「今、すぐやる」をモットーに医療にまい進する河合院長に、同院の特長から展望までをじっくり聞いた。(取材日2021年12月9日)

新館の完成はいつ、そして病院はどのように変化しますか?

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新館は2022年4月に本館のすぐ西側に完成予定です。1階フロアを連結させる改修工事が入りますので、最終完成は秋頃となります。泌尿器科、乳腺外科、麻酔科、リハビリテーション科が新館へ移り、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科が新たに加わります。少し手狭だった各科も、患者さんが利用されるスペースも大きく広がり、快適になると思います。これまで、遠方へ足を運んでいただいていた診療科も、院内にそろいますので、患者さんの利便性も上がることでしょう。フロア構成は、2階が人工透析室と在宅サービス部門、3階が地域包括ケア病棟、4階には感染症にも対応可能な病床を確保します。当法人にある3つの診療所を佐藤病院に集約し、より質の高い診療機能を整備します。人員を集中させることが可能となり、職員の移動距離が短縮され、今後の感染症対策としても有益だと考えています。

新開設のブレストセンターについて伺います。

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当院乳腺外科に山内清明医師、同法人男山病院乳腺外科に松方絢美医師という2人の乳腺専門の医師が着任されたことを機に、両方の病院で患者さんを診ていくというコンセプトのもと、2021年4月にブレストセンターを開設いたしました。男山病院は近隣の八幡市にあり、これまでは各々単独で診療を行ってきましたが、同等の検査と診療が受けられるという意味でブレストセンターとすることで、患者さんにもわかりやすく、広いエリアでの診療も可能となりました。乳がんは早期発見が鍵です。両病院で新しく導入した3Dマンモグラフィでは、従来の撮影方法では見つけにくかった病変も確認しやすくなりました。女性の松方医師が来られたことで、乳がん検診のハードルが下がり、より早期での発見が増えたような印象もあります。枚方市にお住まいの方が「ちょっと行ってみようか」と、気軽に来院してくださることを願っております。

新型コロナウイルス感染症対応にも尽力されているそうですね。

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地域の方が感染者となるわけですから、急性期病院として診ないわけにはいきません。大阪府内の病院がほぼ満床となった第4波の頃は、かなりきつい経験もしました。保健所も日々忙殺されお互いぎりぎりの状況で力を振り絞ってきましたが、そのことで、一緒に頑張っていこうという機運が生まれたことは、良かったと思います。院内におきましても、最初は職員一同、精神的な負担もあったと思いますが、いざ受け入れ始めると医療従事者魂を発揮して熱心に関わってくれました。各病棟から当番という形でスタッフを選抜し、経験したことをまた元の部署に持ち帰り共有しましたので、当院の感染対策におけるレベルも向上したと思います。今後も、感染症に限らず地域の要請にフットワーク軽く応えられる病院でありたいですね。

がん治療にも積極的に取り組んでおられます。

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がんの治療において化学療法、手術、放射線治療は3本柱といわれます。以前は他院への紹介を余儀なくされていましたが、「放射線治療も院内で。そのために、良い機械を入れよう」と選んだのが、当院の高精度放射線治療センターが有する治療装置です。適切な位置決めで、がん病巣にピンポイントに照射できて、正常な細胞へのダメージも少ない。2022年4月には、東京の大学病院の放射線科で活躍されている先生の入職も決まっており、スタッフ面でもさらに充実すると期待しています。手術においては、小さな傷で済む腹腔鏡手術が主流になっています。私や五味隆副院長、さらにたくさんの外科の医師が、患者さんの体に低侵襲でクオリティーの高い腹腔鏡手術に努めています。医療には地域性が重要です。自宅のすぐ近くで高いレベルの治療が受けられるよう、人も設備も機械もさらに整えてまいります。

先生が考える貴院のあり方と将来の展望についてお話しください。

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私は地域の方々に「この街に住んでいて良かった」と思っていただける医療を提供していきたい。そのためにモットーとしているのは、できるだけ早く、変なこだわりも垣根もなく行動することです。毎朝8時半からの会議では、最初の10分間を各セクションからの発表の時間とし、要望や仕事の方向性についてなどを、自由に発言してもらいます。病院経営に関する会議においても、理事長を中心にできる限りその場での解決をめざし、決定したことはすぐに各部署へ下ろし、行動を開始します。すべてにおいてスピード感があることが、当院の特徴だと思っています。またスタッフに配布する「職員ハンドブック」では、第1番目に「当法人を利用されるすべての人たちならびに全職員の幸福を追求します」と掲げています。まず職員が幸福でなければ、良い医療は提供できません。スタッフ全員が幸せを追求し、その上で、患者さんに優しく行き届いた医療を提供してまいります。

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河合 泰博 院長

1989年京都大学医学部卒業後、第二外科に入局。1998年京都大学医学部大学院修了後、財団法人田附興風会北野病院で外科副部長に。2001年、医療法人美杉会佐藤病院の外科部長として入職し、2005年副院長に就任、2009年から現職。現在も手術、外来診療を行っている。上下関係や部署の垣根を取り払い「患者のため、地域のため、病院のために」を胸に日々、仕事にまい進する。

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