社会医療法人愛仁会 高槻病院
(大阪府 高槻市)
船田 泰弘 病院長
最終更新日:2026/06/24


開かれた病院として地域のニーズに応える
「高槻病院」は、477床の急性期病院。1977年に開設され、小児・周産期医療や救急医療を中心に地域住民の健康と暮らしを支えてきた。地域のニーズに応え診療科は年々拡大。高槻エリアの基幹病院として、幅広い疾患に対して専門性に基づく医療を提供している。開院以来、注力している小児・周産期医療はもちろん、緊急性の高い脳・心臓血管の疾患にも、充実した設備と医師をはじめとする人的パワーを生かして対応。さまざまながんの集学的治療を提供するなど、高槻エリアのみならず、地域を越えて多くの患者が訪れる。リハビリテーション科を備え、多くのセラピストが在籍するなど、高齢化の進行に伴って変化する医療ニーズにも適切に対応する体制も充実。「当院を育てていただいた地域とのご縁をより深めていきたい」と語る船田泰弘病院長に、同院の診療の特色や注力する診療、地域に開かれた病院としての思いなどを語ってもらった。(取材日2026年5月12日)
高槻病院の強みである小児・周産期医療について教えてください。

この周辺は公立病院が少なく、当院は開設当初から地域の市民病院のような役割を担いながら少しずつ発展してきました。中でも創設時から力を入れてきたのが周産期医療です。現在は総合周産期母子医療センターとして、ハイリスク妊娠への対応や妊婦さんの急変時の受け入れを行っています。また広域から搬送される新生児の救急にも対応しており、必要に応じて新生児用ドクターカーによる搬送も対応します。病院内には緊急帝王切開に対応できる手術室をはじめ、NICU(新生児集中治療室)やGCU(新生児回復室)を備え、出生直後から専門的な医療を提供。また赤ちゃんが合併症を抱えている場合にも対応できるよう、小児外科や小児脳神経外科などを専門とする医師が連携して診療にあたっています。さらに小児救命救急センターとしてPICU(小児集中治療室)を備え、重篤なお子さんに高度な救急医療を提供する三次救急に対応している点も当院の特徴です。
救急医療も地域の基幹病院の大切な役割ですね。

現在、高槻市を中心に多くの救急要請を受け入れています。搬送された患者さんは、各診療科が持ち回りで救急対応するのではなく、まずは救急科で診させていただきます。症例に合わせて速やかに適切な診療科につなげられる点がメリットです。また脳神経、循環器、心臓大血管のトラブルに対応する3つのホットラインがあり、救急要請へのスピーディーな対応を心がけています。特に脳神経外科、循環器内科といった緊急性の高い診療科については、24時間、迅速に治療を行う体制を整えています。
高齢者の医療にも注力されていると伺いました。

高齢の患者さんは複数の疾患を抱える方も多く、どの診療科に相談すべきか判断が難しいケースも少なくありません。当院では、複雑な背景を持つ高齢の患者さんを複数の診療科が連携しながら診療しています。フレイルな高齢者は誤嚥性肺炎や尿路感染症などを繰り返すことが多いのですが、そのような患者さんをきちんと治療し、生活の場に戻れるようにすることも、介護老人保健施設や訪問診療を行うクリニックを擁する法人に属する当院の大切な使命だと思っています。一方、高齢者の緊急性や専門性の高い疾患にも強みを持っています。脳神経外科では24時間365日専門的な治療を提供しており、不整脈センターでは難治性の不整脈に対してカテーテルアブレーション治療を行っています。また整形外科では低侵襲な関節手術に強みがあり、二次医療圏外からも多くの患者さんを受け入れています。さらにがんに対する集学的治療を当院で完結できる体制も整えています。
リハビリにも力を入れているそうですね。

これまでは急性期病院で急性期の治療を行い、リハビリは慢性期施設で行うという考え方が主流でした。しかし近年では急性期病院に入院中の身体機能の低下が注目され、急性期病院でのリハビリの重要性が認識されています。当院では以前から理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのセラピストが多く在籍し、治療と平行して早い段階から積極的にリハビリを行っています。リハビリといえば手術後や脳卒中後の機能回復のイメージが強いと思いますが、例えばがんの薬物療法では、医療の進歩に伴って、治療期間が長くなってきているため、体力の維持を目的にしたリハビリが必要になります。当院ではセラピストを統括するリハビリ専門の医師が各診療科と協働して、患者さんに適したリハビリプランを提供しています。
今後の展望や地域の方へのメッセージをお願いします。

地域の皆さまに育てていただいたおかげで、477床と30診療科を擁する病院に成長することができました。そのご恩を返すという意味でも、これからも多様なニーズにしっかりと応えて、地域の方々の健康と生活を守っていくことが、私たちの使命です。そのためには、近隣の医療機関やクリニックの先生方としっかりとした連携体制を整えて、「生まれる前から終末期医療まで」をモットーに、すべての世代に質の高い医療を提供していきたいですね。スタッフ一同、そうした認識を共有して日々研鑽を心がけているところです。さらに地域に開かれた病院として、出張講座や学校の授業、地域の催しへの参加などを積極的に行って、もっと地域の皆さまと顔が見える関係を作り、地域から愛される病院になりたいと思っています。

船田 泰弘 病院長
1995年神戸大学医学部卒業。専門は呼吸器内科。「一人ひとりの患者に伴走する」ことを心がけている。2015年に高槻病院着任、2025年4月より現職。職員に「高槻病院とは私たち自身であり、私たちが日々生み出している価値の総体である。知識、技術、経験、心構えを磨いて成長していこう」と語る。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。





