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独立行政法人国立病院機構 呉医療センター

(広島県 呉市)

下瀬 省二 院長

最終更新日:2024/02/09

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一般診療から三次救急まで広く地域を支える

140病院にのぼる国立病院機構内でも規模の大きな病院の一つとされる「呉医療センター」は、明治時代の1889年に「呉海軍病院」としてスタート。終戦を経て「国立呉病院」を発足、2004年に現名称となった。「地域がん診療連携拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」「救命救急センター」「地域周産期母子センター」など多くの機能を有する高度急性期医療機関として、日々たくさんの命と向き合っている。そんなさまざまな役割を担う同病院を率いるのは、整形外科分野のスペシャリストである下瀬省二院長だ。消化器内視鏡を用いた検査・治療や、3D内視鏡システムを使用した胸腔鏡、腹腔鏡による低侵襲手術など、各領域専門の医師による専門性の高い医療を提供している。高齢者に多い心疾患の早期介入をめざす「呉心臓センター」、そして周産期医療においては新生児集中治療室(NICU)を備え、ハイリスク出産にも対応していくための環境を構築。各分野の受け皿が充実している同病院の特徴について、多くの医師やコメディカルを束ねる下瀬病院長に詳しく聞いた。
(取材日2023年1月23日/情報更新日2024年2月6日)

歴史の長い病院ですが、まずは成り立ちからお聞かせください。

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明治期の1889年に「呉海軍病院」としてスタートしたのが始まりです。途中、戦争を挟み終戦後に英豪軍に接収され、接収解除後の1956年に「国立呉病院」として再スタートを切り、2004年に現在の「呉医療センター」となりました。そして、2019年には創立130周年を迎えました。病床数は700床を備えているのですが、2014年より看護師の確保が難しかったことから稼働病床を630床に。そして、働き方改革を進めるにあたり、さらに病床を抑え現在611床を稼働可能としています。精神科病棟を50床確保しているため、精神疾患を併存されている患者さんを他の施設から受け入れることも多いですね。各分野で専門の医師がいることも、地域の方にご安心いただける要素の一つになるのではないでしょうか。また、1965年には院内に「中国がんセンター」を設置し、地域において専門性の高いがん医療を提供する病院の役割を担います。

さまざまな機能を有する病院なのですね。

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まさにそうですね。細かくお伝えすると、「地域がん診療連携拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」「救命救急センター」「災害拠点病院」「地域周産期母子医療センター」など、じつにさまざまな機能を有する病院であるといえるでしょう。診療に関しては全体の約35%ががん診療、残りは一般診療となっております。がん診療においては、初期のものから緩和医療まで幅広く対応しています。そして、一般診療についても数多くの診療科を備えているため、万が一持病や合併症をお持ちの方ががんの治療を受けることになったとしても総合的に見させていただくことが可能です。そして、急性期の心臓病に対応するべく「呉心臓センター」を設置し、心臓血管外科の診療を行っているのも強みです。大きな血管に近い箇所の手術などにも対応しています。このように、一般診療から心疾患やがん治療まで、包括的な医療を提供しています。

地域における役割の中でも特に貢献度の高いものは何でしょう。

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やはり救命救急センターの役割は大きいと思います。広島県内で、重篤な患者さんや特殊な医療が必要となる患者さんに対応する三次救急以上の病院は5病院のみと多くなく、地域における役割の中でも特に貢献度が高いのではないでしょうか。そして、周産期医療に関しても、新生児集中治療室(NICU)を備えてハイリスク出産や緊急帝王切開にも24時間体制で対応することで、地域の小児・周産期医療の中心を担っていると自負しています。また、一般診療では特殊と言える血液内科も備えていることも特徴でしょう。新型コロナウイルスに感染した患者さんの診療では、個室の多い緩和ケア病棟を感染者専用病棟に切り替えるなど、感染者増加の波が訪れても、外来、病棟ともに動きを止めることなく、各科の診療を行ってまいりました。当病院には各分野における専門性の高い知識と技術を持つ医師が勤務していることも強みです。

がん治療も専門性に長けた医師が集結しているとお聞きしました。

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がんゲノム医療連携病院として、がん遺伝子パネル検査を行っています。この検査の結果によって、追加治療の検討や抗がん剤の選択の幅が広がります。また、先進医療実施施設として、内視鏡的憩室隔壁切開術や、特発性大腿骨頭壊死症に対する自家濃縮骨髄液局所注入療法にも対応しています。このような先進的かつ専門性の高い医療を継続して提供するためには、やはりマンパワーが不可欠ですから、医師はもちろん、コメディカルスタッフの確保や働き方改革にも取り組んでおります。シミュレーション機器、PCなどを用いて、医療技術を効率良く学べる場として人材育成にも力を注ぎながら、医師の増員にもつなげていけたらと考えています。私が院長に就任した2019年以降も医師の数を増やし、昨年時点で179人在籍しています。今後、初期臨床研修医の定員もさらに増員する予定です。

今後の展望と地域の方へメッセージをお願いします。

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働き方改革については新システムを導入し、スムーズに進められていると思いますが、人材の増員、特に医師の数を増やさなければさらなる改革は成せないと考えています。中でも女性医師の確保は重要課題。当病院ではまだ全体の約3割ほどしか女性医師がおりませんので、24時間保育や病児保育など、医師だけでなく、すべてのスタッフが働きやすい環境整備に、より取り組んでいきたいと考えています。医療機器に関しては、手術支援ロボットを導入したので実績を増やしたいですね。そしてより良い医療の提供には、何よりも患者さんとの信頼関係が重要ですので、一人ひとりの患者さんの声に寄り添い、地域に信頼される病院であり続けたいと思っております。当院の英語表記の頭文字「KMC」に当てはめた理念「Kind(思いやりのある)」「Mild(優しい)」「Conscientious(誠実な)」のもと、地域を大きく支えていけるよう努めてまいります。

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下瀬 省二 院長

1985年広島大学医学部卒業後、広島大学大学院医歯薬学総合研究科の准教授、広島大学医学部臨床教授などを務め、骨・軟部腫瘍などの研究を行う。2019年より現職。新型コロナウイルス感染症の重症者受け入れにも尽力するなど、一般診療から三次救急医療まで地域住民が安心して暮らせるよう、病院の維持と発展に向けて人材確保の強化にも取り組む。日本整形外科学会整形外科専門医。

自由診療費用の目安

自由診療とは

内視鏡的憩室隔壁切開術/12万3,705円~(入院期間により変動あり)
特発性大腿骨頭壊死症に対する自家濃縮骨髄液局所注入療法/65万3,451円~(入院期間により変動あり)

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