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医療法人阪南会 天の川病院

(大阪府 岸和田市)

柿原 隼 病院長

最終更新日:2026/05/18

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地域に必要な医療を担う後方支援病院

地域の高齢者医療を担う病院として設立以来、3代にわたり歩みを重ねる「天の川病院」。現在は、地域包括ケア病棟、医療療養型病棟、介護医療院で構成された99床のケアミックス病院として、急性期や在宅を支える受け皿となっている。「患者様および家族様の視点に立った病院運営」を理念に掲げ、患者のQOL(生活の質)向上に努める同院がめざすのは、地域に必要とされる病院であり続けること。次代を担う3代目として同院をけん引する柿原隼病院長は、専門である循環器疾患の治療とリハビリテーションに注力。病院長を含む2人の日本循環器学会循環器専門医を中心に「ハートチーム」を編成し、高齢者に多い心不全の再発・再入院の予防に努めている。中でも、高い専門性が求められる心臓リハビリは、地域でも数少ない取り組みとして、連携する医療機関から注目されている。「必要とされる医療に力を尽くすという原点に立ち返ることが、病院の良好な運営にもつながると考えています」と語る柿原病院長。生まれ育った岸和田市で、地域を支える存在として日々力を尽くす柿原病院長に、病院の特徴や地域での役割、今後の展望について聞いた。(取材日2026年4月20日)

御院の特徴、地域での役割について教えてください。

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以前は、難病や人工呼吸器を必要とする患者さんの長期療養が中心の病院でしたが、2017年に私が帰院して以降は高齢者の救急医療に力を入れ、肺炎や尿路感染、心不全などに対する保存的治療と、予後改善を目的とした医療をメインに行っています。そのため、病棟の一部を専門的な地域包括ケア病棟に転換し、療養型病棟、介護医療病棟合わせて99床のケアミックス病院として急性期病院や施設の後方支援に取り組んでいます。患者さんは、急性期病院に救急搬送された後、高度治療の適応がないと判断された場合、その日のうちに当院へ転院されるケースが多く、市立岸和田市民病院、岸和田徳洲会病院、泉大津急性期メディカルセンター、和泉市立総合医療センター、葛城病院といった病院と連携しています。また、当院は訪問診療を行っているため、訪問診療施設からの救急受け入れや直接入院もあります。クリニックやケアマネジャーからの紹介も多い状況です。

こちらでは心疾患に対する治療に注力されているそうですね。

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当院には私を含め循環器内科学会循環器内科専門医が2人在籍しています。特に高齢者に多い心不全については、ただ治療するのではなく、患者さん自身が理解して行動できるように、治療効果や予後を良くするための教育治療や在宅へ向けての注意点などをお伝えしています。そのため、医師を含め、看護師、管理栄養士、理学療法士、薬剤師、地域連携室による「ハートチーム」を編成。入院中の教育治療によって再発防止をめざすとともに、地域に帰っていただいた後もしっかりとケアを行うことで再入院の防止に努めています。このように一般的な高齢者疾患への対応に加え、特に心疾患に力を入れていることが当院の特徴です。また、心不全患者さんの在宅復帰後は、ご自身で心不全の悪化に早期に気づいてもらい、受診すべきタイミングを自身で判断できるよう日々の体重や血圧、脈拍、むくみの有無などを記録していただく「ハートノート」も早期から導入しています。

心臓リハビリについても教えてください。

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心臓に関しては、「心臓病だから運動してはいけない」という思い込みや、逆に「しっかり運動をしなくてはいけない」など、さまざまな誤解があります。心臓が悪い方には運動が推奨されますが、その強度を見極めないと、心臓にとって過剰な負荷になってしまいます。当院の心臓リハビリでは、自転車を漕いだりして筋力トレーニングを行いますが、心電図モニターで心拍数を確認しながら、一人ひとりに合った運動強度を設定し、無理のない範囲で運動耐容能の向上を図っています。こうした運動強度の見極めは専門的な知識と経験が必要な難しい部分です。この地域では、心臓リハビリを行う後方支援病院やクリニックは数少ないのですが、当院では入院、外来の両方で行っているほか、在宅復帰後に向けたお風呂やトイレ、ダイニングなど自宅での生活を設定し、日常生活動作を組み合わせた反復訓練を行うADLサーキットトレーニングにも力を入れています。

病院運営で大切にされていることは何でしょう?

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病院の運営面では、すぐに成果が見えにくい取り組みであっても先行して積み重ねることが結果的に医療の質の向上や評価につながると感じています。その一例が、先ほどお話しした「心不全の教育」です。数年前から取り組んでいますが、診療報酬改定で急性期病院における心不全の連携や治療が評価されるようになりました。また、国の方針として、特別養護老人ホームや介護老人保健施設と当院のような病院との平時からの連携強化が進められています。当院でも月1回を目安にオンラインで施設とつなぎ、不安定な状態の患者を把握し、必要に応じて検査や治療を進められる体制の構築を考えています。入院中に嚥下評価し改善した患者さんが、誤嚥性肺炎で再入院することがないよう、医療機関同士の連携強化も重要です。これからも患者さんのためにできることを、その時々の状況に合わせて提供していきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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当院は開院以来ずっとこの場所にあり、私が小学生の頃に働いていたスタッフが今も活躍しています。スタッフは急性期病院での経験を持つ者や、病院勤務が初めての者などさまざまで価値観は一様ではありません。その中でチーム医療を実践していくため、病院長就任後に理念と方向性を示してきました。当院は、高齢者医療を目的に設立された背景を持ちながらも、時代に合わせて変遷を重ね、その積み重ねが今につながっています。医療機関にはさまざまな役割がありますが、当院は後方支援病院として、急性期病院に加え、介護施設や訪問看護ステーションと連携し協働していきたいと考えています。入院中だけでなく在宅復帰後の高齢者のサポートに努め、地域で必要とされる病院であり続けることが当院のめざすところです。地域の方々に求められることを常に考えながら、病院全体がワンチームとなり、より質の高い医療・介護を提供できる存在でありたいと思います。

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柿原 隼 病院長

2008年福岡大学医学部卒業、臨床研修を経て、大阪市立大学医学部附属病院(現・大阪公立大学医学部附属病院)に入局。同病院および関連病院にて不整脈アブレーションなどの専門領域の診療に従事し、専門領域での医学博士取得。2017年より現在の病院勤務となり、2020年より現職の病院長に就任。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。

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