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社会福祉法人大阪暁明館 大阪暁明館病院

(大阪府 大阪市此花区)

吉田 昭三 院長

最終更新日:2023/08/08

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地域とともに歩んできたケアミックス型病院

大阪市此花区で地域とともに歩んできた「大阪暁明館病院」は、急性期から終末期まで対応する地域の基幹病院。全462床の入院設備は、産婦人科20床含む一般急性期199床、HCU4床を除くと、回復期リハビリテーション102床、地域包括ケア46床、緩和ケア21床、療養90床と、大部分が回復期・長期療養に割り当てられているのが特徴だ。2次救急病院として24時間救急搬送を受け入れ、緊急手術にも対応。手術支援ロボットや先進の医療にも前向きに取り組んでおり、キリスト教精神をもとに地域への更なる医療貢献をめざしている。2023年4月に就任した吉田昭三院長は「すべての人に100点の病院は難しいかもしれない。けれど、一人でも多くの人にとって良い病院であることをめざすことはできる」と話す。2015年に赴任して以来、産婦人科医として病院とともに成長してきた吉田院長。命の誕生に携わり、人の喜びやつながりを大切にしているからこそめざす病院の在り方とはどんなものか? 同院の特徴と併せて詳しく話を聞かせてもらった。(取材日2023年6月21日)

まずは、貴院の歴史と地域で担う役割を教えてください。

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当院は1915年に労働者の簡易宿泊所として創設された「大阪暁明館」を礎とし、軽費診療所の開設を経て1947年に創立された病院です。この地域で70年以上にわたって診療を行っており、現在では総病床数462床を有し、ベッド数は大阪でも規模の大きな病院へと成長してまいりました。2010年に大阪市立北市民病院が閉院となった後は、当地域の中核となる総合病院としての役割を担っており、24時間365日の急性期医療だけにとどまらず、腎・泌尿器センター、心臓血管病センター、脊椎脊髄センターなども整備して、高度な医療にも対応できる体制を整えています。また、一般病床および産婦人科病床の他、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、医療療養病棟、緩和ケア病棟などに多くの病床を割き、介護・福祉までを統合した地域のあらゆる医療ニーズに応えられるケアミックス型の病院として地域医療の更なる充実をめざしています。

脊椎脊髄疾患のロボット支援下手術について聞かせてください。

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手術支援ロボットの導入が多くの施設で進んでおりますが、当院では脊椎脊髄疾患領域の手術に対して先進のロボットナビゲーションシステムを導入しています。脊椎は人間の体にとって非常に重要な役割を果たす部分であり、後遺症を残さないためにも正確で低侵襲な手術が求められます。当院のロボットナビゲーションシステムは、これまで執刀医の経験に委ねられていた部分が可視化され、術中に取得した正確な患者さんデータを反映することで、適切かつ安全性に配慮した手術を可能とするシステムです。成人脊柱変形の手術や脊椎破裂骨折、重症骨粗しょう症性椎体骨折に対する脊椎前後方固定術に導入し、すでに数多くの症例を積み重ねています。早期のリハビリと合わせることで、高齢の方でも早期の離床がめざせるなどのメリットもあるので、手術に迷いがある方はぜひ一度ご相談いただければと思います。

他にも先進の医学に積極的に取り組んでいると伺いました。

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心臓血管病センターでは、血管内を直接観察できる「血流維持型汎用血管内視鏡(NOGA)」をはじめ冠動脈および大動脈の心臓血管カテーテル、心臓CT、心臓血管エコーなどの画像診断を積極的に行っています。当院の心臓CTは造影剤量をコントロールできるオリジナルな方法で腎臓の負担に配慮し、血管内視鏡はCTなどではわからない細かな自然破綻プラークを見つけることで動脈硬化の新しい概念を提唱し治療につなぐなど、成果を世界に向けて発信しています。腎・泌尿器センターでは、高齢男性に多い前立腺肥大症に適応される短期入院で可能な低侵襲レーザー手術「ツリウムレーザー前立腺蒸散術(ThuVAP)」を導入しています。健康保険で受けられる治療で心身ともに負担が少なく、効率的に排尿障害にアプローチできる方法であり、脳血管・循環器疾患などで抗凝固剤服用中の方でも手術を受けられます。こちらも気軽にご相談いただければと思います。

産婦人科では入院中のアメニティーなどにも配慮されているとか。

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産婦人科は、私を含む常勤医師4人および複数人の非常勤医師で対応しており、当直業務を含む24時間体制で診療しています。妊婦健診では医師による胎児エコー検査を実施しており、4Dエコー検査も追加料金なく受けていただくことができます。また、無痛分娩にも対応しています。少子化の時代になり、妊娠出産は女性にとっての一大イベントとなりました。新しい命の誕生を安心と喜びで満たせるよう、病室や入院中の食事、アメニティーや出産記念品に至るまでこだわりました。これは私の信条である「優しい医療」を形にしたものです。産婦人科に限らず、どの診療科においても「優しさ」を持った対応を基本とし、地域の皆さんにとって信頼できる「私たちの病院」になることをめざしています。病院はただ「病気を治すところ」ではありません。私たちにできることが何かを全診療科が考え、信頼される場所をめざしていきます。

最後に、今後の展望と読者の方へのメッセージをお願いします。

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時代によって、求められる医療が変わっていくと思います。実際、当院も創設から今日まで、地域の皆さんにとってより良い病院であるために試行錯誤を繰り返してまいりました。特にこの10年は、高齢化していく社会を支えるべく積極的な改革に取り組み、急性期から介護・福祉までつながる切れ間のない医療の実現をめざしてきました。その結果大阪暁明館病院は、地域の皆さんに頼っていただける病院へと大きく前進したのではないかと思います。今後はより多くの患者さんのために、治療だけでなく「予防」にも積極的に取り組み、またリハビリや栄養指導などにも力を注ぎたいと考えています。そのためには、今まで以上に地域のクリニックや介護事業者の皆さんとも深く連携していかなくてはいけません。簡単なことばかりではないですが、やらなければ始まりません。地域にある不安を少しでも取り除けるように、これからも病院一丸となって取り組んでまいります。

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吉田 昭三 院長

1995年奈良県立医科大学卒業。同大学附属病院や済生会奈良病院、大阪府立羽曳野病院(現・大阪はびきの医療センター)で研鑽を積む。2002年奈良県立医科大学助教、2005年産婦人科外来医長、2011年医局長、2014年講師を歴任。2015年に大阪暁明館病院産婦人科に赴任し、無通分娩や入院中の妊産婦の環境改善にも取り組む。趣味は山登りや楽器演奏など幅広く、明るく気さくな人柄。2023年4月より現職。

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