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医療法人啓信会 京都きづ川病院

(京都府 城陽市)

中川 逹哉 院長

最終更新日:2023/06/14

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急性期から回復期、慢性期医療まで対応

創立40年以上の歴史を誇り、地域の発展とともに成長、進化を遂げてきた「京都きづ川病院」。全313床の病床を有し、2次救急医療機関として小児を含む多くの救急搬送を受け入れている。胃・大腸内視鏡、心臓カテーテル、CT、MRIなどの検査数も増加の一途をたどっているといい、2方向から撮影可能な血管造影装置など先進的な医療機器も導入。このほかリハビリテーションにも力を入れるなど、急性期から回復期、慢性期まで一貫して対応する医療を提供している。中川達哉院長に病院の歴史や役割、特に大切にしているという開業医との連携、住民との交流など同院にまつわるさまざまな話を聞いた。(取材日2022年2月10日/再取材日2023年4月13日)

貴院の歴史、現在の地域での役割はどのようなものですか。

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当院のある城陽市は、城陽町という小さな町だった60年ほど前から、大阪や京都のベッドタウンとして人口が急増しました。当時は地域の救急や小児の医療を担う病院が不足していたため、住民の方々のニーズに応えて1980年に当院が開設されました。定住者が増え、子育て世代が増え、そして年月を重ね高齢化が進む中、開院時100床だった病床も2022年1月時点で感染症専用6床を含む313床となり、地域とともに成長してきたといえます。地域の方々に信頼されなければ病院として成り立たない、と考える当院の診療理念は「献身と信頼」。現在は急性期から慢性期まで一貫して対応する高齢者も受け入れ可能なケアミックス病院として、地域密着型の医療機関をめざしながら、日々診療にあたっております。2次救急医療機関として年間2400件(2022年1月~2022年12月)の救急搬送を受け入れるなど、救急医療を最も大きな柱としています。

診療の特色について教えてください。

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24時間内科系・外科系・脳神経外科と対応している救急医療に加え、脳神経内科、脳神経外科、整形外科、消化器内科、消化器外科、循環器内科を柱としています。救急に関しては、高度急性期といわないまでも、迅速に地域の救急医療の補完ができるよう、身近な救急疾患に対応すべく体制を整えております。脳神経外科では、同時に2方向から観察可能な血管造影装置を導入するなど、先進の医療機器を取り入れ、高い専門性を持った医師が検査・治療を行っています。また整形外科では、周辺地域の高齢化を考慮して転倒による骨折など高齢者に多い外傷により対応できるよう2023年4月以降に人員強化を行いました。消化器内科や循環器内科では、胃・大腸の内視鏡検査や心臓カテーテル検査・治療などを数多く実施しているほか、病院設立の背景の1つである小児科では、救急受け入れや入院に対応し、心臓病・腎臓病・アレルギーに特化した外来を設けています。

力を入れている地域連携、リハビリについてはいかがですか。

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古くから地域に開かれた医療機関をめざしてきた当院では、開業医の先生方との交流を非常に大切にしてきました。現在行っているのは当院の柱の1つである消化器内科のカンファレンスです。月1回、開業医の先生方を対象とし、ご紹介いただいた患者さんの症例検討を行ったり、さまざまなテーマの勉強会を開いたり、その開催数は350回を越えています。また介護するご家族の休養を目的とした短期の「レスパイト入院」も、一時的に新型コロナウイルス感染症対応のため停止していましたが、順次地域包括ケア病床で受け入れ再開の予定です。さらにリハビリテーションは急性期疾患で入院された方も可能な限り早くから開始し、回復期病棟に移られたら回復期リハビリ、ご自宅に戻られたら訪問リハビリ、とADL(日常生活動作)の回復・維持向上をめざします。介護老人保健施設などとも連携を取っており、急性期から慢性期、お看取りまで一貫して対応可能です。

地域住民の方々との交流も大切にされていますね。

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当院では、例年一般の方もご参加いただけるイベントを多数開催してきました。身近な病気をテーマに行ってきた健康増進セミナー、学術講演会、和洋中のシェフらによる食生活に関するシンポジウムと試食会。さらに病院を開放して健康測定や栄養相談を行う「健康まつり」では、病棟も一部オープンにし、近隣高校の合唱部のコンサートや警察による交通安全教室など、患者さんから地域の方まで多くの方に楽しんでいただいていました。しかし、この数年は新型コロナウイルスの影響により残念ながら開催を見送っております。コロナ禍においては、一般診療においても制限せざるを得ないことも多く、それにより患者さんや地域の方と長年築いてきた信頼関係を崩してしまったのではないかと懸念しています。これまでの信頼を回復すべく、2023年度以降順次イベントを再開し、顧問に就任した中川前院長サポートのもと、さらに地域連携を強化させていく予定です。

今後の展望と地域の方々へのメッセージをお願いします。

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この数年を経て、社会情勢や生活様式、価値観も大きく変容いたしました。本当に求められているニーズを探り、手を差し伸べることがわれわれの責務だと考えています。例えば、町のクリニックに任せてきた看取りや訪問診療も、高齢人口増加の中で個人の力で支えていくのは難しい面もあるでしょう。患者さんにとって「将来にわたり継続してケアしてもらえる」ことは大きな安心感につながると考えており、急性期から慢性期まで一貫して提供していることが当院の大きな特徴ですから、地域一丸となり利便性を高めたサービスを提供していければと思っています。また自然災害の多い日本において、万が一の時に地域の中核的な病院として皆さまをしっかりと支えられる災害対策や支援体制はもちろんのこと、医療を必要とする人なら誰でも便利に利用できる親しみのある病院であることも重要だと思っています。新病院への建て替えも予定しています。ぜひご期待ください。

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中川 逹哉 院長

1982年京都府立医科大学卒業。大学で研修した後、循環器内科を専門として神戸中央病院や朝日大学病院、京都府立洛東病院などで勤務。その後、京都きづ川病院に移り、長年にわたり地域医療を支える同院をけん引。2022年4月より院長に就任。患者に寄り添った診療をめざす。日本救急医学会救急科専門医、日本内科学会総合内科専門医。

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