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社会福祉法人あじろぎ会 宇治病院

(京都府 宇治市)

藤田 正俊 院長

最終更新日:2022/06/10

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地域の高齢患者を長く支え続けられる病院

京阪宇治線黄檗駅から北へ徒歩5分ほど、京都府道7号線沿いに「宇治病院」が見える。前身の病院は1946年から診療を始め、規模を拡大しながら医療、福祉の両面で地域住民を支えてきた。2014年には運営組織が刷新され、藤田正俊院長のもとで地域医療、特に高齢者慢性期医療のキーステーションとしての役割を担うべく、診療体制を再構築。専門性と豊富な診療経験のある医師を迎え入れてきた。また急性期医療から介護まで各患者に必要な医療や福祉サービスを提供できるように、多くの急性期病院や介護関連施設と密なネットワークを築いているのも大きな強みだ。さらに2021年から開始した前立腺がんに対する小線源療法には、全国から患者が訪れているという。藤田院長が重視するのは「病気をしたときに、ここへ相談すれば治療から最期までをサポートしてくれる頼りがいのある病院」であること。数年後の新築移転も視野に入れ、高齢者や地域住民に思いを寄せた病院運営に注力する藤田院長に話を聞いた。
(取材日2022年5月17日)

地域医療における貴院の役割をお聞かせください。

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当院は前身の病院も含め半世紀にわたって、黄檗地域の方々に慢性期医療や福祉を提供してきました。現在も、多くの患者さんは半径3km圏内から訪れています。ですので、ケアミックス型の病院として地域の医療と介護で中心的な役割を担い、キーステーションとして機能することを重視しています。例えば、超急性期症状のある患者さんが受診された場合、当院内では手術や治療ができなかったとしても的確な診断をつけ、近隣でその治療ができる急性期病院へ緊急搬送する。そして手術などが終わればこちらへ戻っていただき、治療やリハビリテーションを行いながら地域連携室が中心となり自宅療養や施設など日常生活の場へとつないでいきます。再発すればこちらで治療をしますし、近所にお住まいの方であれば、お看取りまで対応させてもらうこともあります。地域の方にとって、「最初から最後まで頼りになる病院」であることが当院の使命ですね。

高齢者医療に関しては、いっそうの充実を図っているそうですね。

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当院でも患者さんの大半はご高齢です。高齢者の病気は内科系疾患が中心で、世間の流れは総合診療、つまり1人の医師が患者さんのすべてを診るという方向に向かいつつあります。しかし的確な診断をつけ、質の高い治療を行おうとすると、やはり専門性も必要になってきます。そこで2022年4月から高齢患者が多い領域、つまり認知症を診る脳神経内科、誤嚥性肺炎に対応できる呼吸器内科、循環器内科、そして消化器内科を専門とする医師が常勤しています。先生方は外来を担当しつつ、専門領域の患者さんが来れば主治医となり先端の治療や他施設への搬送に向けたトリアージも行います。幸いにも周辺には宇治徳洲会病院や武田総合病院、京都医療センターなど高度急性期病院が多く、スムーズな受け入れ関係があります。さらに訪問診療も開始し、従来から行っている訪問看護や訪問リハビリと連携しながら、ご自宅でも安心して過ごせるように環境を提供しています。

リハビリテーションにも力を入れていると伺いました。

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入院患者さんのリハビリでは、「退院後にご自宅や介護施設などで元気に過ごせる」ことを大きな目標に掲げています。院内には理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士が多く在籍し、各患者さんのニーズに合わせた内容でリハビリを行っています。生活基本動作や日常生活動作のリハビリはもちろんですが、軽度の認知症があれば症状の進行を遅らせQOLを高めるリハビリを取り入れますし、脳血管障害後遺症のある患者さんでは会話や嚥下の訓練、そして食事内容の指導なども、ご家族を含めて行います。また、当院では訪問リハビリも実施していますので、ご自宅へ戻られても必要なリハビリを継続して受けていただくことが可能です。患者さんが日常復帰される姿は、医療職にとっても大きな喜びとモチベーションにつながります。訪問リハビリ、訪問看護、そして新たに始めた訪問診療が一体となり、地域の在宅医療にもより積極的に関わっていきたいと考えています。

前立腺がんの治療にも力を入れているそうですね。

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2020年に前立腺がんの密封小線源治療を専門とする岡本圭生先生を迎え、2021年夏から設備を整えて治療を開始しました。病気の進行が比較的緩やかな前立腺がんでは、経過観察、手術、化学療法、ホルモン療法、放射線療法とさまざまな治療の選択肢があり、患者さんはその選択に迷われることもあります。また現在はロボット支援手術による前立腺全摘術が盛んに行われていますが、合併症として尿路に影響が生じ、尿失禁でQOLを大きく損ねることもあり得ます。密封小線源治療の手法は再発や合併症が非常に少なく、また体への負担も軽いのが特徴。このためこの治療に関心をもつ方、希望される方がセカンドオピニオンや検査・治療を求めて全国から訪れています。現在、治療の実施まで数ヵ月お待ちいただく状況になっていますが、今後も患者さんが治療を受けられる場を維持していきたいですね。

今後の展望と地域の方へのメッセージをお聞かせください。

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数年後には近隣地域へ新築移転を計画しており、より快適な環境を整えて患者さんへ還元していく予定です。同時に、各科では働き盛り世代の医師を増やし、後継を育てていきたいですね。内科の総合的な診療ができて、専門分野の資格や経験もある医師が増えれば、当院のめざす質の高い地域高齢者医療により近づけますし、先生方にも地域医療の最前線で研鑽を積んでいただけると思います。それから、職場としての環境が良いことも、病院が地域の患者さんと長く向き合える力になります。当院には京都大学医学部などとのつながりがあり、非常勤の医師も多数勤務していますので、常勤の医師は働きやすく、また他の医療職も風通しの良い明るい雰囲気の中で頑張ってくれています。なお、当院では無料低額診療事業も行っており、患者さんの経済的な負担にも目を配りながら診療を行っています。今後も地域の皆さんから、安心して頼っていただける病院でありたいと思います。

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藤田 正俊 院長

1973年京都大学医学部卒業。1983年には米国ミズーリ大学へ留学、その後富山医科薬科大学(現・富山大学医学部)講師を経て、2003年より京都大学医学部教授。虚血性心疾患における側副血行循環などを研究。2014年から社会福祉法人あじろぎ会宇治病院院長に就任し、持続可能かつ質の高い医療の提供に取り組む。京都大学名誉教授。

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