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社会福祉法人京都社会事業財団 京都桂病院

(京都府 京都市西京区)

若園 吉裕 院長

最終更新日:2022/04/13

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がん治療、救急医療の発展めざす総合病院

結核療養所から始まり80年を超える歴史を持つ「京都桂病院」。幅広い診療科を備え、さまざまな専門分野の診療を行う同院では、各分野を専門とする医師らが協力し地域住民に医療を提供している。さらに2015年に新たに設置された救急科の拡充に努めるとともに、歴史的に力を入れてきたがん診療は、地域がん診療連携拠点病院・がんゲノム医療連携病院として指定されており、より一層の発展をめざしているという。2020年には病棟環境が一新するGH棟を新築したほか、2022年12月には救急・集中治療のための新F棟の完成を控える。時代のニーズに合わせて進化を遂げ、現在は緩和ケア病床20床を含む全557床を有する同院の若園吉裕院長に、病院の成り立ちや地域での役割、力を入れてきたがん診療や地域連携、今後さらなる充実化を図るという救急科や脳神経外科、産婦人科など幅広く話を聞いた。(取材日2022年2月4日)

貴院の成り立ちと地域での役割を教えてください。

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1937年に結核療養所として設立された当院は、1964年に総合病院化し、現在では口腔外科を除き非常に幅広い診療科を設け、全557病床を有しています。当院の役割は地域において一般的な医療を担保するということ、古くから行ってきたがん診療をさらに発展させていくこと。そして2015年に設置した救急科のさらなる拡充に向けても真摯に取り組んでおり、毎年多くの救急車を受け入れております。結核療養所が前身という歴史的背景もあり、高度急性期・急性期の各医療、特に脳卒中診療については遅れをとっていましたが、2018年から脳神経外科医師を招へいし、強化を図っています。なお現在は呼吸器・消化器・心臓血管・脳卒中に対して内科系・外科系が力を結集して診療にあたるほか、地域の基幹病院としての役割を担う小児科や産婦人科など、さまざまな診療科が力を合わせて地域の皆さまに医療を提供しています。

地域がん診療連携拠点・がんゲノム医療連携病院と伺いました。

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もともと力を入れてきたがん診療については、在籍する各がん専門の医師らが協力しながら集学的に行っています。2019年には血液内科分野が最も多く、また呼吸器・消化器は京都府内でもたいへん多くの件数を扱っておりますが、それだけに限定するものではなく、全般的に取り組んでいるのが当院のがん診療の特徴です。京都府内で国から指定を受けている地域がん診療連携拠点病院の一つとして、その期待に応えていくのはもちろん、がんゲノム医療連携病院として、腫瘍内科を中心に先端の治療にも取り組みさらに発展させていていく責務があると考えております。ハード面では、主に泌尿器科・産婦人科・呼吸器外科で実施する手術を支える手術支援ロボット、ターゲットが動いても追尾して放射線照射ができる高精度放射線治療装置など、新鋭の医療機器を導入しています。

注力する救急科や脳神経外科、産婦人科について教えてください。

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2022年度中に救急・集中治療を含めた高度急性期医療を発展させる新棟が完成予定です。この棟は高度急性期医療を充実させるために建築します。1階には救急科の外来機能を設け、CT・MRI・血管造影検査機器など放射線部門を集約、2階には内視鏡部門を移設し手術室を増設、3階にはICU6床・SCU6床・HCU12床を設置します。この新棟設立で高度急性期に対応できる病床が合計34床になり、それに伴い、医師や看護師らの雇用も進むと期待しています。産科分野は分娩が減少している時代ですが、さまざまな機能がある当院では合併症やリスクあるお産を中心に受け入れ、今後も分娩数を増やしていきたいと考えております。婦人科分野については手術支援ロボットを用いての手術も増えており、若い有望な医師も集まってきています。しかしこれら診療科だけでなく、当院は総合病院として、すべての科で時代に合った医療を提供できるよう努めています。

地域連携についても力を入れていると伺いました。

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がん診療にとっても重要な地域との役割分担である「紹介・逆紹介」も以前より進めており、その割合は高い値で推移しております。現在の医療では患者さんを紹介していただき紹介先にお返しする地域での関係性がとても大切ですので、ご紹介いただいた患者さんに最良の医療を提供し、丁寧にお返しできるよう心がけています。その関係性づくりのために医院訪問をしたり、連携セミナーや研修会を開催したりとさまざまな工夫を凝らしてきました。現在は新型コロナウイルス感染症による影響で、近隣の先生方へ直接訪問することは困難ですが、ウェブを通じてこれまで同様の取り組みを行うなどコミュニケーションを深められるよう努力しています。

地域の方々へのメッセージをお願いします。

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2020年2月には、安心してお産のできる病棟、内視鏡処置室を備えた消化器内科病棟、無菌室9床を備えた血液内科病棟、免荷歩行装置を設置したリハビリテーション部門などがある新病棟・GH棟を新築しました。先ほども申し上げたとおり、救急科や脳神経外科に関しては設備面でも強化・充実させ、2022年末には救急・集中治療を中心とした新F棟の完成も控えており、高齢化の進行により増加が推測される心臓血管・脳卒中に対して力を発揮できる施設が整います。地域医療支援病院である当院は、地域のためにあらゆる医療を提供するということが根本にあります。それらについては今後もしっかり続けていくとともに、従来から強みであったがん治療に関してはさらに発展させ、救急科をベースにすべての科が協力した高度急性期治療を強化していきたいと考えています。

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若園 吉裕 院長

1985年京都大学医学部卒業、松江赤十字病院、京都大学医学部附属病院、愛媛県立中央病院などで研鑽を積む。社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院小児科には1995年に入職、同病院副院長を経て、2016年に院長に就任。同院地域連携室長の経験も持ち、現在の地域医療機関との良好な関係性の基礎を築いた。京都府病院協会副会長も務める。日本小児科学会小児科専門医、日本血液学会血液専門医。医学博士。

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