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独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪ろうさい病院

(大阪府 堺市北区)

平松 直樹 病院長

最終更新日:2025/01/14

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この堺で地域の人々を医療の力で守る

労働災害に対応する病院として設立され、時代や地域のニーズに合わせながら60年以上もの歴史を積み重ねてきた「大阪ろうさい病院」。現在は「働く人々に対応する病院」として治療と就労の両立支援を行うだけでなく、高度な専門性を要する医療を提供する地域の中核病院としての役割を担っている。2022年1月には新病院での診療を開始。手術件数の多い病院としてより多くの患者の受け入れをめざしながらも、医療者が患者一人ひとりと向き合えるよう“壁”を感じにくいオープンな設計を採用した。2025年1月には新病院のグランドオープンを控え、さらに患者が通院しやすく安心できる空間をめざす。高度専門医療を提供するための知識や技術以上に、「患者さんにとってより良い医療を提供し続けたい」と話す平松直樹病院長に、病院の基本理念や今後の目標、その具体的取り組み、病院への思いなどたっぷりと話を聞いた。(取材日2024年10月23日)

病院の基本理念と今後の目標についてお聞かせください。

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基本理念は「誠実で質の高い医療を行い、すべての方々から選ばれる病院に」です。これを実現するために、健全な病院経営基盤を築き、職員全員と病院の現況ならびにめざす方向性を共有し、その上で職員一人ひとりにとって“働きがい”のある職場にすることを目標にしています。この目標設定の背景にあるのは、私の座右の銘である 「見る前に跳べ=leap before you look」です。新しいことに挑戦するときは慎重になってしまいがちですが、跳ばないで待っているより、跳んで失敗したほうが得るものが多く新たな発展も生まれると考えています。最近では、新病院になって救急体制を3人当直から6人当直へ増やし、強化しました。職員の負担は増えましたが、個別に丁寧に説明し、なんとか順調に稼働しています。今後もさらなる改善が必要ですが、患者さんにより良い医療を提供するために、“見る前に跳べ”を実践し続け、前に進んでいきます。

目標実現のための具体的な取り組みについてお聞かせください。

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「職員全員と病院の現況として目指す方向性を共有する」では、以前はクローズの運営会議で決められていた病院の方針や報告事項を職員に周知することで、タイムリーに病院の現況と方向性を共有できるようにしました。また「職員にとって“働きがい”のある職場環境にする」では、モチベーションの向上に繋がるような風通しの良い職場環境をめざし、迅速にコミュニケーションが取れるよう病院長巡視を月2回に増やした他、以前より行っていた病院長表彰では今年度から研究以外の臨床分野、経営サポート、事務サポート、接遇など院内の様々な分野で活躍している職員を表彰するようにしています。さらに「病院経営基盤を健全なものにする」では、循環器内科、消化器内科、整形外科、眼科など患者数の増加が大きくニーズの高い診療科には機器設備の充実を優先して実施しています。こういった取り組みが、今後、各分野での活動の活性化に繋がるものと期待しています。

2022年からは新病棟での診療を開始されたそうですね。

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当院は、2022年に新たな病院として生まれ変わりました。新病院では、高度専門医療の拡充、救急医療を含む急性期医療の充実が図られています。救急科は、スタッフも充実しさまざまな疾患への対応が可能となり、専用エレベーターで直結した3階フロアには集中治療部を設け、高度急性期医療を展開するための機能が集約されています。集中治療部には、12床のICU(集中治療室)に加え、HCU(高度治療室)、CCU(冠状動脈疾患集中治療室)、SCU(脳卒中集中治療室)が合わせて16床、そして3室ある心臓カテーテル室のうち2室にはバイプレーン装置を設備しています。こちらのエリアには、150平米のハイブリット手術室を含む16室を有する、3200平米の広大な手術エリアが隣接しています。こうした先進の設備環境のもと、患者さんの安心感と安全性を追求した医療が行えるようになりました。

がん診療や循環器疾患にも力を入れておられます。

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がん疾患領域では、がん診療連携拠点病院として多くの診療科が一丸となり、がん診療に臨んでいます。低侵襲なロボット支援手術など多様な手術を実施し、麻酔下の検査・処置ができるブースやエックス線透視下の処置を行う専用室も新設。このほか、先進機器を備えた放射線治療センター、広く明るい広々としたエリアで治療が受けられる化学療法センター、患者さんやご家族を手厚くサポートする緩和ケアセンター、がん相談支援センターを備えています。次に、循環器疾患領域では、西野特任院長を中心に、循環器内科と心臓血管外科によるハートチームを結成。経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)をはじめ、さまざまな冠動脈疾患、下肢動脈疾患、不整脈の治療を行っています。脳疾患領域でも脳神経内科と脳神経外科のブレインチームが先進の脳神経血管内治療を実践。眼科、脊椎領域、手の外科なども多数の手術に対応し、専門性の高い医療を展開しています。

病院長としての抱負について、お聞かせください。

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当院は堺臨海工業地帯の発展に伴って1962年に開設され、今年で62年になります。さらなる発展のために「病院革命 Hospital Innovation」をスローガンに、特任院長の協力を仰ぎながら、より良い医療を提供できるようスピード感をもって改革を進めています。私自身この病院が好きで、その理由はこの病院には、“大労愛”という精神があるからです。「なにかあったらろうさいに行く」「ろうさいで駄目なら仕方がない」とまで思ってくれる患者さんが多く、そしてこの堺の地にスタッフの多くは生まれ育っています。こうした精神があって、“患者さん本位のヒューマニズムあふれる医療”が展開できると考えています。来年1月には新病院のグランドオープンを控えています。高い診療レベルを追求するだけでなく、大労愛でつながる素晴らしいスタッフとワンチームで患者さんに寄り添うことで、より愛される病院になるものと確信しています。

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平松 直樹 病院長

1986年大阪大学医学部卒業。1986年より大阪大学消化器内科学教室に26年間在籍し、米国留学、消化器内科病棟主任、同科講師、同科准教授などを経験。2016年大阪ろうさい病院へ副院長兼消化器内科部長として就任。がんセンター長として市民フォーラムの開催や緩和ケア内科ならびに腫瘍内科の開設、新型感染症対策、新病院移転に向けてのシステム構築など、さまざまな立場から長年病院運営に尽力。2024年より現職。

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