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独立行政法人地域医療機能推進機構 京都鞍馬口医療センター

(京都府 京都市北区)

水野 敏樹 院長

最終更新日:2022/06/28

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変化する医療ニーズに合わせて安心を届ける

京都市北区にある「京都鞍馬口医療センター」は、地域住民に親しまれている地域の基幹病院だ。豊富な診療科を備え、一般医療はもとより救急医療に対応し、より高度な医療を追求する同院では、専門性を持った医師たちが協力して診療にあたるほか、臨床研修指定病院として多くの若手医師たちが研鑽を積んでいる。2022年4月に院長に就任した水野敏樹院長は、その様子を「超巨大病院ではないからこそ密な連携が可能となる、理想的なサイズ感」だと話す。高齢化が激しい日本の中で、例に漏れず高齢化していく地域で病院が果たすべき役割は何か。また進むべき道とは? 同院のめざす未来について詳しく話を聞かせてもらった。(取材日2022年5月27日)

最初に、こちらの病院の成り立ちについてお聞かせください。

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当院は1946年に開院、1962年に総合病院となった地域の基幹病院です。長きにわたって「鞍馬口の病院」として地域の方々に信頼をいただき、愛されてきた病院だとわれわれスタッフ一同自負しております。幅広い診療科を有し、一般医療はもとより、救急医療や、専門性を要する医療にも力を入れており、各診療科で特定の疾患・症状を診る外来を設けるなど、近隣のクリニックではカバーできない病気に関しても検査、診断、診療が可能な体制を整えています。また、1997年には臨床研修病院の指定を受け、京都府立医科大学の教育関連病院として、臨床研修体制の充実化を図っています。私が院長に就任したのは2022年4月ですので、まだまだこの病院の歴史に加わったばかり。それでも日々、足を運んでくださる皆さまに心からの信頼を感じることが多く、身が引き締まる思いです。

病院の特徴・強みは何でしょうか?

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1つは先ほど申し上げましたとおり、幅広い診療科を有しているため、1人の患者さんを複合的に診ていくことができることではないかと思います。ご存じのように、社会が高齢化していくことで患者さんも高齢化し、お一人の方が複数の疾患を抱えていることも珍しいことではなくなりました。最近では、各疾患の治療のためにいくつも病院をはしごする方も珍しくありませんが、当院では診療科の垣根を超えて患者さんのデータを共有することで、より安心して複数の診療科で治療を受けていただくことが可能です。また当院は、リハビリテーションや訪問看護にも注力しております。入院中はもちろん、退院後にもフォローが行き届けば、安心して家庭や地域へと帰っていただくことができます。お一人お一人事情は違いますが、望む場所に帰り、気持ち良く暮らしていただくためにできることを考え、必要な情報や医療を届けていきたいと考えています。

脳卒中や認知症の治療に注力されているそうですね。

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私は脳神経内科の領域において、臨床・研究に励んでまいりました。それらの経験を地域の皆さまに還元するためにも、脳の疾患である脳卒中や認知症の治療に関して、より注力していきたいと考えています。高齢者が増えていく日本において、若者が多い街といわれた京都もその例外ではありません。地域では高齢化によるさまざまな医療ニーズの変化が生じていますので、脳の分野においてもしっかりと対応していきたいです。また、それは他の診療科でも同じこと。眼科であれば白内障や緑内障、循環器や呼吸器の疾患、発音や嚥下の問題、緩和ケアなど、あらゆる分野でこれまでとは違う診療体制を構築しなくてはならないと思っています。特に近年は新型コロナウイルスの流行など、新たな問題も発生しました。このような問題にも対応し、地域の皆さまのニーズにお応えしていくのがわれわれの仕事です。これからはますます皆さまのお声にも耳を傾けなくてはいけません。

整形外科では、スポーツ整形にも注力されていると伺いました。

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当院の整形外科には、スポーツ整形の分野で豊富な経験を持つ医師が在籍しており、スポーツ整形部門のリーダーとして日々多くのアスリートの治療に励んでいます。アスリートにとって自分の体は、日々の暮らしのためだけでなく、競技のための能力を積み上げてきた大切なものです。そこに不具合があれば、心にも大きな負担がかかります。様子を見ているうちに軽減すれば問題ありませんが、痛みが続くようであれば一度受診していただけたらと思います。またこれはすべての診療科において言えることですが、我慢をしすぎないでいただきたいのです。もちろん時には我慢も必要かもしれませんが、適切な医療を受けるのもまた一つの勇気であり、素晴らしいこと。治療後のリハビリテーションも含めて、競技生活のサポートをいたします。ぜひ前向きな気持ちで来ていただきたいです。

それでは最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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先ほども申し上げましたが、日本の高齢化は今後もますます進んでいく見込みです。この時代を乗り越えていくために、院内の体制をより強固にしていくとともに、地域医療における効率的な医療連携を築いていかなくてはなりません。また、訪問看護ステーションや介護関連施設との連携、地域との連携も必要となってくるでしょう。それぞれに特徴を生かし、役割分担を行えば、地域はより素晴らしいものになっていくと信じています。人とのコミュニケーションに制限のある昨今ですが、それでも心の距離はできるだけ近く、考えや思いを共有しながら前進してまいりたいと思います。同時に、臨床研修指定病院として1人でも多くの医療人の育成にも尽力したいと考えています。当院の窓から街を眺めると、京都の山々や緑に彩られた街を見渡すことができます。この街に住む人々の健康を守ることを命題とし、今後もまい進いたします。

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水野 敏樹 院長

1983年京都府立医科大学卒業。神経内科の医師として、認知症とともに希少疾患である神経難病に関する臨床・研究に取り組む。2013年には京都府立医科大学大学院医学研究科神経内科学教授に就任し、神経疾患を幅広く診療できる若手神経内科医の育成にも尽力。2022年4月に京都鞍馬口医療センター院長に就任。2025年問題へ向けた人材育成とともに、誰もが安心して暮らすことができる環境整備に情熱を燃やしている。

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