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独立行政法人国立病院機構 福岡病院

(福岡県 福岡市南区)

吉田 誠 院長

最終更新日:2022/01/18

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地域の中核病院として先進的な医療を提供

1926年の開設より、95年以上にわたって多くの患者の健康を支えている「福岡病院」。「思いやり」を基本理念とし、病と闘う人への共感と、良質の医療をめざす向上心を大切にしている。国立病院機構の病院として政策医療に積極的に取り組み、現在では特に呼吸器疾患、アレルギー疾患、小児疾患、障害者医療に力を尽くしている。一般急性期から回復期、慢性疾患の患者の診療に重点を置き、各種の専門的なリハビリテーションを提供していることも同院の特色の一つ。院内では医師や看護師、栄養士、診療放射線技師など、それぞれの分野のスタッフによる臨床研究が盛んで、毎年数々の論文を発表し、医学の進歩にも貢献している。「病院のハード面や医療技術の質を向上させていくのは当然ですが、医療人として常に思いやりを持って職務を全うすることが何より重要です」とやわらかな口調で話す吉田誠院長に、病院の役割や診療の特徴などについて聞いた。(取材日2021年11月17日)

病院の成り立ちや特徴からお伺いします。

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1919年公布の旧・結核予防法に基づいて1926年に設置された福岡市立結核療養所が当院の始まりです。その後、時代の変化やニーズを見据えながら診療内容や施設を拡充し、現在に至ります。地域における当院の役割は、一般急性期や回復期、慢性疾患の患者さんの身近な存在となり、高度急性期の医療機関と連携した質の高い地域医療の提供にほかなりません。幅広い病気に対応できるよう多様な診療を展開しており、特に呼吸器、アレルギー、小児疾患、障害者医療を4つの軸とし、専門性の高い診療に力を尽くしています。臨床研究や薬剤治験に積極的に取り組んでいることも当院の特色です。呼吸器内科・小児科・アレルギー科を中心に多くのセミナーや研究会を主宰した実績もあります。また、アレルギーセンターでは、花粉情報や、市民公開講座、医療従事者対象の講習会など、幅広い活動を展開しています。

呼吸器疾患ではどんな診療が受けられますか?

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呼吸器内科では、子どもから高齢者まで幅広い世代の患者さんを受け入れて呼吸器疾患全般の診療にあたり特に気管支喘息、以前は肺気腫・慢性気管支炎と呼ばれていた慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎といった病気の方を多く診ています。院内の呼吸器外科と連携して肺がん治療にも注力。特に患者さんへの侵襲を軽減する胸腔鏡下手術は数多く提供しています。慢性呼吸器不全の方などを対象とした外来・入院型の呼吸器リハビリテーションにも対応。運動負荷試験、歩行テスト、呼吸筋力テスト、呼吸機能測定、 睡眠時の呼吸評価の結果を踏まえた一人ひとりに合ったオーダーメイドのプランを提供しています。入院患者さんを中心に、日常生活の質向上を目的とした運動療法、栄養指導、呼吸訓練などの指導にも力を尽くしています。

アレルギー分野では、どのような取り組みに注力されていますか?

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当院は2019年に「都道府県アレルギー疾患医療拠点病院」に指定されました。院内には、日本アレルギー学会認定のアレルギー専門医が多数在籍しています。アレルギー疾患は、複数の疾患が併存している場合が珍しくありません。そこで当院では、診療の拠点となる専門のアレルギーセンターを設け、アレルギー科、呼吸器内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、リウマチ・膠原病内科、心療内科の7部門と、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、検査技師を含む多職種が連携するチーム医療体制を確立しました。食物アレルギー・薬剤アレルギー・気管支喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・膠原病など、ほとんどすべてのアレルギー疾患に対応し、あらゆる世代の患者さんを受け入れており、充実したチーム医療で患者さんにとって最善の治療を追求しています。特にアレルギー科と小児科には、遠方から受診いただくケースも少なくありません。

障害者医療について教えてください。

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当院では、1969年に重症心身障害児(者)病棟を開設。以降、50年以上にわたり医療介入の必要度が高い方を多く受け入れてきました。現在、障害者専用病棟3棟で130床を確保し、小児病棟では短期入所の方の対応も行っています。近年では、慢性呼吸不全の患者さんが増え、呼吸管理を中心とした医療の提供に力を入れています。患者さんの中には、50年間など長期の入院を余儀なくされる方もおり、子どもの時から入院している患者さんも少なくありません。隣接する特別支援学校との医教連携を積極的に図り、病室にて訪問授業を行う機会を設けています。卒業式や入学式も毎年院内で開催しています。県内には、重症心身障害児(者)を受け入れる機関がまだまだ充足していないのが現状ですので、当院が専門性を発揮して、医療ニーズに応えられるよう取り組んでいきます。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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まずは当院の診療の軸である、呼吸器、アレルギー、小児疾患、障害者医療の4つの分野に力を入れ、さらに発展させることをめざします。さらに、これまでと同様に臨床研究や論文の発表も積極的に行い、医学界の進歩にますます貢献していきます。また、昨今は新型コロナウイルス感染症の患者さんを受け入れ、専門病棟として23床を確保。同じ病室で、親子やご家族が一緒に入院できる体制も整えています。アレルギーのある方の新型コロナワクチンに関するご相談が増えたことを受けて、ワクチン専用の外来を開設しました。副反応のリスクが高い方に対しては、短期入院で接種できる体制も整っています。呼吸器内科では、新型コロナウイルス感染後に呼吸困難や咳などの呼吸症状が長引く方を対象とした専門の診療を開始しました。このように医療を取り巻く環境やとニーズの変化を踏まえ、迅速かつ柔軟に対応していくことも私たちの務めであると考えています。

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吉田 誠 院長

1989年に九州大学医学部を卒業後、同大学呼吸器科に入局。呼吸器科・循環器内科の研修医として研鑽を積む。1996年に九州大学大学院内科系専攻を修了。呼吸器内科とアレルギーが専門領域。数多くの患者を診療し、経験を重ねる。カナダ・マクマスター大学の呼吸器研究部門で博士研究員として専門性を深めた経歴も持つ。2019年より現職。質の高いチーム医療のために力を尽くし、若手の人材育成にも積極的に取り組む。

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