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福岡山王病院

(福岡県 福岡市早良区)

横井 宏佳 病院長

最終更新日:2022/02/07

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今日治せない病気でも明日は治そうが合言葉

婦人科、皮膚科、小児科、眼科、循環器内科など幅広い診療を提供し、ハイクラスな環境が整う病院として知られている「福岡山王病院」。しかし今、同院は新型コロナウイルスをきっかけに変革の真っ只中にあるという。「以前は救急対応はあまり行わず、新型コロナウイルス患者の受け入れを断りながら、病院が持つイメージを守っていました。しかしそれでは“10年後も患者さんに選ばれる病院”にはなれません」と語るのは、2021年4月に病院長に抜擢された横井宏佳先生だ。自身も診療を行いながら、全室個室の強みを生かして新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ体制を整えるほか、人間ドックにも新しいシステムの導入を進めている。「高級感あるアメニティーばかりが先行していましたが、本来は質の良い医療があり、その付加価値がアメニティー。そういう意識を根本的に変えていく必要があります」と、バイタリティーあふれる様子で語る横井病院長。「福岡の皆さんに、1年後、2年後にどう変わったのかを感じてもらいたいですね」と気さくな笑みを見せる横井病院長に、同院が起こしている変化、そしてめざす姿について話を聞いた。(取材日2021年11月29日)

今、貴院は、変革の真っ只中と伺いました。

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当院はグループ施設である東京の山王病院をモデルに、199床の個室とラグジュアリーな空間が魅力の病院として、2009年に開院しました。東京山王の代名詞でもある周産期医療をはじめとし、多数の診療科があり、ゆったりとした空間での治療ができる総合病院として治療を行い、人間ドックでも地域の皆さんの人気を集めてきました。その一方、救急対応や時間外の対応などにはあまり力を入れておりませんでした。そこに現れたのが新型コロナウイルスです。感染を避けるための受診控えのあおりを受け、患者さんが離れてしまったのです。その課題を克服するため2021年の4月に病院長の職を拝命、現在も外来診療や手術を続けながらさまざまな改革にあたっています。まさに今はやりの、“二刀流”状態なのですよ(笑)。

具体的にどのような変化を起こされたのですか?

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新型コロナウイルスが福岡でも猛威を振るうようになっても、当院では2021年1月まで入院患者の受け入れを行っていませんでした。それが患者さんにも伝わってしまっていたのでしょう。しかし当院の特徴の一つである完全個室も、裏を返せば新型コロナウイルスに感染した患者さんお一人お一人をしっかり診れる環境にあると言えます。そこでワンフロアを新型コロナウイルス患者さん専用とし、私自身が消防署からの要請をすべて受け、当直も担当し……とやっていると、そのフロアもあっという間に埋まりました。昔気質な考え方かもしれませんが、人を動かすためにはやはり上に立つ人物が率先して動く必要があると考えたんです。患者さんは感染対策を講じてなお感染してしまった方ばかり。苦しんでいる姿を目の当たりにすると「医療人としてやらなければならないことがある」とスタッフも受け入れに前向きになり、新型コロナウイルスの診療は軌道に乗りました。

病院長の想いが、スタッフの皆さんに伝わったのですね。

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同時に、救急対応にも前向きになってきました。ある意味、この新型コロナウイルスは試金石であったと感じています。もしこのウイルスがなくても、この病院は変わらざるを得なかった。それを新型コロナウイルスが動かしたのだと今となっては思います。現在は「断らない医療、高度な医療、完結する医療、予見する医療」を4つの柱に、「日本で最もイノベーティブな病院になり、10年後も福岡市の皆さんに選ばれる病院へ」という意識を持って、スタッフ全員が仕事にあたっています。具体的に「断らない医療」は、救急対応に加え、院内での横の連携の強化も含めています。「婦人科の手術で入院したついでに、胃カメラを受けたい」という患者さんの要望などにも柔軟に対応しています。「高度な医療」は文字どおりで、当院の先生方は膵臓、不整脈、婦人科疾患、そして私も担当する循環器と、専門領域を持ったベテランばかりですから。

他の2つの柱についてもお聞かせください。

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「完結する医療」も文字どおり、院内で可能な限り対応するという姿勢です。「予見する医療」は人間ドックをもっと活用しようという動きです。MRI、CT、内視鏡などの機器が充実し、人間ドック受診時のホスピタリティーにも素晴らしいものがあります。しかし検査で指摘を受けても治療を受ける方が少ない。それでは人間ドックを受けた意味が薄れてしまいます。現在、検診結果をスマホで連絡し、オンライン診療へとシームレスに結びつけるシステムを構築しています。例えばコレステロール値ですが、人間ドックで見るのはあくまで日本人の正常値にあるかどうか。そこに家族歴や動脈硬化の様子などを加味し、オーダーメイドな、患者さんお一人お一人に対応した適切な医療を提供していく必要があるのです。こうして先手を打った医療を追求していけば、患者さんも、がん、心筋梗塞、脳卒中を防いでいく道筋が理解しやすくなるのではないかと考えています。

一歩先をゆく、そんな医療を提供する病院になると。

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まさにそうです。最適な治療を提供したとしても、残念ながらすべての方を助けられるわけではありません。それを分析・反省し、次に同じような患者さんが来たら必ず助ける。「今日治せない病気でも明日は治そう」を合言葉に全員が毎日一歩ずつ前進すれば、10年後、必ず地域に求められる病院になるでしょう。今めざしている根底にあるものはやはり、地域の皆さんにこの福岡山王をもっと身近に感じてほしいということ。とはいえ患者さんの最大のニーズは、質の高い医療を分け隔てなく受けられることでしょう。今日よりも明日、明日よりも1ヵ月後とより良い治療を素早く提供していくためには、立ち止まってはいられません。そうやって前に歩き続けていけば、さらに素晴らしい病院になる。そのスタート地点に立ったのだと、今はそう実感しています。

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横井 宏佳 病院長

1986年金沢大学医学部卒業。同大学第一内科に入局後、小倉記念病院、福岡山王病院副院長などを経て2021年4月より現職。心臓のカテーテル治療を中心に、全国各地での手術にも尽力。現在は病院長として、新型コロナウイルス患者の受け入れや病院の体制・スタッフの意識改革などに精力的に取り組んでいる。自身のことを野球監督になぞらえ「ビッグボス」と評する気さくな面も。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/4万7700円~

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