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地方独立行政法人福岡市立病院機構 福岡市民病院

(福岡県 福岡市博多区)

桑野 博行 病院長

最終更新日:2021/03/01

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連携力で高度かつ温かみのある医療を

開設から90年以上の長い歴史を持ち、時代とともに移り変わるニーズに柔軟に対応しながら、地域に求められる医療を提供する「福岡市民病院」。必要に応じて施設や設備を拡充し、がんや脳卒中などにおける高度な急性期医療から救急医療、肝疾患や脊椎疾患、感染症の専門医療まで、地域の公的医療機関として対応の幅を広げてきた。各診療科の体制を強化する中で生まれたチームワークは、同院の強みの一つ。桑野博行病院長は、「職種の垣根を越えて助け合い、使命感を持って仕事に取り組む姿勢は当院の誇りです」と胸を張る。新型コロナウイルス感染症の診療においては、指定感染症医療機関としてのノウハウに加え、これまで蓄積した高度専門・救急医療の実力をベースとして、あらゆる領域の医師や看護師、さらには事務職員など多職種のサポートが大きな力となった。その結果、院内での感染拡大の防止にもつながり、通常の診療にも対応できているのだという。医療技術だけはでなく、人と人とのつながりや心の動きにも焦点をあてた同院の診療について、桑野病院長に詳しく聞いた。(取材日2021年2月10日)

歴史ある病院と伺いましたが、成り立ちを教えてください。

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当院の前身は、1928年に開設された市立松原病院です。幾度かの増改築を経て規模を拡大した後、1989年に現在地に移転し、200床を有する福岡市民病院として再スタートしました。当初の理念は、地域医療に加え、地域に不足する高度医療や肝臓・膵臓疾患に対する専門医療を提供するというもの。その後、高度救急医療機関としての役割も担うようになり、神経内科や脳神経外科、ICU、循環器科などを次々に開設しました。2010年には地方独立行政法人化し、さらにSCU(脳卒中集中治療室)や救急診療棟などの施設・設備を充実させていきました。第二種感染症指定医療機関に指定されてからは感染症病床も確保し、現在は新型コロナウイルス感染症の診療に一丸となって取り組んでいるところです。開院から一貫して高度な専門・救急医療の実現に努めており、時代の変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、地域の公的医療機関として医療に取り組んでいます。

現在はどのような理念のもとで診療されているのですか?

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当院の基本理念は「こころをつくした質の高い医療を通じて、すべての人の尊厳を守ります」です。医療の主体は患者さんであり、お一人お一人の考え方や人生観に基づいて治療方針を決定すること。そして、治療の効果や想定されるリスクなどについて十分に説明し、患者さんが納得できる医療を提供することが、人間の尊厳を守ることにつながると考えています。しかし、納得さえしていただければそれで良いというわけでもありません。科学的な裏づけのもと、可能な限り安全で高水準の医療を提供し、以前の健康な状態に近づけていくことも当院が重視するところです。また「ふれあう看護」という看護理念にもあるとおり、当院では患者さんと職員との心のつながりも大切にしています。仕事には感動が必要であり、病院は患者さんと感動を共有する場所でもあるとの考えから、職員には技術とともに感性も磨いてもらっています。

貴院の特徴や注力されている治療を教えてください。

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当院では県の医療政策に基づき、がん、脳卒中、心血管疾患、糖尿病の4疾病に対する専門医療に取り組んでいます。例えばがんの治療においては腹腔鏡手術、循環器疾患においてはカテーテル治療など、体への負担が少ない治療法を積極的に導入していることが特徴です。脳卒中は救急も含めて多くの患者さんがいらっしゃり、中には全身管理が必要な重症の方もおられます。このような背景もあり、当院ではSCUといった専門の部署を立ち上げ、地域に不足する入院治療や急性期医療に責任感を持って対応しています。また地域の特性として、肝炎をはじめとする肝疾患や腎疾患、脊椎疾患の患者さんも多くおられます。そのため各診療科に高度な技術を有する医師をそろえ、なるべく初期の段階で行うべき医療に注力しています。さらに病診・病病連携を密にし、回復期やリハビリ期に移行した患者さんを地域の医療機関にスムーズに引き継げるような体制づくりを進めています。

多職種連携によるチーム医療も強みと伺いました。

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いずれの職種も1人では仕事ができませんので、互いの職種を理解し、協力しながら切れ目のない医療をめざしています。最近は他職種の業務の一部を担えるような人材の育成、いわゆるタスクシフティングにも取り組んでいます。問題が起きたときに病院全体で共有・解決するにあたり、チームワークは極めて重要です。特に新型コロナウイルス感染症の対応に追われた際は、感染症専門の医師だけでは対応し切れない中、あらゆる分野の医師や看護師、さらには事務など、職員が一丸となって動いてくれました。各自の専門性を生かしつつ、他の領域にも幅広く関与・貢献してくれたおかげで、あの大変な状況を乗り切れたのだと思います。また、当院は以前から感染対策訓練を積み重ねてきた側面があります。日頃の訓練の成果や「絶対に医療崩壊を起こさない」という強い意志も伴って、安心して受診していただけるような体制を維持できているのではと考えています。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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引き続き人材育成には注力したいですね。若手のみんなには専門的な知識や技術だけでなく、ウォームハート(温かい心)とクールヘッド(知識に基づいた冷静な判断)も身につけてほしいと考えています。すべての部門の職員が向上心を持ってステップアップし、将来指導者として後輩に明るい未来を示す。そんな好循環が生まれるように、より良い職場環境をつくることが目標です。そして、地域の中核病院としての責任を持ち、他の医療機関や介護施設と連携しながら、必要とされる医療を追求し続けたいと思います。感染症対策においては「患者さんとそのご家族」「職員とそのご家族」「病院の組織と業務環境」の3つを守り、感染症の拡大防止に努めてまいります。そうすることで通常の医療を安全な形で提供できますし、さまざまな病気をお持ちの患者さんが安心して受診できるはず。今後も地域のさまざまな意見に耳を傾け、誠心誠意、医療に尽くしていきたいですね。

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桑野 博行 病院長

1978年に九州大学医学部を卒業後、同大学外科学第二講座に入局。同大学医学部助教授、群馬大学医学部外科学第一講座教授、群馬大学大学院総合外科学主任教授などを経て、2018年4月より現職。かつて米国ハーネマン大学医学部の外科で研鑽した経歴も持つ。専門は消化器外科で、特に食道外科の診療を得意とする。安心・安全な医療の提供をめざし質の高いチーム医療を実践するとともに、若手の人材育成にも取り組む。

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