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地方独立行政法人 明石市立市民病院

(兵庫県 明石市)

阪倉 長平 理事長

最終更新日:2023/11/22

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総合的な診療体制で地域の健康を支える

市の中心部に広がる緑豊かな兵庫県立明石公園に隣接した「明石市立市民病院」。市民の健康を支え続け、2020年には創立70周年を迎えている。時代とともに変わる地域の医療ニーズに応じて診療内容の拡充を図り、新型コロナウイルス感染症に対しても、病院を挙げて診療体制の構築や患者の受け入れを積極的に行ってきた。通常診療では地域の基幹病院として救急診療や良性疾患の手術、併存疾患のあるがん患者の治療に力を入れ、さらに開業医院との病診連携を強化して回復期医療や在宅看護にも取り組んでいる。阪倉長平理事長は「当院が行うべき総合的な診療機能を高め、継続する上で最も重要になるのは人材です」と語り、若い医師を受け入れ、教育できる病院づくりに努めてきた。その結果、現在では若手とともに、後進の指導を担当する働き盛りの医師も増えつつあり、提供できる診療レベルも向上しているという。コロナ禍という試練を乗り越え、より地域から信頼される病院をめざす同院の現状と今後について、阪倉理事長に話を聞いた。(取材日2022年3月22日)

病院の歴史と地域医療における役割をお聞かせください。

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もともと企業立病院でしたが、1950年に明石市に移管され、明石市立市民病院として124床でスタートしました。その後病床数や診療科が徐々に増え、2011年には地方独立行政法人に移行し、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟なども開設しながら現在の24診療科329床という規模に至っています。明石市内には規模の大きい病院が3つあり、当院は市の東部を中心に急性期医療を担ってきました。特に要望の多い救急診療については、以前から循環器領域で24時間の対応を行ってきましたが、近年では外科、内科を含めて診療体制やスタッフを拡充し、東播磨地域、さらに神戸市西区や垂水区からの救急搬送も受け入れ患者数も増加しています。一方で高齢化に伴い回復期や在宅医療への対応も求められ、2018年には病院併設型の訪問看護ステーションを開設して、開業医院の先生方と連携しながら地域の在宅医療を支えています。

新型コロナウイルス感染症に対する取り組みは?

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以前から新興感染症への対応を想定し、新型インフルエンザに対する訓練を近隣病院と続けていました。ただ新型コロナウイルス感染症は民間病院での受け入れが難しいため、2020年3月末に専用病棟を開設して受け入れを開始。その後発熱患者さん専用の外来を設置、陽性と診断された患者さんの診察、さらに在宅療養患者の急変時受け入れや、中等症以上の患者さんも一時治療していました。当初は病態や治療に関して不明な点も多く、信頼性の高い情報の収集に努めました。感染症指定病院であり、すでに新型コロナウイルス感染症の入院診療を行っていた兵庫県立加古川医療センターにノウハウを学んで病棟を運用。事務職員も患者さんの誘導や後方支援にあたり、病院が一体となって動きました。物資も不足しており、行政からの支援は大きかったです。現場も経験を蓄積し、現在は比較的スムーズに回っています。公的病院として地域医療に貢献する貴重な経験です。

特色ある診療についてご紹介ください。

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1つ目はがん診療です。すぐ近くに兵庫県立がんセンターがありますが、がんに特化した医療機関であり、高度先進治療や希少がん、難治がん、若年層の患者さんが中心です。一方で当院には総合的な診療体制がありますので、ご高齢の患者さんや、心筋梗塞後・肺気腫・人工透析・認知症といった併存疾患を持ち、複数科のサポートが必要ながん患者さんにも対応しています。私は消化器外科の医師ですが、消化器がんの手術をするだけでなく、周術期の管理や、不幸にしてがんが再発した場合でも最後まで患者さんを診るという姿勢を大事にしています。2つ目として、良性疾患に対する手術治療に力を入れています。泌尿器科での内視鏡や体外衝撃波による結石破砕術、耳鼻科での難聴に対する鼓室形成手術など内耳再建術に関しては、多数の手術を行っており、ご紹介による受診も多いです。また産婦人科には骨盤臓器脱手術を専門とする医師がいます。

ご就任後から現在まで、人材の充実に注力されているそうですね。

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2015年の院長着任当時は、当院で求められる医療提供体制に対し医師の絶対数が不足し、大学から派遣されるローテーションの若手医師も非常に少ない状態でした。消化器外科でも手術数が少なく十分な経験を積むことができませんでした。そこで私自身が毎週手術を行ったり、地域の先生方との病診連携で信頼関係を築いて患者さんをご紹介いただくなど、地道に取り組んできました。その結果、数年で症例数が大幅に増え、複数の診療科で大学から後進の指導を担う医師や若手の意欲の高い医師の派遣がいただけるようになりました。他の診療科でも若い先生方が卒前教育や卒後教育を行うようになってきました。継続的に医師を迎える流れができれば、院内に新たな知識や技術が普及して医療レベルが高まり、地域の病院に欠かせない安定した診療体制ができます。今後は子育てや介護期の時短勤務を男女ともに取り入れるなど働き続けやすい環境も整備したいと考えています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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現在の病院は築30年が過ぎ、いずれは建て替えを検討する時期に入っていくと思います。ただ、今お話ししたように、病院を左右する大きな要素は「人」だと考えています。また、市民病院としては、将来の地域の医療ニーズを的確に想定し、それに備えて診療体制を整える必要があります。そこで現在は、先々患者さんが増えていくであろう診療分野と、現時点で医療が十分に提供できてない領域を、地域のお声や患者さんの受診行動も含めて具体的に調査し、将来的な構想を立てる準備を進めているところです。開業医院や近隣の医療機関と連携しながら、地域の皆さんに総合的な診療体制、全人的な医療を継続してお届けできるよう、引き続き努めていきたいと考えています。

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阪倉 長平 理事長

1986年京都府立医科大学卒業。1990年京都府立医科大学大学院に進学、京都大学ウイルス研究所特別研究生を経て1994年同大学院修了、米国ワシントン大学病理学教室留学。帰国後は京都府立医科大学消化器外科で診療・研究・教育に携わり講師、准教授を経て2010年社会保険神戸中央病院消化器部長、2015年明石市立市民病院院長就任。2023年7月より現職。京都府立医科大学客員教授、同志社大学客員教授。

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