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社会福祉法人恩賜財団 済生会兵庫県病院

(兵庫県 神戸市北区)

左右田 裕生 院長

最終更新日:2023/10/06

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信頼の医療提供に努め、北神エリアを支える

神戸電鉄三田線・岡場駅から無料送迎バスで約3分。閑静な住宅地の中にある「済生会兵庫県病院」は社会福祉法人として医療・保健・福祉活動を全国で展開する済生会が神戸市北区に設置する病院。幅広い診療科と各種部門、専門の外来などに加え、268の病床を備える総合病院として地域医療に尽力している。明治天皇より済生勅語で賜った「施薬救療」の精神に基づき、1911年の創立時より困難な状況に置かれている人々を支えることを使命とした事業にも取り組んできた同院。地域医療を担う急性期病院としての役割を24時間365日提供するほか、周産期医療や地域医療連携にも力を注ぐ。「地域の人々の健康をしっかりと支えられるよう体制を整えていくことが使命」と話す院長の左右田裕生先生に、同院の地域における役割や取り組みについて、詳しく話を聞いた。(取材日2023年7月27日)

病院の歴史や成り立ちについてお聞かせください。

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当院は1919年5月に神戸市葺合区(現・中央区)に20床の兵庫県済生会診療所として開設されたことに端を発します。1921年に「済生会兵庫県病院」と改称し、1991年神戸市北区のニュータウン化に伴い現在の地に移転しました。急性期医療を中心に地域の中核病院として長年地域の人々に親しまれ、2019年には創立100周年を迎えました。また当済生会は、明治天皇より済生勅語で賜った「施薬救療」の精神に基づき、1911年の創立時より困難な状況に置かれている人々を支えることを使命とした事業にも取り組んでいます。無料低額診療の推進、生活困窮者への支援事業である「なでしこプラン」のほか、近年はさらに活動の幅を広げ、ホームレスの方の健康診断や職業訓練支援を実施し、社会的に弱い立場にある人々も誰一人取り残さずともに生きていくという考え方「ソーシャルインクルージョン」を実行しています。

地域における病院の役割について教えてください。

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1951年に公的医療機関として活動を開始してから、北神地域やその周辺地域の方々に必要な医療の確保および質の向上に取り組むことを責務として、事業を進めてまいりました。当院は市の境にあり、神戸市北区だけでなく三田市や西宮市北部、救急における周産期医療ではより広域の宝塚市や丹波地域からも患者さんがお越しになります。内科系や外科系など幅広い診療科をそろえることはもちろん、各種疾患に応じた部門や専門の外来を設け、患者さんが受診しやすく総合的な治療を受けられる環境を整えております。特に高齢者医療では多疾病罹患・認知症・虚弱といった問題にも多職種によるチーム医療で対応しています。また、医療面のみならず、社会福祉法人として併設する訪問看護ステーション・特別養護老人ホーム、さらには行政などとも連携し、皆さまが住み慣れた地域で過ごせるよう福祉・介護といった地域包括ケアシステムの構築に貢献したいと考えています。

中でも注力している診療はありますか?

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一つが周産期医療です。当院は地域周産期母子医療センターとして兵庫県各地から24時間体制でハイリスク妊婦、低出生体重児、ハイリスク新生児の受け入れを行っております。近年では検査・治療の高度化、多様な要望に応えるために、産科とNICUが一体となるよう設備と環境をリニューアルして周産期医療の充実・機能強化を図りました。NICUは、集中ケアを行いながらも、ご家族の空間を保つことができるように低い壁で個室感覚の間仕切りを設けています。また、母親の胎内にいる環境に近づけるような間接照明の取り入れや、各保育器にナースコールの設置をしているほか、セントラルモニターにおいても異常の早期発見ができるよう24時間のモニター管理等の体制を整えています。正常妊婦さんに関しても受け入れており、可能な限りご家族の立ち会い分娩も行っているほか、母子同室の推奨や妊娠中から母乳育児の推進・サポートも手厚く行っています。

ほかに力を入れている診療はありますか?

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呼吸器外科においては、2010年の開設以来、北神地域の呼吸器外科手術を支える病院として地域医療を支えてきました。2023年4月以降には呼吸器内科の医師2人を迎え、看護師やパラメディカルとともに新たに呼吸器部門を立ち上げています。低侵襲な手術はもとより、初診から診断、治療、術後療法までの一連の治療を、すべて一貫して実施していることは大きな特長といえます。また、整形外科ではできるだけ多くの疾患に対応することをめざしています。他科の医師とも協力し、夜間や休日の高齢者の転倒による骨折を引き受けて、全身状態が落ち着いていれば早期に手術できる体制が整っているほか、2023年4月より小児整形と手の外科専門の医師が赴任し、小児の骨折や骨系統疾患、上肢の外傷や疾患などにも対応可能となりました。ほかにも、内視鏡部門、心臓血管部門など診療科や職種の垣根を越えた治療を提供しています。

今後の展望や読者の方へメッセージをお願いします。

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ご承知いただいているかと思いますが、私どもは三田市民病院との病院統合をめざしております。まだまだハードルは高いですが、北神・三田地域の皆さまが安心して暮らし、将来にわたり質の高い医療を受けていただくには、この病院統合が最善の道であると確信しています。これまで当院は、地域にまだない診療科を増やしながら医療貢献してまいりました。病院統合により、今提供できてない診療科の新設を含め、ワンストップで治療を完結できる病院をめざしたいと考えています。さらに、救急医療に適した設備や動線の確保、新興感染症に対応できる病棟のユニット化、心地良く過ごせる病室の個室化など設備の充実を図ることはもちろん、医療教育の場としてもレベルアップを図り、次世代の医療の担い手を育てていきたいと考えています。地域の人々や職員に「済生会兵庫県病院に通っているのだ」と誇ってもらえる病院をめざし、これからも努力してまいります。

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左右田 裕生 院長

1989年神戸大学医学部卒業。1996年神戸大学大学院修了。産婦人科の医師として周産期医療や新生児医療において研鑽を積み、母体・胎児における医療安全にも携わる。済生会兵庫県病院、国立病院機構神戸医療センターを経て、2008年済生会兵庫県病院に再入職。同院産婦人科部長、同診療部長、同副院長を経て、2022年から現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。趣味は旅行、音楽鑑賞。

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