理事長メッセージ(医療法人明倫会 宮地病院) | 病院・総合病院・大学病院を探すならホスピタルズ・ファイル

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医療法人明倫会宮地病院

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宮地 千尋理事長
Miyaji Chihiro

プロフィール1979年神戸大学医学部卒業後、同放射線科に入局。同大学院や米国ジョンズ・ホプキンズ大学留学を経て1986年に入職。1995年、震災2ヵ月後に設けた宮地クリニック院長、また1997年に再建した宮地病院の副院長を経て、2002年より同院院長へ就任。2011年には医療法人明倫会の理事長となる。気分転換に続けてきたという趣味の油絵が、院内を明るく彩る。

多彩な医療やケアで地域の暮らしを支える

1954年に有床診療所からスタートし、神戸市東灘区の病床不足を改善すべく設立された「医療法人明倫会 宮地病院」。200床を擁する急性期病院であったが1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、いったんは閉鎖を余儀なくされたという。しかし地域住民の声に励まされた宮地千尋理事長は再建を決意。1997年に完成した新病院で、地域住民に必要とされ、同時に職員の雇用を守れる病院運営にまい進してきた。「震災直後に患者さんのもとへ足を運んだ経験から、治療にとどまらず暮らしを支える重要性を痛感しました」と語る宮地理事長は、同院を中心とする医療・福祉グループとの連携でさまざまなサービスを展開。急性期から終末期まで包括的にサポートし、しかも多彩な選択肢から「患者が自分らしく生きられる」医療や福祉サービスの提供をめざす。「小さな病院だけに小回りが利き、新たな取り組みにも職員と力を合わせて積極的にチャレンジできます」と笑顔で語る宮地理事長に、同院の歴史や特徴的な取り組みとその背景、医療がこれからの地域社会で果たすべき役割など、さまざまな思いを聞いた。
(取材日2020年11月4日)

こちらは阪神・淡路大震災を機に大きく変化されたそうですね。
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父が1954年に開設した診療所が1962年に宮地病院となり、当時は高度成長期でもあったので増床を重ね、200床の急性期病院へと成長していました。しかし震災で全壊。診療ができなくなり職員も解雇せざるを得ず、非常につらい日々でした。実は震災の数年前に行った増床で多額の借入金があって財政的にも厳しく、再建への意欲も目途もなかなか立たなかったのです。でも、私が往診などで瓦礫だらけの街を歩いていると、地域の方や患者さんが「先生、いつから開院してくれるんですか」とあちこちから声をかけてくれました。そこで病院の社会的責任を痛感し、また「地域に恩返しがしたい」と強く思うようになりました。また、震災直後の薬も機械も何もない中で、患者さんのそばに寄り添って手を握り話を聞くこと、温かく診ることが一番大切だとわかったのですね。「これなら私にもできる、再建しよう」と覚悟を決め、1997年に今の建物を再建しました。

法人内には多くの施設があり、同じ理念を掲げています。
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震災で大きなダメージを受けたのは、地域の高齢者や障害者の方でした。これらの方々を助けられる病院、同時に職員を養い存続し続けられる病院にしたいとの思いから、慢性期、回復期を中心に二次救急にも対応するケアミックス型の病院になりました。また地域の皆さんとともに復興期を歩む中で、これからの病院は治療をして終わりではなく、退院後の暮らしを支えなければならないと強く感じたのです。そこで、訪問診療・訪問看護などの在宅医療支援部門や介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、リハビリテーション専門の病院、さらにサービスつき高齢者向け住宅などを設けてきました。「WE ARE ONE~ ともに未来を拓く」という共通の理念を掲げ、「その人らしく生きる」を支え続けるために、医療と福祉、さまざまなアプローチから患者さんの人生を支えていきたいと考えています。

リハビリに注力しているそうですね。
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以前からリハビリには力を入れていたので、再建後数年でリハビリ室が手狭になり、困っていました。そんな折、神戸市の増床計画に参加できることになり、回復期リハビリと障害者リハビリに対応できる医療機関が必要と考え、2013年に本山リハビリテーション病院を開院しました。また、当院のリハビリテーション科では、入院・外来患者さんのリハビリ、ご自宅への訪問リハビリ、そして2種類の介護保険対応の通所リハビリを行っています。8時間程度の長時間のデイケアと、リハビリのみに特化した1~2時間程度の短時間通所リハビリです。特に男性では、レクリエーションなどのある長時間のデイケアは苦手だという方がおられます。でもシンプルにリハビリに特化した形でしたら、お誘いすれば喜んで来ていただけますよ。個々の患者さんに必要なリハビリを、生活になじむスタイルで提供できるようにしています。

認知症の診療やケアにも積極的に取り組んでいるとか。
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再建から数年のうちに、外来で物忘れの症状がある方が増えてきました。そこで早期から物忘れに関する外来診療を開始。現在は認知症疾患医療センターも開設しています。また、重症になる前の軽度認知障害の方に向けた予防教室を長く続けています。前頭葉機能の改善や、物忘れの進行を緩やかにするのが目的です。2018年からは、ご自宅での介護に苦労するような重症の方に向けて、重度認知症デイケアも開始。医療保険で行う長時間のデイケアで、精神内科の医師による診察があるので、健康管理にもつながります。また介護保険や自立支援医療制度の併用が可能で、何よりも重度認知症の方が利用できるデイケアは少ないので、ご家族にも喜ばれています。さらに、最近では入院によって認知症の症状が強まる方も多いので、スタッフの負担軽減も兼ねてユマニチュードを取り入れたり、多職種で病棟内デイケアを開いたり、さまざまな認知症ケアに取り組んでいます。

今後の取り組みについて、展望をお聞かせください。
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これまでの経験から、医療は病院の中だけでなく地域とともにあるものだと実感しています。そこで「ホスピタウン構想」を立ち上げ、「医療や福祉による包括的なサポートがありつつ、自宅やそれに近い状況でその人らしく暮らせる街づくり」に取り組み始めました。まずは介護度を問わず入居できるサービス付き高齢者向け住宅の開設、そして高齢者に加えて障害者、子ども、学生などさまざまな人が助け合って暮らせる、包摂的な支援ができればと考えています。また、人口が減少する中で地域社会を維持するためには、地域の活性化と住民の連携が欠かせません。病院は、災害などで社会が困窮したときに価値や役割を発揮しやすい存在です。そこでホスピタウン構想の第2弾として、他業種との連携で雇用を生み出したり困り事を解決したりして、地域の元気や笑顔を支えたいと考えています。住民の皆さんや職員とともに、未来を拓いていきたいですね。

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