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医療法人豊田会 高浜豊田病院

(愛知県 高浜市)

今田 数実 院長

最終更新日:2022/10/21

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本院と連携し、高浜市の慢性期医療を支える

高浜市の慢性期医療を担う「高浜豊田病院」は、2019年に新築移転したばかり。5階建ての病院は廊下も病室も広くゆとりのある設計で、落ち着いたトーンの壁や家具がモダンな印象だ。刈谷豊田総合病院の分院として刈谷市、高浜市、知立市、東浦町をエリアとした西三河南部西医療圏の慢性期医療を担い、透析センターと健診センターも併設、市民の健康管理も大きな役割となっている。「急性期病院である本院の刈谷豊田総合病院と連携しながら、療養病床、障害者病床、地域包括ケア病床で、患者さんの“その人らしく”を大切にした医療を提供しています」と話すのは、今田数実院長。最大の強みは、電子カルテを通じて医療法人豊田会の3つの病院が情報を共有できることだという。連携することで医療が各段にスムーズになり、オンラインで確認した過去の検査歴によってより適切な診断へとつなげる。同院の特徴や地域での役割について、今田院長にじっくり話を聞いた。(取材日2022年7月27日)

病院のこれまでの歩みを教えてください。

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高浜市立病院が2009年に民間移譲されて開設した「刈谷豊田総合病院高浜分院」が前身となります。本院である刈谷豊田総合病院を中心とする医療法人豊田会の病院として、地域の慢性期医療を担うべく開設されましたが、できた当初は深刻な医師不足で、常勤医師4人という体制でのスタートでした。私が当院に着任したのは、開設して2年たった頃です。その前は本院に勤務していたので、急性期病院とのギャップに戸惑いつつも、和気あいあいとしたアットホームな雰囲気に魅力を感じました。その後、2019年に新築移転し、名称も「高浜豊田病院」と改め、現在4年目を迎えています。医師の数は12人に増え、療養病床のほか、障害者病床と地域包括ケア病床も備えています。職員数や職種が増えたことで、提供できる医療の幅も広がり、少しずつ病院機能が向上しているのを実感しています。

地域ではどのような役割を担っていますか?

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刈谷市、高浜市、知立市、東浦町を医療圏とする刈谷豊田総合病院の分院として、慢性期の医療を担うと同時に、健診や予防接種などの予防医療や透析医療の機能も有しています。慢性期医療としては、急性期病院から直接ご自宅に帰ることが難しい患者さんに対して、4階の地域包括ケア病床でリハビリテーションを通じたADL(日常生活動作)回復のお手伝いをしています。開設以来念願だった理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそろったことで、幅広い疾患への対応が可能となりました。疾患別のリハビリは、関わる職種や時間が限定されがちですが、当院では地域包括ケアとしてすべてのスタッフがフレキシブルに患者さんに関わりを持つことができるので、一人の患者さんに対して多職種が連携して取り組むリハビリテーションとなっています。看護師や介護士と意見交換をしながらこまやかな調整を行い、ご自宅の状況に合わせた訓練で自宅退院をめざしていきます。

予防医療についても詳しくお聞かせください。

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高浜市と連携した医療サービスも当院の重要な役割の一つです。現在は、新型コロナワクチン集団接種会場として、多くの市民の皆さまにご利用いただいています。そして当院2階には、高浜市在勤在住の方々が利用できる健診センターを併設しています。高浜市の健康診断は検査項目が充実しており、助成金を利用して人間ドック並みの検査が受けられます。また、木曜はレディースデーとなっており、内科診察、婦人科検査、内視鏡検査を女性医師が担当しています。私は消化器内科の医師ですので、精度を保ちながらできるだけ苦痛を軽減する内視鏡検査をめざしています。検査の送気に二酸化炭素を使用することで検査後のおなかの張りが軽減されるのをご存じでしょうか。当院では少しでも検査が楽になるよう、新築移転時に二酸化炭素の配管を設けました。患者さんからも画像が見えるようにモニターを3画面配置し、こまめにお声がけしながら検査を行っています。

透析センターも新築移転時に開設されたそうですね。

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高浜市待望の透析センターを立ち上げ、現在30床で運営し、利用者数も年々増加しています。医療法人豊田会では、刈谷豊田総合病院と刈谷豊田東病院、そして当院の計3院でネットワークを構築し、当院は維持透析を担当しています。電子カルテと透析管理システムが連携しているため、透析の導入期から慢性期まで豊田会の病院で完結できるのが大きなメリットですね。この電子カルテの連携は、過去の検査歴を生かした無駄のない診療にもつながります。例えば、当院の健診で異常が見つかり、二次検査を刈谷豊田総合病院で受けたとします。翌年に再び当院で健診を受けていただく場合、前年の受けた精密検査の内容が簡単に参照できるので、より適切に判定できます。情報だけでなく、医師やスタッフも同一法人内で行き来をしているので、患者さんが急性期医療を終えた後も、知った顔のスタッフがいることで心配が和らぐと思います。

最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします。

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刈谷市・知立市・高浜市・東浦町からなる西三河南部西医療圏を大きなジグソーパズルに例えると、本院の刈谷豊田総合病院が全体の約半分のピースを、当院は西三河南部西医療圏南エリアの5~10%のピースを担っています。そして、当院開設前から高浜市とその周辺エリアでは大勢の開業医の先生方が一つ一つ立派なピースを立ち上げておられます。当院はやっと4年目に入ったところですが、今後も開業医の先生方と協力し、少しずつ残りのピースを埋め、南エリアで隙間ない医療を実現すべく力を尽くしていきたいです。あと、先ほどお話しした電子カルテ共有は健診でも大いに役立ちます。いろいろな医療機関で健診を受けていると、検査情報がバラバラになってしまいますが、同じ病院で積み立て貯金のように健診データを蓄えていけば、将来の健康管理の大きな財産になるのではないでしょうか。ぜひ定期的に健診を受けて、健康管理に生かしていただきたいと思います。

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今田 数実 院長

1988年名古屋大学医学部卒業後は、愛知県厚生連加茂病院での勤務を経て名古屋大学医学部第二内科に帰局し、肝臓疾患について研鑽を積む。1997年より刈谷豊田総合病院消化器内科に入職、2011年には刈谷豊田総合病院高浜分院の副院長に就任、2021年より現職。日本内科学会総合内科専門医。日本消化器病学会消化器病専門医。日本肝臓学会肝臓専門医。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。

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