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医療法人 宏和会 瀬戸みどりのまち病院

(愛知県 瀬戸市)

浅井 健次 院長

最終更新日:2020/11/25

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患者の人生を支える、頼れる町の病院

初代院長が開業した医院から数えて85年の歴史があり、現在瀬戸市内で複数の病院を運営する医療法人宏和会。その中で、慢性期医療を主軸に医療を提供してきた「やまぐち病院」が、2017年3月に現在の地に移転。移転に伴い、名称を「瀬戸みどりのまち病院」と改めた。現在は外来診療や急性期医療を経た療養患者のケアに加え、訪問診療・往診といった在宅医療、通所リハビリテーションや小児リハビリテーション、摂食・嚥下リハビリテーションに熱心に取り組む病院だ。「緑町」という地名にふさわしく、緑あふれる景観に恵まれた地域の中で、「町の病院」として親しんでもらいたいという思いから、新名称に「まち病院」という言葉を用いたと語る浅井健次院長。「患者さんやそのご家族が、笑って過ごせるよう、医療を通して身近に皆さんを支えていきたい」と優しく朗らかに語る浅井院長に、同院のこれまでの歩みや現在力を注いで取り組んでいることをふんだんに語ってもらった。
(取材日2018年11月15日)

こちらの病院のこれまでの歩みをお聞かせください。

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当院を含めた医療法人宏和会の歴史は、1933年に私の祖父が長久手で開業した「浅井医院」から始まりました。開業の翌年には医院を瀬戸市に移転し、その後現在まで、広く地域医療を支えてきました。当院の前身である「やまぐち病院」は1980年に開設。当初は急性期医療を担っていましたが、機能分化を図った際、急性期および回復期を系列病院の一つである「あさい病院」に集約し、当院は慢性期医療をメインとする運びとなりました。そして昨年3月に現在の地に移転し、これに伴い病院名を「瀬戸みどりのまち病院」と改めたのです。移転に伴い、地域包括ケア病床を新たに申請し、あさい病院で取り組んでいた小児リハビリテーション領域を移管したため、高齢の慢性期患者の方だけでなく、お子さんも足を運ぶ病院として、地域の皆さんに親しまれております。

貴院の医療に対する姿勢や、力を注いでいることは何ですか?

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やまぐち病院時代から力を入れて行っていることの一つが、在宅医療の取り組みです。住み慣れたご自宅で患者さんが過ごせるようサポートするため、訪問診療に対応しており、在宅療養支援病院にも指定されています。また、療養病床を持つ病院としてモットーとするのが「断らない慢性期医療」の実現です。人工呼吸器の管理が必要であるなど、当院に送られる患者さんの病態は非常にさまざまです。それらを可能な限り受け入れるということは、スタッフの負担なども考えると、決して容易ではありません。しかし「これは無理です」とお断りしてしまうケースが増えれば、患者さんは行くあてを失ってしまいます。そんな患者さんを1人でも少なくしていくために力を尽くすのも、急性期医療の後方支援病院である当院の大きな役割です。また近年は、摂食嚥下障害に対するリハビリテーションに重きを置き、現在3人の言語聴覚士を中心に力を入れて取り組んでいます。

摂食嚥下リハビリテーションに注力するようになった背景とは?

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誤嚥性肺炎を発症した多くの患者さんの存在がきっかけとなりました。誤嚥性肺炎を発症して入院すると多くの場合、絶食と安静を指示されます。しかし筋力をはじめ全身の機能が低下している高齢者にとって、食べない・動かないことは、それらの機能を一気に失うことにつながります。そのような患者さんが数多く送られる一方で、患者さん本人やご家族は「多少リスクがあっても、また食べられるようになりたい」とおっしゃいます。それならば、と当院でリハビリに取り組み始めました。患者さんはもちろんご家族もたいへん喜ばれ、摂食嚥下リハビリは、私たちとしても非常にやりがいを感じるものとなりました。また、取り組み始めて間もない頃に、摂食嚥下リハビリテーションを専門とする愛知医大の前田圭介先生と出会ったことも、非常に大きな出来事でした。現在、前田先生に月2回お越しいただき、摂食嚥下リハビリの指導していただいております。

食べるという、生きる楽しみを守り支えていらっしゃるのですね。

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食べることに限らず、どう人生を過ごしていただくかが、非常に大切だと思っています。慢性期医療を行う上で、切っても切り離せないのが、終末期医療。つまり看取りです。最近では、終末期医療を充実させるため、エンドオブライフケアチームを立ち上げました。質の高い終末期医療の提供もまた、当院に求められるものの一つですから。加えて、患者さんの在宅復帰も積極的に働きかけています。どう過ごすかだけでなく、どこで過ごすかも、人生において重要なことですし、やはり住み慣れたご自宅で過ごせる時間があるほうが、患者さんやご家族にとっても喜ばしいことでしょうから。当然、受け入れるご家族にとっては不安があることと思います。しかし当院は先に申し上げました通り、在宅医療を得意としております。何かあったら駆けつけますし、入院が必要であればすぐに受け入れますからご安心ください。その上で、選びたいと思う道筋を選んでいただきたいですね。

貴院がめざす医療の在り方と、今後の展望をお聞かせください。

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患者さんにとって距離の近い、町医者ならぬ「町病院」になるのが、当院のめざすところです。病院名を改める際、緑町という“町”の中で頼られる病院となりたい、という思いを込めて「瀬戸みどりのまち病院」と名づけました。入院や在宅の垣根をなくし、患者さんが望む場所で、望む医療を提供する。そして、地域医療が活性化するようサポートする。それが私たちの役割です。在宅医療の他にも、患者さんを当院へ速やかに転院できるよう、看護師を急性期病院に送り、家族との面談や転院に関する相談に対応するといったことにも取り組み始めました。まだ始まったばかりの取り組みではありますが、少しでも地域医療が円滑に進むよう、力添えができたらと考えております。移転から1年が経過し、新しい病院名も定着してきたように感じます。これからも「皆さんの町の病院」として、頼られる存在であり続けたいと思っています。

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浅井 健次 院長

1998年愛知医科大学卒業。公立陶生病院での研修を経て、2002年愛知医科大学病院循環器内科に帰局。循環器内科の中でも虚血性心疾患の診療に携わり、多くの経験を積む。そして2013年、同院の前身であるやまぐち病院の院長に就任。現在は専門である循環器内科に加え、在宅医療やリハビリテーションの充実に力を尽くしている。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。

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