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独立行政法人国立病院機構 愛媛医療センター

(愛媛県 東温市)

舩田 淳一 病院長

最終更新日:2025/04/07

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地域の健康寿命の延伸に寄与する医療を提供

「愛媛医療センター」は、1939年に「軍事保護院傷痍軍人愛媛療養所」として設立された。戦後は結核療養所の役割を担い、その後、国立病院機構の病院として、重症心身障害や神経難病、結核など一般の病院では対応が難しい疾患を対象とする政策医療に取り組んできた。一方で、地域に密着した病院として、呼吸器内科での専門的な医療や循環器内科の心臓リハビリテーション、輪番制による二次救急の受け入れなど、安定した地域医療の提供にも努める。2025年4月に病院長へと就任する舩田淳一先生は、同院に約30年勤務する循環器内科のエキスパートであり、心臓リハビリテーションにおいては、後進の指導にも力を入れてきた。引き続き「患者さんを笑顔にできる病院づくり」をめざしていきたいという舩田先生に、同院の特徴や魅力を聞いた。(取材日2025年1月30日)

救急医療と安定した地域医療の提供について教えてください。

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当院では2016年から松山医療圏域の二次救急医療を担う病院として輪番制で救急医療に対応しています。救急車の搬送件数は年々増加しており今年度は約2000台の救急搬送に対応しました(2024年4月1日~2025年3月31日)。多くの救急車を受け入れていくため、組織として病院内の協力体制を強化し、松山・中予地区で救急医療の安定提供をめざしています。このような病院間の連携をさまざまな診療分野に広げていくことが安定した地域医療の提供につながると期待しています。また、当院では近隣の愛媛大学医学部附属病院で手術を受けた患者さんも積極的に受け入れられる体制を整えています。例えば心臓の手術を受けた患者さんが日常生活へ戻るまで、薬または点滴による加療やリハビリによる介入を行います。週1回、大学病院の先生が手術後の回診に来るなど非常にスムーズな連携ができていて地域におけるモデルケースになっていると思います。

もう一つの柱であるリハビリテーションはいかがでしょう。

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私自身が長年、愛媛県で心臓リハビリテーションの中心的立場として取り組んできた背景から、当院では、生命予後だけではなく健康寿命の延伸に寄与するような医療やリハビリテーションの提供に努めており、ご高齢の患者さんにも、生きがいのある生活を営んでもらいたいと考えています。心臓リハビリを行っている専門施設はまだまだ多くない中で、退院前に心肺運動負荷試験を実施し、患者さんの状態に合わせた運動指導を行っているのが当院の特徴です。また、医師だけではなく看護師、管理栄養士、理学療法士などがチームで行う包括的心臓リハビリテーションを展開しており、多面的なサポートを行っていることも大きな強みです。多職種がチームワーク良く患者さんと向き合うことは非常に重要ですが、当院ではうまくいっていると自負しています。

その他、どのような特徴がありますか。

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呼吸器内科では、国立病院機構中四国ブロックの呼吸器疾患の基幹を担い、専門的な医療を提供しています。結核など感染症の治療に取り組み、新型コロナウイルス感染症流行前から愛媛県内の感染症対策において重要な役割を担ってきました。現在も愛媛県との取り決めで、新興感染症が発生した際には最大12床まで患者さんを受け入れることになっています。また、2024年8月には非肺結核性抗酸菌症専門の外来も開始しました。2013年に新設された5階建ての病棟には、結核ユニット16床、重症心身障害児・障害者の病床、一般病床148床と手術室、リハビリテーション室、薬剤部を備えています。重症心身障害の病床では小児から成人まで受け入れ、長期入院やショートステイを支援。さらに「ポストNICU」を設け、地域の急性期病院と連携を図り、急性期治療を終えた乳幼児を受け入れ在宅復帰までサポートしています。

地域医療機関との連携はどのように行っていますか。

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病病連携の一環として、愛媛大学医学部附属病院からの応援により心臓血管外科、脳神経内科、糖尿病などの診療に対応し、2025年4月には脳神経外科の外来も開始の予定です。循環器内科では四国がんセンターとの診療連携も実施しています。近隣の開業医の先生とは、2021年8月から定期的にウェブ検討会「東温・松山東部地区地域医療連携の会」を開催しています。各医療機関にスライドや動画による紹介を依頼し、各医院の特徴、院内の様子やスタッフさんを紹介いただき、和気あいあいとした雰囲気の中で関係性を深めています。その後は40分間程度の講演会も開催し、地域完結型の医療連携をめざして講師にはなるべくこの地域で皆さんが知っている先生に登壇していただいています。地域医療の中で大切なのは各施設の強みを生かした役割分担です。当院の役割を果たすためにも地域医療連携の会を通じて、地域の先生と顔の見える関係性を築いていきたいです。

最後に、病院長就任にあたっての抱負をお願いします。

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阿部聖裕前病院長が取り組んでこられた「患者さんを笑顔にできる病院づくり」を継承するため、職員同士の良好な人間関係の構築に努めていきたいです。私は1995年に当院に入職し、足かけ30年近くこちらでお世話になってきましたので、ある程度の信頼関係は築けていると思っています。この病院の良さは郊外特有のアットホームさで、患者さんにとっても地域の病院としての位置づけであり、少し気になることがあるときにかかりたいなと思ってもらえる存在だと思っています。これからも、生命予後だけではなく、健康寿命の延伸に、そして、生き生きとした生活に寄与するような医療とリハビリテーションを提供してまいります。

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舩田 淳一 病院長

1990年愛媛大学医学部卒業。1995年に国立療養所愛媛病院(現・愛媛医療センター)に入職。2004年英国オックスフォード大学留学。帰国後、愛媛医療センターに戻る。統括診療部長、特命副院長を経て2025年4月に病院長就任。日本循環器学会循環器専門医。趣味は英会話、ジョギング、テニス。留学時代の現地の医師と今も交流が続くことから若い医師に地域医療への貢献とともに世界への視点も大切にしてほしいと願う。

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