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医療法人恕風会 大洲記念病院

(愛媛県 大洲市)

清水 晃 院長

最終更新日:2022/11/15

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専門的な整形外科治療で南予の医療に貢献

整形外科の関節手術において豊富な実績を誇る「大洲記念病院」。ロボティックアーム手術システムを使用した先進的な治療を中心に、医療スタッフとリハビリテーションスタッフが連携しながら質の高い医療に努めている。整形外科を中心とした入院加療を行う一般病棟のほか、治療を終えた患者に在宅復帰を目的としたリハビリテーションを提供する地域包括ケア病棟を備える。病院の母体である医療法人恕風会が運営する2つの介護老人保健施設、訪問看護ステーションや介護ヘルパーを派遣する事業所とも密に連携し、病院から在宅療養までシームレスにサポートする地域包括ケア体制を整えている。2016年には新館の増築と本館の大幅改築を実施。デザイン面はもちろん機能面も強化し、患者がより快適に過ごせる外来・入院環境を整備した。医師としてのやりがいについて「何よりうれしいのは、患者さんの笑顔が見られたとき」と話す清水晃院長。整形外科診療の特徴や、力を入れているというリハビリテーションについて話を聞いた。(取材日2021年4月8日)

整形外科では、非常に多くの手術を実施していると伺いました。

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関節や骨折をメインに、年間約1000例(2019年4月~2020年3月)の整形外科手術を行っています。整形外科には3人の日本整形外科学会整形外科専門医がおり、それぞれが肩関節、下肢関節、スポーツ整形外科、外傷など専門分野に注力し、質の高い治療の提供に努めています。県内外を問わず多くの患者さんが来院されており、大洲市内のほか宇和島市、八幡浜市、西予市など南予全域に加え、高知県の梼原町からお越しくださる方もいらっしゃいます。整形外科治療と合わせたリハビリテーションは特に力を入れている分野で、50人ほどのリハビリ専門スタッフを配置。在宅や職場への復帰を希望する患者さんには、元の生活に戻すことを目標にしたリハビリを展開しています。患者さんの中心は70代から90代のご高齢の方ですが、当院の得意分野の一つであるスポーツ整形外科に通われている若い患者さんも多いです。

支援ロボットを活用した人工関節手術を行っているそうですね。

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これまでの股関節の人工関節手術専門手術は、人工関節を設置する位置が少しでもずれてしまったり、周囲の筋肉を傷つけてしまったりすると、術後に脱臼するケースがありました。そこで整形外科では、人工関節手術専門に開発されたロボティックアーム手術支援システムを2021年3月に導入、4月から手術に使用しています。ロボティックアーム手術支援システムは医師がコンピューターを制御し、モニターの映像を見ながら手術を行うものです。極めて精密な操作が可能のため、脱臼リスクの軽減が期待できるようになりました。手術時間および麻酔時間の短縮、身体にかかる負担の軽減につながるなどメリットが多く、また膝関節と股関節の人工関節全置換術で保険適用となっている点も、患者さんの満足度向上につながっています。

2020年4月に開設したリウマチセンターについて伺います。

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これまで当院の関節リウマチ治療は、薬物療法を中心とした内科的なアプローチが主軸でしたが、関節の痛みを正確に診断したり、関節の変形から病気の進行抑制度合いを調べたりする整形外科的な視点も重要であることから、2020年4月に内科と整形外科が共同で診療を行うリウマチセンターを立ち上げました。日本リウマチ学会リウマチ専門医が常勤していますので、リウマチ専門医が少ない南予地域において、患者さんのお悩みに貢献できれば幸いです。リウマチセンターでは早期発見および専門的治療を掲げ、抗リウマチ薬や生物学的製剤投与、人工関節置換術などの手術のほか、各臓器へ障害が起きた場合の全身管理に力を注ぎ、愛媛大学医学部附属病院や松山赤十字病院、道後温泉病院とも診療連携しながら、ハイレベルなリウマチ治療の提供をめざしています。今後はリウマチ・膠原病疾患への理解を深めるためのリウマチ教室といった啓発活動にも着手する予定です。

整形外科と内科が連携した診療にも力を入れていますね。

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整形外科の診療では、手足や関節の痛みが主訴だったが内科的な病気が見つかった、膝の術前検査を行ったら糖尿病が見つかった、という場面に立ち会うことがあります。またご高齢の患者さんは、膝や股関節が痛むために外出が減り、足の筋肉が落ちて全身状態の悪化を引き起こしているケースが少なくありません。なので、整形外科で治療し、内科で全身管理を行うという診療体制の整備は、理にかなった取り組みでした。一般的な関節の手術時間は2時間程度となる場合が多いですが、当院は体制を整えることで約1時間という短時間を実現しています。早ければ手術翌日には食事を、2日後には歩行リハビリを始められるようになります。筋力と栄養状態の低下を防ぐためには、痛みなく歩ける状態にすることが重要です。歩けるようになれば筋力が回復し、全身状態の改善も見込めます。患者さんが一日も早く普段の生活に戻れるよう、各科が連携しながら治療を行っています。

今後の方針や展望について教えてください。

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先進的な治療に取り組むことで、病院の活性化をめざしていきたいです。「その病院にしかできない」という治療があれば、患者さんの満足度向上だけでなく、優秀な医師の確保にもつながります。現在働いている整形外科の医師も、当院の手術やリハビリテーションの設備を見て入職を決めてくれたそうです。もちろん、ただスタッフを増やすだけではなく、一人ひとりのスキルを磨くことも重要です。医師や看護師、リハビリスタッフには院外で行われる勉強会などへの積極的な参加を呼びかけており、たくさんの知識を吸収してほしいと考えています。現在、おかげさまで地域の医療機関との連携体制は日ごとに強まり、多くの紹介患者さんに来院していただいています。当院で行える医療には限りがありますので、今後もクリニックの先生方と協力して、検査や治療の充実を図っていきたいと思います。

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清水 晃 院長

1998年滋賀医科大学卒業。2004年愛媛大学大学院修了後、愛媛県立中央病院にて勤務。2008年より大洲記念病院にて整形外科やリハビリテーションの充実に力を注ぐ。ケガの治療だけでなく元の生活に戻すことを意識し、アスリートには一日でも早く競技復帰できるようサポートするなど、患者一人ひとりのゴールを見据えた診療を心がけている。日本整形外科学会整形外科専門医。

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