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独立行政法人国立病院機構 東名古屋病院

(愛知県 名古屋市名東区)

饗場 郁子 院長

最終更新日:2025/02/19

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神経難病のリハビリテーションに力を注ぐ

名古屋市名東区南部、梅森坂にある「東名古屋病院」。周囲には住宅や店舗が立ち並び、複数の公園があるのどかな環境で、建物の前面に広大な無料駐車場を備えている。同院は長く結核療養所として歩んできた歴史があり、時代の要請に合わせて、一般病院では治療困難な神経難病や重症心身障害児者の治療、呼吸器疾患の治療、さらに付属のリハビリテーション学院の開設、回復期リハビリテーション病棟の完成を経てリハビリにも重点を置いてきた。現在、リハビリスタッフは70人を超え、多職種連携のもと、患者の社会復帰、在宅復帰までを支える。外来は、脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、小児科、整形外科、泌尿器科、歯科口腔外科など幅広く対応。今後は認知症治療も推進していきたい考えだ。饗場郁子(あいば・いくこ)院長は優しい笑顔が印象的なドクターで「患者さん第一はもちろん、職員にも生き生きとやりがいを持って働いてほしい」と穏やかに話す。難病の患者や重度の障害のある患者が多い同院だが、「私たちはいつもそばにいます」という饗場院長の言葉に、人としての温かさを感じた。(取材日2024年12月4日)

病院の特色について教えてください。

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当院は結核療養所として開設されましたが今は、神経難病、重症心身障害、呼吸器疾患の治療、リハビリ、この4つを柱としています。近隣には急性期病院が複数ありますので、当院では急性期後の患者さんを受け入れ、リハビリを行っています。特に神経難病の患者さんのリハビリに力を入れていることが強みです。重症心身障害については、小児まひで入院されて年月がたち高齢になった方や、脳損傷を負ったお子さんも入院されています。おうちでケアをされているご家族のためにレスパイト入院も行っています。外来では消化器内科や循環器内科、整形外科、小児科など幅広く対応しており、耳鼻咽喉科では嚥下内視鏡検査ができるなど、嚥下障害の診療に力を入れていることが特色でしょうか。呼吸器内科では、近年増加している非結核性抗酸菌症の診療に特に力を入れており、近隣の医療機関から多くの患者さんが当院のセカンドオピニオンの外来に来られています。

先生のご専門でもある神経難病の診療についてお聞かせください。

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神経難病は、診断がついた初期段階から徐々に進行する場合が多いです。診断後は都度、病状を評価し、その時々に合わせたリハビリや、ご家族には介助に関するアドバイスを行ったりしています。転倒によるケガや、肺炎など合併症も起こりますので、他科とも協力して診療を進めます。私は転倒予防について20年以上、研究してきました。私が専門とする進行性核上性まひは転倒が多く、当初は院内の転倒予防に取り組んでいたのですが厚生労働省の班会議で発表したことがきっかけで全国的な共同研究となりました。現在は、転倒防止マニュアルもでき、神経難病以外の患者さんの転倒予防、一般の方の健康寿命の延伸という観点からの転倒予防へと啓発活動が広がっています。ですから当院は転倒予防のリハビリにも積極的ですね。多職種のスタッフによる動画は一般公開されており、運動、立ち上がり方、ドアの開け方など、どなたにも参考にしていただけると思います。

神経難病などこれまでの柱に加え、力を入れていきたい治療は?

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認知症治療ですね。ここ数年、認知症の検査依頼が増えていることを実感しています。今後、認知症患者さんの増加は予想されますので、そのニーズに応えるべきと考えています。検査はMRI、SPECTといった機器を用いて脳の形や機能を観察、アルツハイマー型など認知症のタイプを正しく診断し、治療へとつなぎます。大きな病院ですと予約をして検査までに時間がかかりますが、当院では比較的短期間のうちに検査、診断を行い、治療につなげられると思います。治療は従来の内服薬に加え、点滴注射も実施。副作用がある場合もあるので、全体カンファレンスを経て患者さんご家族の了解を得た後に治療に入ります。当院は認知症専門の医師が在籍しており、後進の教育も行っています。患者さんにはできるだけ早く治療を開始して安心して暮らしてほしい、そのために力を入れていきたいですね。

院内では職員の方々の優しい笑顔が印象的でした。

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よく患者さんから「優しい」「ほっとする」と言われますが、転勤してきたばかりの職員も、患者さんと同じ印象を持つようです。実は私もここに来た30年前、そう感じました(笑)。一つには、大きな病院ではなく、顔が見える関係で、職種の垣根が低く風通しが良いということが挙げられると思います。急性期病院でないため、患者さんとじっくり向き合う時間があり、「患者さんの気持ちを大事にして寄り添う」という医療の本質が実践できているのではないでしょうか。たとえ完治が望めなくとも、「私たちがいるから大丈夫ですよ」「できることはなんでもしますよ」という気持ちで患者さんに接しています。「患者さんが笑顔を見せてくれた」「少しでもできることが増えた」ことが私たちの喜びです。私も外来では、患者さんに1回笑っていただくことを目標にしています(笑)。笑顔は、患者さん本人だけでなく、私たちも元気にしてくれるのです。

今後についてお考えをお聞かせください。

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病院として「患者さん第一」というのは当たり前で、患者さんがその人らしく生きられるように、根本的な治療法があろうとなかろうとできるだけ良い状態「well-being」で過ごせるように、私たちは力を尽くしています。それと同時に私は、職員にも「well-being」でいてほしいと思っています。職員が喜びとやりがいを持ち、仕事を通じて成長し、生き生きと働く「ワーク・エンゲージメント」をめざしたいです。具体的には、well-being部会をつくりフランクに意見をもらいたいです。私はこの病院が大好きなのでこの病院の良さも発信していきたいです。2023年度にはオリジナルキャラクターを決定し、グッズや着ぐるみまで作りました。今後は今年度作られたSNS部会からさらに発信できればと思っています。敷居が高い病院ではありませんが、専門的なご相談にも乗れますので、安心して受診していただければと思います。

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饗場 郁子 院長

1987年名古屋大学医学部卒業。春日井市民病院、名古屋大学医学部附属病院勤務の後、1994年国立療養所東名古屋病院入職。脳神経内科医長、リハビリテーション部長、臨床研究部長、特命副院長などを歴任し2024年4月より現職。専門は神経難病、脳血管障害。日本神経学会神経内科専門医、日本内科学会総合内科専門医。趣味はピアノと、自分で考えて取り組むクリエイティブなところが研究と似ているという料理。

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