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日本赤十字社 松山赤十字病院

(愛媛県 松山市)

西崎 隆 院長

最終更新日:2022/09/15

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急性期高度専門医療を提供する中核病院

34もの診療科を有し、急性期の高度専門医療や救命救急医療をはじめ、幅広い診療を提供する「日本赤十字社 松山赤十字病院」。愛媛県の中核病院として地域に住む人々の健康を100年以上も支えてきた。困っている人は誰でも平等に診るという「人道、博愛、奉仕」の赤十字精神に基づき、200人を超える医師たちが中心となり、チーム一丸となって日々の診療に尽力。地域がん診療連携拠点病院・がんゲノム医療連携病院として先進のがん診療の提供に力を注ぐほか、脳卒中や緊急を要する心疾患等に24時間365日対応する。加えて災害に備えての救護班や、DMATと呼ばれる災害派遣医療チームを配置している点も大きな強みだ。2021年に新病棟が完成したことを契機に、病床の拡充や新型機器の導入も進み、さらに盤石な医療体制の構築をめざす。明るく清潔で広々とした新病院は、患者にとっても居心地の良い空間となっている。2022年4月に同病院の院長に就任した西崎隆先生(※院長名の「崎」は山へんに立・可が正式な漢字)に、病院全体としてのめざすべき姿や診療における強み、患者やともに働く職員たちへの思いなどを聞いた。(取材日2022年7月12日)

貴院の診療における強みについてご紹介ください。

1

大きく言えばがん診療、周産期医療、救命救急医療、災害医療の4つを柱に、適切な設備や人の配置が実現できている点が当院の強みです。がん診療においては、地域がん診療連携拠点病院、またがんゲノム医療連携病院として先進の治療を保険診療で提供できる体制を整えています。周産期医療に関しては、成育医療センターを設置し、お母さんの妊娠・出産からお子さんの思春期まで、体と心の両面を一貫して総合的・持続的にサポート。職員たちは地域の子どもたちを守っていくことに力を注いでいます。救命救急医療では、24時間365日対応の脳卒中ホットラインを導入するなど、特に急性期脳梗塞の治療に力を入れています。また万が一災害が発生した場合は即座に救護活動に駆けつけられるよう、DMATを含む救護班を編成。あらゆる事態に備えています。こういった総合的で質の高い診療を提供できる点が当院の強みといえるのではないでしょうか。

院長としての意気込みと病院のめざす姿をお聞かせください。

2

100年以上の歴史と伝統がある当院には、200人を超える医師をはじめとする、素晴らしい職員たちが在籍しています。当院で働くすべての人が十分に力を発揮できるよう、院長として環境を整えることが目標です。具体的には人の育成を重視し、コミュニケーションがしっかり取れるような取り組みを行っていきたいです。また、一切の差別なく、困っている人は皆助けるという赤十字の人道の精神を大切にしながら、医師ではなく患者さん中心の安心安全な医療を志し、地域に求められている診療をしっかりと提供することをめざしています。当院は大学病院のような研究機関とは異なりますので、保険診療内で先進医療を提供することによって、地域医療への貢献や患者さんの助けになると思っています。すべての職員が誇りとやりがいを持って働ける病院、そして地域の患者さんにここで治療を受けたいと思っていただける病院でありたいですね。

人の育成に関して、どういった取り組みを行われていますか。

3

院長に就任する前から、私が所属する外科のチーム内でコーチングを取り入れていました。具体的には私がコーチとなってコミュニケーションを取りながら相手の目標達成や自己実現を支援するというもので、2週間に1回、30分程度、外科の医師と一対一で話をする機会を設けて物の見方や自分の存在意義、仕事に対する考え方、将来めざしている方向性などをお互いに話し合いました。実際に行ってみて、今まで本人たちもあまり考える機会がなかったという目的や目標を共有し合うのは、仕事を行う上でのやりがいや連帯感、チームの雰囲気の向上につながり、とても有意義だと感じました。この取り組みを通じて、個人同士のベクトル、そして外科全体のベクトルを合わせることができたのではないでしょうか。今後は院長として、職員全体ができるだけ同じ方向を向いておのおのの仕事にまい進できるよう、コーチングを活用していきたいと考えています。

地域医療連携にも力を注がれているそうですね。

4

当院はかつて、患者さんの終末期のお看取りまでさせていただくなど、病院完結型の医療を実践していました。しかし社会の状況の変化とともに国の方針も変わり、回復期と慢性期の患者さんの診療はかかりつけ医の先生方と手を取り合いながら進めていくという方針となり、当院は愛媛県の松山医療圏における高度急性期診療を中心に担う立場となりました。そういった地域完結型の医療が加速し、2005年には地域医療支援病院に承認されました。2007年には患者さんの入退院サポートなどを専門に行う目的で地域医療連携室を開設。地域医療連携室は2018年に患者支援センターと名称を変更し、現在は副院長が所長を務めています。ソーシャルワーカー9人、看護師5人、事務職員11人という充実の体制で、自宅に帰ることが困難な患者さんを適切なリハビリテーションが受けられる医療機関につなぐなど、一人ひとりの患者さんに寄り添った支援に取り組んでいます。

患者さんや地域の医療機関の先生方へメッセージをお願いします。

5

当院では地域の医療機関の先生方向けに月1回セミナーを開催しており、最新の医療情報の提供に努めています。かかりつけ医の先生方には必要に応じてこういったセミナーをご活用いただき、当院との連携強化や日々の診療にお役立ていただけましたら幸いです。また医療従事者向けにがん診療に関するオンコロジーセミナーを年に3~4回実施しており、うち1回は市民の皆さんを対象とした公開講座となっています。オンライン視聴ができる場合もありますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。当院は2021年に新病棟が完成し、新しい病院として生まれ変わりました。今後も患者さんへ常に新しい医療を提供できるよう、職員一同で知識や技術のアップデートに努めてまいります。私は院長として患者さんのためになる安心安全な医療を追求するとともに、地域の方が求めていることを見極め、それにマッチした医療を提供できるよう尽力いたします。

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西崎 隆 院長

1985年九州大学医学部卒業。米国ピッツバーグ大学やマウントサイナイ医科大学に留学し、肝臓移植の権威のもとで学ぶ。九州大学に戻った後は肝臓移植を中心に臨床経験を積む。2001年に日本赤十字社 松山赤十字病院に外科部長として着任し、2013年に同病院副院長、2022年に同病院院長に就任。専門は消化管外科。医師を志した原点にある「人の役に立ちたい」という思いを胸に、患者に寄り添った医療の提供をめざす。

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