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学校法人藤田学園 藤田医科大学ばんたね病院

(愛知県 名古屋市中川区)

堀口 明彦 病院長

最終更新日:2020/11/25

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地域で「ばんたねさん」と愛される大学病院

名古屋駅から一駅という交通至便な立地ながら、住宅と町工場が隣り合う、下町情緒ある町並みになじむ「藤田医科大学ばんたね病院」。戦前よりこの場所で診療を始め、1971年に学校法人藤田保健衛生大学医学部(現・藤田医科大学医学部)の教育病院となった同病院は、かねてより地元住民から「ばんたねさん」の愛称で親しまれてきた。「医療技術的にも、人としての接し方でも優しさをモットーとしております」と語る堀口明彦病院長も、優しいたたずまいを見せる。そうして地域に根差した中核病院として住民に寄り添い、他の医療機関とも連携して地域全体の医療発展に貢献してきた同病院は、大学病院として医療の発展に寄与もしてきた。その表れが、高い専門性を持つ医師や、複数の診療科が横断的に協力し合う診療体制だ。2017年に開設した総合アレルギーセンターをはじめ、ますます発展を続ける同院の歩みを振り返るとともに、今後の取り組みなどをじっくり語ってもらった。(取材日2020年1月6日)

まず、病院のこれまでの歩みを教えてください。

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開設は、戦前にさかのぼります。国民皆保険制度ができる前のことで、この地域で暮らす、経済的に恵まれない方たちに医療を提供したのが始まりでした。いわゆる、地域に根差した医療の提供というのを、その当時から変わらず行ってきたわけですね。今も「ばんたねさん」として地域で親しまれているのは、その流れなのです。未曾有の災害であった1959年の伊勢湾台風の際には、今でいう災害拠点病院の役割も果たしたといいます。そうして、1971年からは藤田保健衛生大学医学部(現・藤田医科大学医学部)の付属病院として歩むようになりました。今は、幅広い診療科と一般病床370床を有する大学病院として、風邪などの一般的な救急医療から、高度な診断技能、技術を要する対応までを迅速に、24時間365日行っています。2016年には新病棟を開設し、診療体制を強化。産婦人科や外科、アレルギー関連疾患をしっかりと診られるようになっています。

アレルギー疾患については、総合診療部門をつくられていますね。

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2017年に、診療科を横断した部門を立ち上げ、従来の呼吸器内科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・アレルギー科・小児科という枠にとらわれず、総合的に診療にあたっています。従来は、花粉症であれば眼科か耳鼻咽喉科、喘息であれば呼吸器内科などと、強く症状の出ているところの診療科にかかられてきたと思いますが、アレルギー疾患は1人の患者さんが複数の症状に悩まされることの多いもの。診療する医師や多職種が連携して診療することが、患者さんの助けとなる領域なのですね。これも、大学病院として専門性の高さを持ち合わせつつ、地域で悩まれている患者さんの多い領域に対して、診療科の垣根を超えて多職種で連携し合うことのできる、当病院らしさの表れだと思います。また、愛知県のアレルギー医療拠点病院としての役割を担い、かつ、アレルギー疾患医療連絡協議会の事務局も担うなど、アレルギー疾患について地域を代表する存在となっています。

こちらの病院がめざす「優しい医療」とはどのようなものですか?

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医療技術的なことと、人としての接し方という2点があると思います。まず、医療技術としては、内視鏡や腹腔鏡などを積極的に用いることで、体力的にも入院日数においても患者さんの負担軽減を心がけています。実際、最近の内視鏡技術は進んでおり、胆石の手術でも1泊2日で退院できるケースもあり、患者さんに喜ばれていますね。また、年々増える心疾患についても迅速な診断と緊急治療対応をめざし、動脈瘤のステント術や心臓カテーテル治療を行う体制を固め、患者さんの負担軽減につながっています。治療後の再発防止やスムーズな社会復帰のための心臓リハビリテーションの実施も特徴的でしょう。そして、接し方という点では、職員の優しさが当院の伝統。定期的に接遇の勉強会を行っていますが、長年の地域医療に尽くす姿勢からでしょうか。本当に当病院のスタッフは皆、優しいのです。それは本当に誇らしく感じますね。

地域の基幹病院として、地域連携の状況を教えてください。

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病院全体が一つのチームとして、和気あいあいとした雰囲気のもと、真摯に医療に向き合っている上で、地域医療機関との連携も密に行っています。もともと開院当初より「地域との共生」をめざしてきた当病院ですが、さらに2016年からは地域医療支援病院として、地域の医師同士の交流・勉強の場である「病診連携の会」や、コメディカルスタッフも参加する地域の交流会「尾頭橋虹の会」などを月5~6回実施しています。病院内のチーム医療の先に、地域でも顔の見える関係ができております。また、地域の先生方に向けて、「ばんたねネットワーク」という地域医療連携紙を定期的に発行し、当病院の地域医療への取り組みや診療科紹介なども積極的に行っています。それらを受け、産婦人科やアレルギー部門など新しい領域でも患者さんをよくご紹介いただけていますので、連携の効果を実感しています。こうして、地域住民の皆さんへも貢献していければと思います。

読者へのメッセージをお願いいたします。

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医療機関として、医療安全はかねてより重視してきており、医療界として医療安全意識が高まった2005年頃から当病院でも、インシデントに対する調査、検証を行って再発防止に努めています。そのためにも、現場から報告を上げやすい体制構築をめざし、全体で共有すべき事案は月次の医療安全管理委員会を通じて、各部門に周知を徹底しています。医療安全研修会も定期的に実施し、改めてスタッフ全員に「医療安全が先進の医療を支えている」という意識を高めてもらえるよう、努めています。こうした積み重ねにより、風邪などの日常的な症状から専門性の高い医療まで対応できる当院では、24時間365日、幅広い患者さんを診させていただいております。医療技術的にも、人としての接し方でも優しさをモットーとしておりますので、ぜひご期待いただければと思います。

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堀口 明彦 病院長

1984年藤田保健衛生大学医学部卒業。国立名古屋病院(現・名古屋医療センター)で研修医、外科医員を経て、1991年より藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)医学部外科へ入局。2013年総合外科・膵臓外科学主任教授に就任。藤田保健衛生大学病院副院長、藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院(現・藤田医科大学ばんたね病院)副院長を経て、2020年2月より現職。専門分野は胆道外科、膵臓外科、内視鏡外科。

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