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学校法人藤田学園 藤田医科大学ばんたね病院

(愛知県 名古屋市中川区)

堀口 明彦 病院長

最終更新日:2024/05/30

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地域で「ばんたねさん」と愛される大学病院

名古屋駅から一駅という交通至便な立地ながら、住宅と町工場が隣り合う、下町情緒ある町並みになじむ「藤田医科大学ばんたね病院」。戦前からこの地域の医療を守り続けてきた同院は、藤田医科大学の付属病院となった今も「ばんたねさん」の愛称で親しまれている。「風邪や腹痛などにも対応する一方、アレルギー疾患や人工関節手術など専門性の高い医療も得意とする病院です。地域診療所とも連携しながら、安心、安全、質の高い医療を提供していきたいと思っています」と堀口明彦病院長は話す。2023年8月に完成した新棟には、手術支援ロボットを備えた手術室をはじめ、救急科、小児科、眼科が入り、新たに透析部門も開設された。救急搬送迅速化のため、入り口前の道路も一方通行を逆向きに変更。より多くの重症患者を受け入れる体制を整えた。地域のニーズに合わせて、大学病院ならではの高度な医療を発展させていく。「優しい医療」をモットーとする堀口病院長に、同院の歩みを振り返るとともに、今後の取り組みなどをじっくり語ってもらった。(取材日2023年10月16日)

まず、病院のこれまでの歩みを教えてください。

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開設は、戦前にさかのぼります。国民皆保険制度ができる前のことで、この地域で暮らす、経済的に恵まれない方たちに医療を提供したのが始まりでした。いわゆる、地域に根差した医療の提供というのを、その当時から変わらず行ってきたわけですね。今も「ばんたねさん」として地域で親しまれているのは、その流れなのです。未曾有の災害であった1959年の伊勢湾台風の際には、今でいう災害拠点病院の役割も果たしたといいます。そうして、1971年からは藤田保健衛生大学医学部(現・藤田医科大学医学部)の付属病院として歩むようになりました。今は、幅広い診療科と一般病床370床を有する大学病院として、一般的な救急医療から、高度な診断技能、技術を要する対応までを迅速に、24時間365日行っています。

アレルギー疾患については、総合診療部門をつくられていますね。

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2017年に、診療科を横断した部門を立ち上げ、従来の呼吸器内科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・アレルギー科・小児科という枠にとらわれず、総合的に診療にあたっています。従来は、花粉症であれば眼科か耳鼻咽喉科、喘息であれば呼吸器内科などと、強く症状の出ているところの診療科にかかられてきたと思いますが、アレルギー疾患は1人の患者さんが複数の症状に悩まされることが多いもの。診療する医師や多職種が連携して診療することが、患者さんの助けとなる領域です。これも、大学病院として専門性の高さを持ち合わせつつ、悩まれている患者さんの多い領域に対して、診療科の垣根を超えて多職種で連携し合うことのできる、当病院らしさの表れだと思います。また、愛知県のアレルギー医療拠点病院としての役割を担い、かつ、アレルギー疾患医療連絡協議会の事務局も担うなど、アレルギー疾患について地域を代表する存在となっています。

病院のアピールポイントは何ですか?

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2023年8月には新たにA棟を開棟し、地下1階に画像診断フロア、1階に内科外来と救急科外来、2階に手術室7室、3階に小児科外来と眼科外来、4階に血液浄化センター21床を設置しました。内科外来は診察室と待ち合いを広くし、救急科外来はレイアウトを刷新し、ウォークインから入室する陰圧室に加え、救急搬送からそのまま入室できる陰圧室も設置し、機能性を高めました。手術室は、バイオクリーンルームを含む7室を整備し、整形外科領域の手術支援ロボットに続き、さらに広い領域で使用可能な手術支援ロボットも導入し、安全性重視の低侵襲手術をさらに推し進め、より多くの手術に対応しております。血液浄化センターは、地域の透析医療のニーズに応えるべく、入院を要する透析だけでなく、外来通院透析も可能な体制としました。

地域の基幹病院として、地域連携の状況を教えてください。

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病院全体が一つのチームとして活動し、真摯に医療に向き合っている上で、地域医療機関との連携も密に行っています。もともと開院当初より「地域との共生」をめざしてきた当病院ですが、さらに2016年からは地域医療支援病院として、地域の医師同士の交流・勉強の場である「病診連携の会」や、コメディカルスタッフも参加する地域の交流会「尾頭橋虹の会」などを月5~6回実施しています。病院内のチーム医療の先に、地域でも顔の見える関係ができております。また、地域の先生方に向けて、「ばんたねネットワーク」という地域医療連携紙を定期的に発行し、当病院の地域医療への取り組みや診療科紹介なども積極的に行っています。それらを受け、産婦人科やアレルギー部門など新しい領域でも患者さんをよくご紹介いただけていますので、連携の効果を実感しています。こうして、地域住民の皆さんへも貢献していければと思います。

読者へのメッセージをお願いいたします。

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藤田医科大学ばんたね病院は、前身である坂文種報徳会病院が開設してから2030年に100周年を迎えます。開院時から継承している「思いやりの伝統」を、次の100年につなげるため、藤田医科大学4病院の共通理念である「我ら、弱き人々への無限の同情心もて、片時も自己に驕ることなく医を行わん」を実践し、子どもからお年寄りまで全世代への切れ目のない医療を提供してまいります。

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堀口 明彦 病院長

1984年藤田保健衛生大学医学部卒業。国立名古屋病院(現・名古屋医療センター)で研修医、外科医員を経て、1991年より藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)医学部外科へ入局。2013年総合外科・膵臓外科学主任教授に就任。藤田保健衛生大学病院副院長、藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院(現・藤田医科大学ばんたね病院)副院長を経て、2020年2月より現職。専門分野は胆道外科、膵臓外科、内視鏡外科。

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