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特定医療法人衆済会 増子記念病院

(愛知県 名古屋市中村区)

両角 國男 理事長

最終更新日:2025/08/25

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腎臓病に特化した専門的診療を提供する病院

1946年の開院以来、腎臓病と肝臓病の専門病院として歴史を刻んできた「特定医療法人衆済会 増子記念病院」。現在は、腎臓病に特化した病院として、透析療法や腎移植をはじめとする、さまざまな腎疾患の診療に対応している。腎臓病総合医療センターを中心に、脳神経内科、血管外科、循環器内科、整形外科、内分泌内科などの各診療部門が連携し、チーム医療を実践。70年以上の歴史の中で培われてきた「患者とその家族・職員とその家族の幸せのために」を理念とするホスピタリティーの伝統も同院の特徴の一つだ。2014年には、腎臓の病理学を専門に45年以上、一貫してその道を走り続けてきた両角國男(もろずみ・くにお)先生が理事長に着任。先進の腎臓病医療を提供する病院として地域に貢献し続けている。「腎臓内科の先生方が、何か困ったら相談できる、そういう病院であることが理想的ですね」と語る両角理事長。病院の方向性や方針を有言実行で確立し、スタッフの「やりがい」創出にも力を尽くす。穏やかな語り口と理論的な説明が印象的な両角理事長に同院の歴史や特徴、今後の展望について話を聞いた。(取材日2025年7月18日)

病院の成り立ちや理念について教えてください。

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1946年、増子六郎先生が病床20床の個人病院として開設したのが当院の始まりです。透析治療は、1973年に開始しました。2代目の増子和郎先生は肝臓病が専門で、腎臓病と肝臓病専門の病院として、その歴史を刻んできました。現在は腎臓病に特化しており、5つの透析室と154床の透析治療用ベッドを備えています。診療の基本理念は、「患者とその家族、職員とその家族の幸せのために」。私の尊敬する先代院長・山崎親雄先生のお考えで、ここを患者さんや職員が誇れる病院にしたいという信念が込められています。70年以上の歴史の中で、先輩方が「患者さんと家族を大事にする診療」を脈々と引き継いできました。腎臓病には暗い印象があるかもしれませんが、医師やスタッフからの前向きな言葉を受けて、明るい表情で帰られる患者さんも多いですね。

現在の病院の特徴についてお聞かせください。

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歴史的に腎臓病と肝臓病に特化した病院でしたが、当院の一番の特徴、周囲から期待されているものは何かを追求し、それはやはり腎臓病だろうということで、現在は腎臓病に特化した診療へシフトしています。透析治療、腎移植などさまざまな腎臓病治療を行う病院ですので、合併症対策として、脳神経内科、血管外科、循環器内科、整形外科、内分泌内科などの診療領域も充実させています。これらにおいても常勤医を配置し、必要とされる適切な検査を実施し、より専門的な治療を提供する病院とのコラボレーションも徹底しています。また、腎臓病総合医療センターを設置し、「腎疾患のすべての領域」の診療に対応するため、腎臓内科、透析内科、透析外科、腎移植科、泌尿器科、リウマチ・膠原病内科など、関連領域で構成する大きな診療チームをつくりました。

中でも透析治療に注力されているそうですね。

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諸先輩やコメディカルスタッフの尽力もあり、地域の透析医療の中心を担ってこられたと自負しています。血液透析をはじめ、腹膜透析、併用療法、1回6~8時間の長時間透析、夜間8時間行う深夜透析、また一部では、在宅透析も実施しています。深夜透析は、時間や薬剤など医療資源投下が多い治療ですが、それでも「患者さんが良くなってくれれば」という思いから導入しました。今では希望される患者さんも多くいらっしゃいます。また、本院には5つの透析室があり、比較的元気で問題なく通院できる方、車いす利用などサポートを受けながら通院している方、入院中の患者さん、深夜透析や長時間透析を受ける方といったように、利用される患者さんの身体状態によって透析室を分けています。深夜透析や日中でも少し長い時間の透析を希望される方用の部屋にはパーティションを準備しプライバシーに配慮するなど、患者さんに適した治療環境を考慮しています。

多職種によるチーム医療部門を立ち上げられたそうですね。

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チーム医療実践のハード面の充実を図るため、比較的広めの部屋を準備しました。そこには、栄養指導を行うための食品サンプルをショールームのような形で並べたり、看護師が患者さんに指導する用の教材を置いたり、患者さんやそのご家族にもご利用いただく形で運用しています。多職種でのミーティングに必要なものがそろい、診察室も準備されている環境です。食事指導では、患者さんやご家族と一緒に行う調理実習を定期的に開催しています。もともとは透析治療を始める患者さんに対する食事指導の調理実習としてスタートしました。調理実習を行う病院というのは珍しいと思いますし、当院の大事な伝統です。食事の改善は継続しなければ意味がありませんが、何年も食事療法を続けると心が折れることもあると思います。そのため、易しく継続しやすい、ご褒美も増やした食事を念頭に、腎臓病患者さんのためのレシピ本の監修にも取り組んでいます。

最後に今後の展望と地域へのメッセージをお願いします。

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当院は50年以上にわたって「患者さんと家族を大事にする診療」を引き継いできました。そこに、先進の腎臓病治療が加わり、難しい腎臓疾患の診療ができる環境を整えています。腎臓内科の先生方が診断で困ったときに相談できる病院であることが理想的ですよね。また、当院は職員を大切にしてきたというプライドのある病院です。医療職の皆さんには、仕事を通して満足感を得ていただくことができる環境だと思います。その環境を整えるためには、病院としての理想、方向性、ビジョンが明確で、そこに至る道筋が全部見える化されていることが大切です。病院とスタッフが同じ方向に向かっているという意識の共有化を図り、スタッフがやりがいを持って自分の役割を果たせる環境づくりに努めたいと思います。これからも専門領域を極めつつ、当院の理念を守り、患者さんが安心できる、職員が誇れる病院でありたいと思います。

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両角 國男 理事長

1973年名古屋大学医学部卒業後、同大医学部第三内科に入局。名古屋市立大学病院人工透析部講師・助教授を経て、スイス・バーゼル大学病理学研究所に留学。名古屋第二赤十字病院腎臓内科部長、名古屋大学医学部臨床教授、名古屋第二赤十字病院副院長を歴任し、2014年より現職、2017年より同院病院長を兼任。日本腎臓学会腎臓病専門医、日本透析医学会透析専門医。

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