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医療法人愛仁会 名春中央病院

(愛知県 名古屋市北区)

森 文美 院長

最終更新日:2021/12/24

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「心のこもった効率のある医療」を続ける

地下鉄上飯田線の味鋺駅から徒歩3分の住宅地に建つ「名春中央病院」。戸建て住宅地の中に建つ6階建ての同院は、電車の中からもよく見える立派な建物だ。病院前を流れる小さな川の向こうは春日井市。名古屋市と春日井市の境にあることから、名と春の文字をとって院名となった。今年で創立50周年を迎える同院は、地域に根差す病院として【医療、看護、介護・福祉】を三位一体と捉え、地域との共生をめざしている。高齢化社会の中、病院の近くに介護老人保健施設や特別養護老人ホームを次々と開設し、地域に必要とされる病院運営を模索してきたという森文美院長。理事長でもある森院長に、同院の成り立ちや診療方針、地域との共生についてじっくりと話を聞いた。(取材日2021年8月30日)

病院の歴史について教えてください。

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当院は、1972年、名古屋市と春日井市の市境に開院しました。病院前に流れる川の向こうは春日井市です。遡れば、私の父が東京に小さな診療所を開業したのが始まり。父は実家のある愛知県に戻り、夫婦で「名春中央病院」を開院しました。当時は、54床の小規模な病院でしたが、10年後には、診療内容を内科、胃腸内科、循環器内科、外科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、リハビリテーション科まで広げ、病床も84床に増床。1990年に私が2代目院長となり、2005年には、病院の建て替えが完了しました。地域のニーズに応える形で病院規模も拡大してきましたが、一方で医療だけでは高齢化する地域を支えきれないと考えるようになり、介護と福祉にも注力するようになりました。1998年には介護老人保健施設、2001年に特別養護老人ホームを開設し、医療、看護、介護・福祉の切れ目ない地域医療を実践しています。

こちらの病院の地域における役割を教えてください。

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建て替えの際、一般病床が32床、療養病床が52床と、療養病床のほうが多くなりました。救急も受けつけていますが、大手術などの急性期医療というよりは、急性期の治療を終えた患者さんがご自宅に戻るまでのリハビリテーション、療養を中心とした病院です。もちろん、外来では地域のかかりつけ医として総合的な医療も行っています。内科的初期治療、生活習慣病や整形外科疾患の診療などを中心に、栄養指導などの健康管理、物忘れを専門とした診療なども行っています。初代院長がよく口にしていたのは、「K・K医療」、つまり「小さくても心のこもった効率ある医療」でした。一人ひとりの患者さんに心のこもった医療を効率良く届けるということが、診療ポリシーです。職員にも「小さくても心は美しく」といつも言っています。病院前の川岸に咲く桜のように、美しい心で患者さんに接することができる病院でありたいですね。

職員みんなで心のこもった医療を展開されているのですね。

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小さな診療所から始まり、今では中規模の病院となりましたが、それでも患者さんとの目線が近く、一人ひとりの患者さんと誠実に向き合って診療をしています。どの診療科の医師も、患者さんの声にしっかりと耳を傾けるような人格者ぞろいで、病院の大事な柱です。院長であり理事長でもある私は、地域に医療貢献するにはどうしたらよいかと考えたときに、「医は仁術、されど医療は経済」という考えに至りました。心のこもった医療を提供するには、よいスタッフが必要です。ただ医業に励むだけでは医療は成り立たないのですから、経営基盤のしっかりとした病院運営をし、スタッフが充実して働ける職場環境を提供することも私の役目だと考えています。一度離職しても、再び戻って再就職する職員が多いのも当院の特徴です。

療養型の病院として、どんなことに力を入れていますか?

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介護老人保健施設の運営を始めて4年目あたりから気がついたことがあります。職員の心のこもった対応に加え、朝起きてきちんとした食事を取り、お風呂に入るという規則正しい生活を送ることが、体調の安定につながる大事な要素の一つなのではないかと。医師や【医療、看護、介護・福祉】は大事ですが、規則正しい生活や心はもっと大切だと考えるようになりました。それからは、患者さんの病院での療養生活を充実させることに注力し、たくさんお風呂に入っていただけるよう、ソーラーシステムを採用したり、災害時に水に困らないよう井戸を堀りました。入浴は、体を清潔に保つだけでなく、全身機能の回復促進にも役立ちます。安全・快適に入浴していただけるよう、ストレッチャーのまま入浴できるようにしています。

今後の展望をお願いします。

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認知症で困っている患者さんが多いので、グループホームも造りたいと考えています。経済的なこともあるので難しいかもしれませんが、地域にとって必要なものを提供していくことも、大切な役割の一つ。【医療、看護、介護・福祉】が三位一体となることで、地域と共生することができると考えています。長年、急性期医療に携わってきた私は、患者さんの命を救うことが一番良いことだと思っていましたが、この病院で患者さんを最期まで看取る機会を与えられ、その意識は変わりました。患者さんが、住み慣れた地域で、最期まで安心して暮らせることも大事なことです。独居の方や家庭での介護が困難な人など、地域には困っている方がたくさんおられます。今後も医療だけでなく介護や福祉にも注力し、地域と共生していきたいと思います。

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森 文美 院長

1979年愛知医科大学卒業。救急医療や解剖学・免疫学、放射線学の研究に従事した後、愛知県がんセンター消化器内科、名古屋掖済会病院、浜松医科大学で研鑽を積む。1990年より現職。地域のニーズに応える医療の提供を追求するとともに、介護老人保健施設や特別養護老人ホームを開設するなど、【医療、看護、介護・福祉】の切れ目ない連携体制の構築に心血を注ぐ。

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