全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,890件の情報を掲載(2025年7月16日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市千種区
  4. 星ヶ丘駅
  5. 医療法人東恵会 星ヶ丘マタニティ病院
  6. 近藤 東臣 理事長

医療法人東恵会 星ヶ丘マタニティ病院

(愛知県 名古屋市千種区)

近藤 東臣 理事長

最終更新日:2025/06/24

Hf main z65278 20250501 078Hf main z65278 20250501 078

安全性の配慮と快適性を軸に女性をサポート

名古屋市営地下鉄東山線・星ヶ丘駅から徒歩数分の場所にある「星ヶ丘マタニティ病院」。2028年に創立50周年を迎える歴史ある病院だ。開業した昭和時代は、「お産は痛いものでお母さんは我慢するもの」という意識が強かったが、近藤東臣理事長は当時から、「お産は命がけ。妊婦さんを主役にした医療を」との考えを持ち、医療の安全性への配慮はもちろん、ホテルのように快適に過ごせるホスピタリティーの充実も追求してきた。現在では産婦人科に加え、小児科、内科、心療内科、歯科口腔外科、形成外科がそろい、患者を心身ともにトータル的に診療する体制が整っている。出産に関しては「バースプラン」の作成によってどんなお産を望むか妊婦の希望をくみ取り、的確な医療介入で安全なお産のために尽力。近隣病院とも日頃から連携が強く、先進の設備が整った医療環境と、個人病院ならではのアットホームな雰囲気や快適性が同院の柱となっている。そんな同院の歴史や特色について近藤理事長に語ってもらった。(取材日2025年5月1日)

病院を開業された経緯について教えてください。

Hf 1 z65278 20250501 089

私が大学病院に勤務していた頃は、「お産は痛いもの」「お母さんは我慢するもの」というのが当たり前の時代でした。しかし、中には分娩が長くなりすぎて鉗子分娩となり、赤ちゃんは何とか蘇生したものの、お母さんは重度の膣壁裂傷となってしまうということも。若かった私はそうした分娩に疑問を持ちましたが、当時の大学では、意見は聞き入れられず、自分がトップになるしかないと思って開業しました。女性にとって妊娠・分娩は一生に2度か3度の命をかけた大事業です。そんな時くらいは妊婦さん中心の、妊婦さんに優しい病院をつくりたいと考えたのです。また当時の産婦人科はひっそりした場所にあることが通常でしたので、明るく堂々と入れる病院にしたいとも思いました。開業後は理想の病院をめざして猪突猛進。当直でお産に立ち会い、そのまま翌日の外来に従事するといったこともありましたね。肉体的にも精神的にも非常にタフだったと思います(笑)。

小児科、内科、心療内科、歯科口腔外科、形成外科もありますね。

Hf 2 z65278 20250501 047

理想の周産期病院をめざす中で、たくさんの方々に支えられてここまで来ました。小児科は低出生体重児や病的新生児の対応をするためにまず必要と考えて、最初に設けた科です。内科では、妊娠中の内科健診や合併症の早期発見と治療をします。心療内科は、今でこそメンタルヘルスケアの重要性がいわれていますが当時そういった気風はまったくなく、当院はたまたまご縁があって早くから専門の医師に来てもらうことができ、幸いでした。現在は過敏性腸症候群をはじめとする腹痛、下痢、便秘などおなかのための特別な外来も設けています。さらに産前産後は歯科検診も重要です。また皮膚のお悩みについては形成外科で対応しています。産婦人科とこれらの科が連携し、幅広いお悩みに対応できることが当院の強みです。いずれの科も妊産婦さんだけでなく、一般の方、男性でもお越しいただいて大丈夫です。

産科の特徴についても教えてください。

Hf 3 z65278 20250501 012

産科は近藤裕子院長を含め女性医師4人、男性医師1人の5人で硬膜外麻酔による無痛分娩や帝王切開にも対応しています。無痛分娩のニーズは高まっており、経産婦さんからの希望が多いですね。「妊婦さんを主役にしたお産」という信念を実現するべく「バースプラン」にも早い時期から取り組み、希望に寄り添うように努めています。アロマセラピーも取り入れていますので、妊娠中から陣痛、分娩、産後まで、状況に応じた香りやマッサージで心身ともにリラックスしていただければと思います。ホテルのようにきれいな部屋でおいしい食事を楽しむ、今では当たり前となったそうした環境づくりも当院の大きな特徴です。医療の安全性確保はもちろん、妊婦さんに優しい、快適な周産期病院をめざすため、東海地方でも早くから取り組んできたと自負していますし、個人病院ならではのアットホームさも良い雰囲気につながっていると思います。

読者へのメッセージをお願いいたします。

Hf 4 z65278 20250501 032

今は40代で初産をされる方も珍しくない時代になりました。ただ、昔に比べ寿命は延びましたが、妊娠適齢期も延びたというわけではありません。高齢になるにつれ上がる流産や合併症のリスク、帝王切開の確率、また子宮や卵巣、腹壁など体の組織のことを考えるとやはり20代、できれば35歳頃までの初産が望ましいでしょう。その意味では現在は多くの方が「ハイリスク」といえ、より安全なお産を実践していくことがわれわれの使命となります。そのために医師、薬剤師、助産師、看護師、検査技師、管理栄養士、公認心理師、歯科衛生士、アロマセラピスト、調理師、保育士、事務スタッフで一丸となることが非常に大切。チームワークの良さも当院の自慢の一つです。皆、誇りを持って働いており、乳幼児期から妊娠・出産の周産期を経て更年期、老年期まで、長く地域の皆さまのお役に立ちたいと思っていますので、お気軽になんでも相談していただければと思います。

これまでを振り返り思うことや、今後についてお聞かせください。

Hf 5 z65278 20250501 019

生命の誕生は本当に神秘的だと感じます。これまでたくさんの厳粛で感動的な瞬間に立ち会えたことは私にとって大きな喜びであり誇りです。開業以来、当院で生まれた方が妊婦さんになって当院で出産され、またそのお子さんがここを受診される、というふうに2代3代にわたり通っていただける、そんな病院づくりを進めてきました。中には、外来を引退した私に会いに来てくださる方もいてありがたく思っています。今後の目標は、新しい次の世代の先生方に少しずつ上手にバトンタッチしていくこと。これからの時代の妊婦さんのニーズに合った周産期病院として、ハード面ソフト面ともに当院をますます充実、発展させていってもらいたいです。当院では新年会や忘年会、1泊旅行などを毎年行っています。2028年に迎える50周年記念式典も楽しくにぎやかに、職員に喜んでもらえるものにしたいですね。そこでいろいろなメッセージを思う存分伝えたいと考えています。

Hf main z65278 20250501 078

近藤 東臣 理事長

1966年岐阜大学医学部卒業後、名古屋市立大学医学部産婦人科学教室入局。1971年名古屋市立大学医学部大学院修了。名古屋市立大学医学部助手、名古屋市立大学医学部産婦人科学教室医局長などを経て、1978年星ヶ丘マタニティ病院を開業し、院長に就任。2006年医療法人東恵会理事長に就任。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。医学博士。愛知県産婦人科医会会長歴任2012年~2016年。

access.png