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社会医療法人 福西会 福西会病院

(福岡県 福岡市早良区)

山下 裕一 病院長

最終更新日:2023/02/14

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救急医療をルーツに幅広い医療領域をカバー

1970年に川浪病院として開院した「福西会病院」は外科領域の救急医療をルーツとし、現在でも早良区エリアの南側を中心に24時間365日体制で急患を受け入れている。入院を必要としない軽度な外傷をはじめ、重傷の骨折や心不全などにも対応。地域の急性期医療を支える一方、患者が地域で過ごせるようにと在宅医療にも注力している。また女性医師が大腸肛門疾患を専門に診る女性専用の外来の設置や、すべての医師が新型コロナウイルス感染症治療に対応しているなど、特徴的な取り組みも進めている。山下裕一院長は誠実で信頼される医療をめざし、医師やコメディカルスタッフの成長、医療機器の導入を積極的に推進。「患者一人ひとりにとって温かい医療、誠実な医療を提供できるようまい進していきたい。そのためにも地道に一つずつレベルアップさせていくことが重要」と話している。そんな山下院長に、病院の成り立ちをはじめ、特徴的な診療などについてじっくりと語ってもらった。(取材日2022年11月17日)

病院の歴史や理念に込められた想いをお聞かせください。

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当院は1970年、23床の外科病院「川浪病院」としてスタートしました。開院以来、救急医療に携わってきた歴史から、現在も早良区南部エリア一帯の一次救急、二次救急を担っています。2008年には名称を「福西会病院」に変更しましたが、ご高齢の患者さんからはいまだに「川浪さん」と親しみを込めて呼ばれることがあります。当院では「誠実で信頼される医療」を理念に掲げ、地域社会と地域医療に貢献するとともに、積極的な医療・介護連携をめざしています。誠実さというのは人によって受け取るイメージは変わるかと思いますが、私はやはり親切で、地域的にも多いご高齢の方を大切にするというのを一つのテーマにしたいと思っています。平均寿命も延びて入院中の患者さんは90歳代、100歳代も当たり前の時代です。交通事故によるけが、ヘルニアや盲腸などの疾患で入院する若年層はいますが、ご高齢の方の占める割合が高くなっています。

地域における役割について教えてください。

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早良区は南北に細長いエリアで、当院のある南側は高層ビルやマンションが少なく、戸建てや田畑が広がっています。脊振山の麓という田園地帯ですから、比較的高齢者が多く住んでいらっしゃいます。ですから基本としては地域住民の健康を守るというのが私たちの役割だと考えています。特にご高齢の方は主訴だけではなく、複数の病気を抱えているケースがあります。例えば骨折で救急搬送されてきたとしても実は心不全を患っていたり、糖尿病を持っていたりと、さまざまな問題があることが多いのです。それらすべてに対応することが求められますので、幅広い領域をカバーするというのも私たちの使命なのではないでしょうか。まずは主訴をしっかりと治療し、また地元へと帰っていただいて元気に過ごしてもらうことが大切ですから、地域のクリニックとの病診連携、難病や高度医療が必要な場合の病病連携には注力しています。

救急医療と在宅診療に力を入れていると伺いました。

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このエリアにおいては、高度医療が必要な三次救急はすぐ近くにある大学病院などに搬送されますが、それ以外の救急は当院で担当しています。中でも夜間は救急搬送が集中するのですが、一方で「昼間は忙しくて行くことができないから」などの理由で救急医療を利用される、いわゆる「コンビニ救急」といわれる利用が一定数あることが課題になっています。誠実で信頼される医療を実現するためにも、必要な人に必要な時に提供できる救急医療体制を構築していきたいです。また在宅診療は救急医療を行う上で新しい関係が築かれています。当院の在宅診療は通院が難しいということに加え重篤な方が多いですが、それは急変した際すぐに入院の受け入れができるからこそ。救急と在宅が連携することで、スムーズな治療が可能になります。また治療後の受け皿としても在宅を活用し、急性期医療が終わった後に自宅で過ごすことができるようフォローする役割も担っています。

人材育成や医療機器の充実なども重視されているそうですね。

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信頼される医療のためには、病院の質を上げるのが一番です。そのためには3つのファクターがあり、医師のレベルアップ、コメディカルスタッフのレベルアップ、医療機器の充実が挙げられます。医師のレベルアップについては医師が本来の仕事に集中できるようドクターアシスタントを多数配置しているほか、大学病院などから斬新な知識を持った若い医師を招聘することで新たな医療技術を吸収。看護師や技師といったコメディカルスタッフに関してもトレーニングを行い技術を磨いていかなければなりません。また医療機器についてはAIを搭載した内視鏡などを積極的に導入しているのですが、これも診断を専門の医師とAI診断補助の両面から充実していくことが必要。けれど1回でもミスが起こってはならないのが医療です。この3つの要素を合わせることができなければ、信頼できる病院には至ることはないというのが私の考えです。

そのほかの特徴や読者の方にメッセージをお聞かせください。

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当院では患者さんのニーズに応えるため、特徴的な外来を設けているほか、全医師による新型コロナウイルス治療などにも腐心してきました。例えば女性専用の大腸肛門疾患の外来では、女性医師による診療を行っています。男性医師では恥ずかしいという女性もいらっしゃいますが、出産による切れ痔や加齢によって大腸肛門疾患は出てきますからね。医師の育成から注力してきました。また新型コロナウイルス感染症に関しても一般的には専門部署の医師が対応しますが、それでは特定の医師に負担がかかってしまい長期的には問題が生じてきます。そこで呼吸器内科の医師は副担当、主訴に対応する医師を主担当などとし、今ではすべての医師が同じレベルで治療を行えるようになりました。それは私たちがめざす誠実な医療でもあります。患者さんにとって温かい医療、誠実な医療を提供するために近道はなく、一つ一つを積み重ねていくことが重要だと思っています。

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山下 裕一 病院長

1976年久留米大学医学部卒業。福岡大学医学部消化器外科教授、福岡大学病院病院長などを経て、現在に至る。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本超音波医学会超音波専門医、日本内視鏡外科学会名誉会長。

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