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北九州市立八幡病院

(福岡県 北九州市八幡東区)

岡本 好司 院長

最終更新日:2024/05/07

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小児総合医療と救命救急、災害医療を担う

JR鹿児島本線八幡駅から徒歩9分、北九州市八幡東区にある「北九州市立八幡病院」は1930年に設立された歴史の長い病院だ。市内に2施設あるうちの1つの救命救急センターを備え、子どもの風邪症状から予期せぬケガや先天性疾患まで幅広く対応する「小児総合医療」、外傷や急性腹症に対応する外科系領域を中心とした「救命救急医療」、災害拠点病院の役割も担う「災害医療」を3本柱に市民の健康を守る。2022年より院長を務める岡本好司先生は、「24時間365日、子どもたちの安全・安心を守ること」を使命とした小児医療に特に注力していると話す。内科系・外科系の区別なく、小児の重大な疾患に初めの段階から小児科医が積極的に関わり、総合的な視野で対応。また、母子関係、親子関係を重視し、家族で闘病できる支援体制も強化する一方、地域完結型医療を確立すべく「地域医療連携室」を設置。各医療機関と連携し、がん疾患など長期通院を必要とする患者をはじめ、高齢者支援にも取り組む。まさに小児から高齢者まで市民が安心して暮らせる医療の拡充に邁進する同院。岡本好司院長にさらなる同院の特色や取り組みなどを聞いた。(取材日2023年5月16日)

まずは病院の成り立ちからお聞かせください。

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1930年に設立しましたので、90年以上の歴史を持つ病院です。1978年には北九州市内で救命救急センターを併設。さらに2003年には小児救急センターも併設いたしました。2018年に現在の新病院になり、翌年4月から地方独立行政法人「北九州市立病院機構北九州市立八幡病院」となりました。このように、市が運営する病院であることからもおわかりいただけると思いますが、当院は北九州市民のための公立病院です。したがって、地域に根差した地域医療に邁進していくことが当院の使命。これまでも24時間365日、軽傷重症・老若男女問わず、診療を行ってまいりました。当院は北九州市内で最も大きな規模となる救急を含めた「小児総合医療」、外傷や急性腹症に対応する外科系領域を中心とする「救命救急医療」、災害拠点病院としての役割も担う「災害医療」を3本柱に、市民が安心して暮らせる医療の提供に努めています。

まずは救命救急医療について詳しくお話しいただけますか。

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市内にある救急救命の2施設は東西分かれていまして、東地域が小倉周辺を担い、西地域である当病院が八幡周辺地域の救命救急を担っております。また、地域における役割としては、救命救急の中でも特に外傷性疾患もかなりの症例を診ていますし、災害拠点病院として災害医療も担っていますので、この地域になくてはならない病院として日々多くの患者さんの診療にあたっています。八幡東区と西区では大きな病院が5施設あり、それぞれに特徴が異なりますので、症状に適した施設を紹介するなど、うまく連携できていることも、北九州市の地域医療における特徴の一つだと言えるでしょう。当病院は小児医療に注力していますので、風邪や発熱のみならず、重症の白血病や先天性疾患にも対応可能。最近では小児がんを専門的に診療する「小児血液・腫瘍内科」や、放射線よりも体のリスクが少ない超音波検査の部門を立ち上げました。小児科の医師も全国から集結しています。

在籍中、40人以上が小児科の医師だそうですね。

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小児科医は40人以上おり、他の施設と比べてもかなり多い人数だと感じています。小児の疾患も幅広いですから、例えば顔の外傷では傷が目立たないように形成外科的な技術も必要で、経験豊富な形成外科医が複数在籍しています。また、腹膜炎などの命に関わる疾病を起こしている場合も24時間365日救命救急を行っていますので、直ちに腹部の手術が可能です。そしてお子さんはアレルギー疾患も多いため、アレルギーが専門の小児科医を複数人配置し専門の部門を新設しました。アレルギーに長けた知識を持つ皮膚科医もいますので、小児科医と共同してアトピー性皮膚炎をはじめ、アレルギー性鼻炎などより詳しい検査と治療が行えます。さらに、てんかん発作なども手厚く診られるよう、小児神経内科の医師も複数在籍していますし、基本的に心臓手術以外はほぼ対応できる体制が整っています。今後はより医師数を増やし、より充実した診療を行いたいと考えています。

がん疾患や高齢者医療にも注力されているとお聞きしました。

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私は約40年消化器外科を専門にやっており、この病院に来てからは肝臓がん、胆のうがん、膵がんなどの悪性疾患とともに急性胆のう炎、急性胆管炎、急性膵炎など、消化器疾患にも注力しています。早い段階に腹腔鏡手術も行っていましたので、その技術を学びたいと私のもとに訪れた医師も多く、育てていた彼らと一緒にこの病院も育ててきました。今、消化器外科の手術の約9割が内視鏡手術。その技術は高いレベルであると自負しております。緊急手術も腹腔鏡下手術で行うことが多く、特にお子さんは傷が残らないように内視鏡手術を選ぶことがスタンダードになっています。おへそを少し切開するだけですので、急性虫垂炎など、傷口はほとんどわかりませんから、親御さんもお喜びになられるのではないでしょうか。先進的な医療の実施には機器の導入も不可欠です。当院にはさまざまな検査・治療・手術が行えるハイブリッド手術室もあり、高度医療の提供も可能です。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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当病院では幅広く専門性の高い医療をお届けすることが市民の皆さまからも求められておりますので、それにお応えするために人材の確保は必須だと思っております。また私自身の経験も生かし、後進の育成にも力を入れ、教育体制の構築、そして救命救急医療も行っております。さらに医師をはじめとするスタッフのメンタル面にも配慮した労働環境づくりにも重点を置き、社会に貢献できる、そして市民に信頼される病院を築けるよう、努めてまいりたいと考えています。超高齢化社会となった今、病院完結型医療から地域完結型医療への転換には、各施設との連携なしでは成し得ません。予期せぬ新型コロナウイルス感染症の流行で、医療現場もひっ迫したものの、地域のクリニックの先生とより絆が深まり、しっかりと連携できる体制ができたのではないかとも感じております。当病院は市民の皆さんのための病院です。24時間365日、困ったときはいつでもご利用ください。

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岡本 好司 院長

1985年産業医科大学卒業。1992年に産業医科大学大学院を修了後、同大学第1外科学准教授を務める。2011年に北九州市立八幡病院に勤務し、2022年4月より現職。「救命救急」「小児総合医療」「災害医療」を3本柱に救急医療の拡充に努める。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。

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