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医療法人真栄会 にいむら病院

(鹿児島県 鹿児島市)

新村 友季子 理事長

最終更新日:2022/03/07

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泌尿器科の専門家集団が幅広い症例に対応

地域の健康を支える泌尿器科専門の医療機関であり、前立腺がん治療の分野でも知られる「にいむら病院」。「地方であっても最先端の医療を届けたい」と1980年に同院を設立した初代院長の思いは、その娘である新村友季子理事長に現在受け継がれている。何よりの強みは、泌尿器科、放射線科、麻酔科が三位一体となった、質の高さを重視したチーム医療だ。検査・診断・治療に至るまで、各科のスペシャリストが密に連携。多岐にわたる泌尿器疾患に対し、ロボット支援による手術やレーザー治療、経尿道的手術などさまざまな方法で治療を行う。さらに新村理事長は、泌尿器科への受診ハードルを下げるために女性泌尿器科外来も開設。「女性の患者さんが受診しやすい環境は、同じく女性である私がつくろうと考えました」と話し、膀胱炎や骨盤臓器脱なども丁寧に診療している。地域のニーズをくみ取り、新たな医療技術も積極的に取り入れる同院。その具体的な取り組みや、泌尿器科診療に対する思いを新村理事長に聞いた。(取材日2022年1月26日)

初めに、病院設立の経緯について伺います。

1

当院は、初代院長である私の父新村研二が1980年に設立した泌尿器科専門の病院です。父は慶応義塾大学を卒業後、実家のある鹿児島に戻って診療を行っておりました。そこで現在よりもずっと大きな東京・鹿児島間の医療格差を目の当たりにし、先端の医療を鹿児島でも普及させたいと考えたのがきっかけと聞いています。父はとりわけ、当時はまだ鹿児島には広まっていなかった泌尿器科領域の外科手術に積極的に取り組んでまいりました。私は2008年に当院に入職し、2016年に理事長に就任しましたが、父とともに仕事をする中で医療に対する信念や診療方針は踏襲してきたつもりです。泌尿器科は分野が広い上に、診断から治療までのすべてのプロセスを単科で担います。だからこそ、患者さんに「できません」と言うことがないように、あらゆる泌尿器科疾患に対応できる医療機関をめざしています。

女性泌尿器科外来を開設されているそうですね。

2

はい。こちらは私がメインで診療をしており、月に1回、東京女子医科大学や岐阜赤十字病院、鹿児島大学の婦人科の先生が応援で来てくださっています。女性の泌尿器科医師の数は、全国的に見ても少ない状況です。扱う臓器を考えると、患者さんも医師も男性が多いのは当然かもしれません。ただ、その中で私ができることを考えたとき、外来開設によって女性患者さんの泌尿器科に対するハードルを下げられるのではないかと思ったんです。2014年の開設後、ありがたいことに女性の患者さんはかなり増えました。受診時の配慮として、当院では1階を一般外来、2階を女性泌尿器科外来のフロアとし、入り口から動線を分けています。待ち時間から検査、診察までのすべてが2階で完結しますので、安心してお越しいただけるのではないでしょうか。膀胱炎や過活動膀胱、骨盤臓器脱などの女性に多く見られる疾患を、同じ女性である医師が専門的に診療できる点は強みです。

ほかにも、診療における強みや特徴はありますか?

3

まず、前立腺・腎・膀胱のがんや骨盤臓器脱といった幅広い疾患に対し、ロボット支援による手術を保険診療で実施しています。中でも骨盤臓器脱のロボット手術に早くから注力しており、数多くの症例に携わってきたという自負があります。従来の手術よりも傷口が小さく、出血量も少ないため、回復するまでの時間もその分短いのが何よりのメリットです。ロボット支援手術は手術手技習得のしやすさから、手術に対応できる医師が増えるという意味でも良い方法だと考えています。現在は近隣病院をはじめ全国でロボット手術が普及しておりますので、より多くの患者さんに知っていただき、先端の医療の恩恵を受けてもらいたいですね。ほかにも、泌尿器科独特な尿道に内視鏡を挿入して行う経尿道的手術に対応しており、膀胱内のがんを削ったり腎臓の結石を砕いたりすることが可能です。また良性疾患に対しては、複数種類のレーザーを使い分けながらアプローチしています。

「チームにいむら」の連携体制や雰囲気も教えてください。

4

常勤医師は泌尿器科が6人、麻酔科と放射線科が2人ずつの計10人おり、診療にはどの科の力も不可欠です。特にCTやMRIを使った診断では、泌尿器科のためだけに放射線科の先生が実力を発揮しています。当院では前立腺がんの発見率を高めるため、MRI画像と超音波画像を融合できるシステムを搭載した機器を導入しています。しかしそのシステムも、正確に画像を読む力を持つ放射線科の先生に疑わしい箇所を指摘してもらわないと適切に活用できないのです。麻酔科の先生も、私たちが常に安全に安心して手術をしやすいように配慮してくれるので助かっています。もちろん泌尿器科も、患者さん思いな良い先生ばかりです。私は毎朝全患者さんを回診し、患者さんと接する姿をコメディカルスタッフに見せていますが、接遇面での心がけがみんなに伝わっていればうれしいです。また、地域間の連携体制も整えており、放射線治療は市内の相良病院と提携しています。

今後の医療を見据えた展望と読者へのメッセージをお願いします。

5

がん治療において、近年新たな治療薬が次々に誕生しています。従来の抗がん剤以外に、免疫チェックポイント阻害薬や、抗体薬物複合体、遺伝子異常に特化した薬剤などの選択肢が現れました。がん薬物治療が劇的に変化する時代に医療に携われる幸運を感じつつ、当院のがん治療も進化させていく必要があると考えています。薬によって、今よりも確実にがんを治療できる未来が来る。そう思うと、近未来の手術は尿路結石症や骨盤臓器脱などの良性疾患や機能性疾患に対して、より可能性が広がっていくように感じます。これからも地域の役に立ち続けられるよう、人員の確保に努めつつ、研鑽に励んでまいります。また近隣住民の方には、恥ずかしがらずに泌尿器科を利用していただきたいです。泌尿器科は男女問わず診察に抵抗があると思いますが、排泄は食事と同じくらい「生きることの基本」です。気になる症状があれば、専門家集団のいる当院へぜひお越しください。

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新村 友季子 理事長

2006年鹿児島大学医学部卒業。鹿児島市医師会病院で2年間の臨床研修を受けた後、2008年にいむら病院入職。初代院長である父から多くを学び、2016年より現職。常に患者の立場からより良い治療法を提供するのがモットー。女性泌尿器科外来も開設し、女性の泌尿器科医師として親身に診療にあたる。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。

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