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鹿児島市医師会病院

(鹿児島県 鹿児島市)

大迫 政彦 病院長

最終更新日:2023/12/07

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一人ひとりに必要な医療を見極める案内役

「急性期の患者の受け入れ病院を作りたい」という思いを出発点に、鹿児島市医師会の共同利用施設として1984年に開院した「鹿児島市医師会病院」。同会の会員であるかかりつけ医などから紹介を受けた患者を対象に、16の診療科を掲げる総合病院として、急性期から在宅療養支援、緩和ケアまで包括的な医療を提供している。大きな特徴は、地域における「高度医療の入り口」を担っていることだ。二次救急医療機関として紹介患者に速やかに対応し、より高度な治療が必要な場合は高次医療機関への橋渡しを行う。そのために、『「断らない」を実践できる環境整備』を合言葉に、「緊急受入患者登録制度」を整える他、地域包括ケア病棟、緩和ケア病棟にも力を入れ、多様な面から患者を支えている。同院で長年消化器領域の診療を担い、2022年に6代目院長に就任した大迫政彦病院長に、病院の特徴や地域医療にかける想いについて話を聞いた。(取材日2023年11月8日)

まずは病院の成り立ちについて教えてください。

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開院は1984年ですが、構想段階から数えると約50年になります。当時はこの地域で急性期の患者さんを受け入れる病院が少なく、鹿児島市医師会の会員自ら、自分たちの診療所が閉まった夜間でも対応できる病院を作りたいと考えたところから始まりました。開院にあたっては「自分たちが作った自分たちの病院」として、執行部を中心に会員の先生方にご尽力いただいたと聞いています。その後病院の在り方は時代とともに変わりましたが、「医療を通じて地域社会への貢献」「専門性を追求した地域医療の推進」「会員ニーズに応えた診療体制の充実」「予防医学と医療人教育」という基本方針のもと、かかりつけ医の先生方と連携し、ご紹介を受けた患者さんを診るスタイルは変わりません。九州の「地域医療支援病院」の先駆け的存在であるのも、地域の患者さんのために、当初から病院と診療所が医療連携する「病診連携」を進めてきた原点があるからだと思っています。

地域医療において、どのような役割を担っているのですか?

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地域のニーズに応える医療を提供しています。「断らないを実践できる環境整備」をめざし、地域における高度医療の入り口であることは大きな特徴でしょう。地域医療を支える医師会が設立した背景もあり、現在でも外科や婦人科の手術に紹介元の先生が一緒に入ることもあります。かかりつけ医との連携はさまざまな面で行っており、「緊急受入患者登録制度」もその一つです。これは、かかりつけ医を通じて登録し、定期的に病状の情報を共有して緊急時に備え、必要があれば入院していただく仕組みです。他にも「地域包括ケア病棟」など、急性期を過ぎた患者さんを包括的な医療でサポートする役目や、予防医療として人間ドックの提供、災害拠点としての機能も担っています。災害時対応については、県内でも早期にDMAT(災害派遣医療チーム)を立ち上げた病院として、東日本大震災などで活動し、熊本地震ではJMAT(日本医師会災害医療チーム)も派遣しました。

特に力を入れている分野・取り組みを教えてください。

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緩和ケアは注力する一つです。人生の最期をどのように迎えるかは、現在、社会的にも大きなテーマになっています。そこで診療科を再編する中で、一部の病棟を緩和ケア病棟に改編しました。「最期はここで看取ってほしい」とおっしゃる患者さんと、「その声に応えたい、最後まで当院で診させていただきたい」という私たちの思いからできた病棟です。緩和ケアは、高度急性期を柱にする医療機関ではなじまない分野かもしれないと思っており、実際、鹿児島大学病院や鹿児島市立病院からのご紹介が多い状況ですね。緩和ケア病棟に入っても、一定の要件を満たせば、「今だったらうちで過ごせるね」と自宅で過ごしていただくことも可能です。また、当院の医師がご自宅で看取りを行うケースも出てきており、少しずつ増やしていけたらと考えています。県内でも緩和ケアを専門的に行う医療機関はまだ十分ではないので、人材育成も含めて力を入れていきたいと思っています。

院長が診療で大切にしていらっしゃることをお聞かせください。

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立場上は医者と患者でも、一対一の人と人として、関係を築いて治療に臨むことを心がけています。信頼関係の上に成り立つ医療、と言ったらおこがましいかもしれませんが、それが基本ではないでしょうか。そのために気をつけているのは、患者さんに言葉を崩して接しないということです。そこをしっかりしないと関係も崩れてしまうと思いますし、言葉遣いについてスタッフに話すこともあります。また、当院の特徴である、各診療科の垣根が低いことも大切にしていきたい点ですね。人材育成として実習の学生や臨床研修医を受け入れていますが、一つの医局の中で顔が見える規模だからこそ、互いに話しやすく医療従事者をみんなで育てる雰囲気があります。これは患者さんにもメリットが大きい特徴でしょう。というのも、院内の連携がスムーズにできる環境かは病院によっても違うからです。初代院長から引き継いできたこうした強みを今後も生かしていけたらと思います。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

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私が当院に入職したのは開院翌年の1985年、医師として4年目の時でした。以来病院の立ち位置は変わりましたが、必要な医療を見極める「案内役」として、当院で診られれば当院で、高次医療機関が適切であれば紹介する役目を今後も果たしていきます。患者さんをご紹介いただく先生方にも、当院が診療所から高度急性期病院への橋渡しをする、入り口となれる病院だとご理解いただけたらありがたいですね。また緩和ケアについては、まだ広く認識されていないとも感じますが、難しく考える必要はありません。病気をして状態が悪くなった時ではなく、病気が始まった時、さらに元気な時から自分の人生を見つめ、どう生きるか考えていただけたらと思います。医療者としては、最期の時をお互いに見つめ合えるような、できる限り満足していただけるような医療を提供することが願いです。急性期の医療も含め「来て良かったな」と思っていただけるように努めていきます。

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大迫 政彦 病院長

1982年鹿児島大学医学部卒業後、麻酔科を経て、1985年に同院の外科に入職。以来、消化器外科を専門に診療にあたるとともに、診療部長などを歴任。2022年6月に6代目病院長に就任。IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)の研究により医学博士号取得。約40年にわたって地域の患者・医師のニーズに応える医療に携わり、ソフト面で満足してもらえるような医療にも心を砕く。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/2万9315円~

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