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社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院

(岐阜県 羽島郡笠松町)

松波 和寿 病院長

最終更新日:2023/04/13

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救急医療やがん治療から在宅医療まで

笠松競馬場近く、雄大な木曽川を望む立地に南館、北館、東館の3棟を持つ「松波総合病院」は建つ。120年以上にわたる歴史の中で、伝統を重んじつつさまざまな新しい医療にも積極的に取り組む民間病院として地域医療に貢献を続けてきた。近隣の総合病院や開業医と連携しながら、「患者さんが家から近いところでさまざまな医療・介護サービスが受けられるように」との考えに立ち、救急医療や高度急性期医療のみならず回復期のリハビリテーション、訪問看護、訪問介護にも力を入れ、地域完結型医療の拠点としての体制をつくり上げてきた。救急告示医療機関、地域災害拠点病院として、さらにがん治療も多く行う病院として地域における存在は大きい。松波和寿病院長は、「これからの医療は、患者さんの生き方とともに死生観も大事にすることが求められます」とより患者の一生に寄り添う方向性を見据える。現状におごらず、患者のためになる新しい医療や技術を模索しつづける同院の特徴や今後の展望についてさまざまに聞いた。(取材日2023年3月1日)

こちらは歴史ある病院と伺っています。

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当院は2023年で開院121年目になります。明治時代、1902年に曽祖父松波英太郎が岐阜ではまだ少なかった外科病院を始めました。英太郎は今の京都大学出身で、病院を売り払って費用を工面しドイツの大学に留学、先進の技術を学んだと聞いています。後年、現・理事長である兄が同じ大学を訪問したのですが、曽祖父の学位を証明する書類が今も保管してあったそうです。昭和になって祖父がまた病院をつくり、父が後を継ぎ、これまで民間病院としては珍しい生体肝移植や当時は数少なかった体外受精など新しい医療にも積極的に取り組んできた歴史があります。平成の時代になって南館が、そして2014年に北館が建設されました。現在、南館は慢性期と回復期の患者さんを、ヘリポートやハイブリッド手術室のある北館は救急や急性期治療が必要な患者さんを対象としています。現在は、がんに対する放射線治療を行う新たな施設を計画中です。

救急・高度急性期医療から回復期まで幅広く対応されていますね。

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めざすのは、地域包括ケアの要となる日本一の民間病院になることです。救急告示医療機関として高度急性期治療を行い、慢性期を経て回復期リハビリテーション、そして訪問看護、訪問介護まで一貫して対応できるようにするため、早い時期から介護老人保健施設もつくりました。都会ではさまざまな施設が点在しているので病態に応じて医療機関を変えることができますが、田舎ではそうはいきません。患者さんにとっては家から近いことがまず重要なので、地域内で一貫して対応できる仕組みをつくりたかったのです。かといって当法人で患者さんをすべて抱え込むということではありません。岐阜は病病連携、病診連携ともにうまくいっている地域だと思っています。また当院では、病気になってからだけでなく、人間ドックや健診など予防にも力を入れています。さらに近隣の方も職員も使えるスポーツジムを造りたいと考えていて、現在設計案を練っているところです。

独自の病院救急車や災害医療についても教えてください。

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当院では独自に病院救急車を所有しています。クリニックと協力し、緊急治療を要するまでもないけれどもさらなる診察、治療が必要と判断された患者さんを迎えにいき当院へ搬送するもので、消防救急車の適正利用をめざしたものとなります。実は病院救急車は私の子ども時代、祖父の頃からセダンを改造して導入していました。当時は今ほど消防救急車の数が多くはなかったですし、交通事情が良くなく事故が多かったという事情があったようです。災害医療については地域災害拠点病院として災害派遣医療チーム(DMAT)を有し、これまで東日本大震災をはじめ各地の災害地で医療支援を行ってきました。今後もし南海トラフ巨大地震が起これば被害は甚大で広範囲に及ぶでしょう。海辺から岐阜に運ばれる患者さんが多いことも予想されますのでそのときには任務を全うしたいと考えています。現在、ドクターヘリは郡上市や飛騨などから緊急の患者さんを受け入れています。

がん治療も注力されているそうですね。

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はい。がん治療は主として薬物療法、放射線治療、手術療法があります。当院では専門の医師をはじめ日本看護協会がん看護専門看護師、日本看護協会がん放射線療法看護認定看護師、日本医療薬学会がん専門薬剤師、相談員などを含む専門的なチームでサポート体制を整えています。手術においては腹腔鏡下手術、ロボット手術にも対応しています。昨今はがんのみならず複合的な疾患を持つ患者さんが増えていますが、病院ならではの多数の専門科とその枠を超えた連携力を生かし、総合的に治療を進めていきます。また2022年には温熱療法機器を導入しました。高周波を利用して体の深い部分のがん組織を加温し、がん細胞の壊死(えし)・縮小をめざすもので、手術や化学療法、放射線治療と併用することで治療効果が期待できます。免疫療法も行っているほか、将来的には東洋医学なども取り入れていきたいと考えています。

今後の展望についてお考えをお聞かせください。

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これからの医療はどんな治療を受けてどう生きるかということと同時に、どのように死を迎えるかといった死生観も大事にする必要があるでしょう。当院では患者さんがその人らしい人生を歩み、死を迎えるまで、地域で長く寄り添っていきたいと考えます。新しい医療も患者さんのためになるのであれば積極的に取り入れていきたいですね。例えば呼吸器内科においては胸部エックス線画像のAI診断をすでに始めており、外科も含めた専門部門を立ち上げました。先月からはMRI画像を外部から見て診断できる装置も導入しています。さらにはVRで臓器を立体化して見る装置の活用も準備中です。また先の話ですが、若い人ががんになった場合のがん・生殖医療の分野にも取り組みたいですね。しかしどんなに新しい良い機器があったとしても良い人材がいないと良い医療はできません。「人は宝」であり職員は大事な存在。職員が誇りを持って働ける病院でありたいと思います。

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松波 和寿 病院長

1983年東京医科大学卒業、岐阜大学医学部婦人科医局入局。高山赤十字病院、岐阜市民病院、岐阜県立下呂温泉病院、多治見市民病院などの勤務を経て松波総合病院産婦人科部長、副院長を歴任し2016年より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医 。現在は不妊症治療に注力する。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/3万800円(税込み)~

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