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社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院

(岐阜県 羽島郡笠松町)

松波 和寿 病院長

最終更新日:2026/03/12

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地域包括ケアの要として救急から在宅まで

雄大な木曽川を望む立地に堂々とした姿を見せる「松波総合病院」。明治時代から120年以上の歴史がある病院で、時代のニーズに応え新しい医療も積極的に取り入れてきた。2025年、救命救急センターが設置され、重症患者をメインに受け入れる第三次救急医療機関に。同年、新しく西館が完成し、先進の放射線治療機器を導入するなど、がん治療にもより力を入れている。西館では人間ドック・健診センターを拡大し、フィットネスクラブを設けるなど、治療だけでなく予防にも重点を置いていることが特徴だ。一方、都会のように医療機関が多くあるわけではない地域性を鑑み、回復期リハビリテーション、訪問看護、訪問介護にも積極的に取り組む。「究極の目標は、地域包括ケアの要となる日本一の民間病院となることです」と話すのは松波和寿病院長だ。兄である理事長と並ぶアイデアマンで、地域のため、患者のためになることであれば即時導入するという行動力も。インタビュー中、笑みを絶やさず、「住みやすく、最期まで安心して暮らせる町に」と信念を語る院長。ガラス張りで開放感のある病院長室でさまざま思いを語ってもらった。(取材日2026年1月28日)

長い歴史を重んじつつ、新しい試みを次々とされていますね。

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当院は明治時代に曽祖父松波英太郎が開設し、2027年に125年目を迎えます。英太郎は病院を売り払って費用を工面しドイツの大学へ新しい技術を学びに行ったほどの人物。昭和になって祖父がまた病院をつくり、兄である現理事長の英寿は生体肝移植、私は体外受精などにも取り組んできました。1988年に南館、2014年に北館を開設、2025年には西館が完成しました。健康寿命の延伸・医療費削減をめざした運動療法の一環を担うべく、フィットネスクラブと多目的室を併設。特に術前術後の運動は体力、免疫力を向上させ、合併症や病気の再発率を下げることが望めます。また、西館の大きな特徴は先進のがん放射線治療機器の導入です。より患者さんの負担が少なく精密にがん細胞に照射できるようになりました。さらに現在は犬のみですが、入院患者さんのペットを預かるサービスも始めました。院内では独自のDXも進め、業務の効率化に努めています。

2025年、救命救急センターが設置されました。

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地域がん診療連携拠点病院、救命救急センターの両方に指定されるのは民間病院では少ないと思います。重症の患者さんの救急搬送が増えましたので、今まで以上にしっかりと高度急性期治療を行っていきたいですね。慢性期を経て回復期リハビリテーション、そして退院後まで一貫して対応できるようにするため、介護老人保健施設と連携し、訪問看護、訪問介護も行ってきました。こちらから在宅診療にも出向きます。岐阜県は病病連携、病診連携ともにうまく展開されている地域ですので、当院で患者さんを抱え込むのではなく、協力し合って患者さんを支えていきたいと思います。岐阜大学医学部附属病院など市内の病院はもちろん、海津市医師会病院、美濃市立美濃病院、羽島市民病院とも円滑に協力しています。

がん治療にも注力されているそうですね。

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はい。がん治療は主として薬物療法、放射線治療、手術療法があります。当院では専門の医師をはじめ日本看護協会がん看護専門看護師、日本看護協会がん放射線療法看護認定看護師、日本医療薬学会がん専門薬剤師、相談員などを含む専門的なチームでサポート体制を整えています。手術においては腹腔鏡下手術、ロボット支援手術にも対応しています。2022年には高周波を利用してがん組織を加温しがん治療を行う温熱療法機器を導入しました。最初にお話しした新しい放射線治療機器も含め、手術などと併用することでより効率的な治療をめざします。2025年には婦人科内視鏡の専門部門を開設。内視鏡のスペシャリストによる、悪性腫瘍に対する腹腔鏡下手術も新たに開始しています。今後は、若い世代ががんになった場合のがん・生殖医療の分野にも、岐阜大学と協力して取り組みたいと考えています。

他にも特色があれば教えてください。

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あまり知られていないことですが、患者さんが病死されたときに、ご遺体を病理解剖させていただく剖検に数多く対応しています。剖検は、病気の原因や経過を調べる最終的な検査であり、悲しみに暮れるご遺族に申し出るのは、どの医師もたいへんつらいものがあるでしょう。それでもご快諾いただけるよう、患者さんやご家族と主治医との間に信頼関係を築けるよう、日々の診療に努めています。ご遺族の思いを大切に、剖検の結果を今後の医療に役立てていきたいと考えます。また他の特色として、当院は、基幹プログラムを持っている内科、総合診療、外科、産婦人科、麻酔科、救急科、形成外科をはじめ、その他の診療科も大学病院等と連携し、若手医師の育成にも力を入れています。個人的には、私の子どもを含め親族の若い医師たちが、現在、各地の病院で研鑽を積んでいて、いずれ当院に入職してくれることと思います。当院を次世代につなぐことも私の大事な仕事です。

お話から、地域や患者さんに対する先生の思いの深さを感じます。

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この地域は私が生まれ育った町であり、地元への思いは曽祖父、祖父、父から自然に受け継がれてきたと思っています。「住みやすい町」も大事ですが、これからは「安心して人生の最期を迎えられる町」というのも大事。当院は、地域包括ケアの要となる日本一の民間病院となることを目標に、さまざまな取り組みを行ってきました。これからも、救急医療から在宅医療まで一貫してサポートし、患者さんがその人らしい人生を歩み、死を迎えるまで、地域の各機関と連携しながら長く寄り添っていきたいと思います。このことは職員にもよく話していて、皆、そうした思いを持って患者さんに接してくれています。職員は大事な存在であり、職員が誇りを持って働ける病院であり続けたいですね。現在、地域では高齢の方が増加しています。これからも、皆さまのニーズに寄り添いながら、新たな医療のかたちを模索し、積極的に取り組んでまいります。

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松波 和寿 病院長

1983年東京医科大学卒業、岐阜大学医学部婦人科医局入局。高山赤十字病院、岐阜市民病院、岐阜県立下呂温泉病院、多治見市民病院などの勤務を経て松波総合病院産婦人科部長、副院長を歴任し2016年より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。現在は不妊症治療に注力する。高い知識と豊富な経験から、若手医師への教育や研修にも力を入れる。

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