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独立行政法人地域医療機能推進機構 可児とうのう病院

(岐阜県 可児市)

梶田 泰一 病院長

最終更新日:2024/05/17

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公的医療機関として地域医療と介護に尽力

可児川駅からすぐ、介護老人保健施設や訪問看護ステーションを併設する「可児とうのう病院」は、地域に根差した医療で市民の健康を支える公的病院だ。開業医や近隣市の大規模病院とも密接に連携し、適切な医療の提供に力を尽くしている。患者層は長年可児市で暮らす高齢者をはじめ、子どもから大人までさまざま。外国籍居住者も多いことから、通訳スタッフも配置している。2023年4月に就任した梶田泰一病院長は「長年勤務する看護師が多く、スタッフそれぞれが愛情を持って患者さんやご家族と接しています」と胸を張る。最近では、認知症や物忘れに関する外来も開設。医療ニーズに柔軟に応え、病気の早期発見・早期治療につなげている。常に地域を見据え、必要な医療や介護の在り方をスタッフとともに模索する梶田病院長に、同院の特徴や医療にかける思いを聞いた。(取材日2024年2月22日)

貴院の特徴や力を入れる診療について教えてください。

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当院は前身から数えると70年以上の歴史のある病院で、現在は「地域に密着した安全で信頼される医療と介護」を理念とし、診療を行っています。この地域は高齢者の方の数が全体の約4割を占めるほどで、単に「治す」ためだけでなく、生活や人生にも目を向けた診療が求められます。患者さんやそのご家族が、何か困ったときに駆け込める場所であり、日常に戻っていただくためのサポートを行う、そんな地域密着型の医療を提供しているのが当院の特徴です。外来や入院、健診などで多くの患者さんがいらっしゃいますし、白内障の手術や肺炎の治療、あるいは泌尿器科における尿路結石の内視鏡手術など、高齢者の方に多かったり、悩む人が多かったりする疾患の手術・治療にも積極的に取り組んでいます。一方で、ロボット支援下手術や放射線治療などの高度で先進的な医療が必要な場合は、中部国際医療センターや岐阜県立多治見病院などに患者さんを送ることもあります。

医療の立場から、街づくりにも参加されていると聞きました。

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可児市では、地域の医療・介護の専門職による連携推進の取り組みプロジェクト「かけそばネット」が展開されていて、月1回のカンファレンスなどに当院も参加しています。可児市では以前から市民公開講座も開催していて、最近では地域で医療に携わる医療従事者が講師として登壇するようになりました。講座を通して「なにかあったらあの先生にお世話になろう」といったきっかけを生み出せていたら幸いです。街、地域といった観点で言えば、手前みそではありますが、当院のスタッフはみんな地域への思いにあふれています。とても愛情深く仕事に向き合っていて、例えば看護師は自分の家族と接するように患者さんやご家族に寄り添っています。初めて看護の場面を目にした時は、その姿勢に本当に驚きました。スタッフ間の意見交換もとても活発です。「患者さんのため、ご家族のため」と思い、熱意を持って医療に取り組むスタッフがそろっていると感じますね。

最近では、認知症や物忘れに関する外来も開設したそうですね。

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私が市民公開講座で認知症をテーマにお話しさせていただいたことで、相談を希望する声が挙がり、要望にお応えしたいと2023年10月に専門の外来を設けました。ご相談があった際、私が問診や長谷川式認知症スケールなどを用いて評価します。外来診療を通して、改めて当院は地域に暮らす皆さんから信頼されているのだろうなと感じました。むやみに薬を出すなど乾燥無味な診療をしていたら、「ちょっと相談してみよう」という気持ちにはならないと思います。先人の方々が築き上げた信頼関係があるからこそ、われわれも地域医療に力を尽くし続けられるのだと思います。

高齢者医療に対するお考えをお聞かせください。

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高齢化に伴い、不調を抱え医療を求める人が増える一方で、適切な道筋が整っておらず急性期病院や救急医療の現場に負担が偏ってしまうといったことが全国的に課題となっています。幸い当院のある中濃地域は身近に急性期病院が複数あり、医師会の働きかけもあって開業医の皆さんを含め地域全体で医療連携がしっかり構築されていると感じます。また、高齢者の健康的な暮らしを支えるためには、在宅看護・医療や介護の領域にも目を向けないといけません。地域包括ケアシステムにおいて、在宅医療は欠かせないピースの一つですから。当院では併設施設を通じて訪問看護、介護の領域にも力を注いでおりますが、より一層の充実が求められていると感じます。

今後はどのような展望を見据えていらっしゃいますか?

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専門的な治療や手術に対応する泌尿器や眼科、整形外科などは引き続き急性期医療に対応し、将来的には専門部門を立ち上げていけたらと考えています。一方で、高齢者の医療をより良いものにするためにも、慢性期医療との両立も図っていきたいと考えています。特に、慢性期医療において看護師の力は不可欠です。ベテラン看護師の看護に対する姿勢やノウハウを次の世代にも引き継ぐなど、医療に携わる人たちの成長も後押ししていきたいと考えています。そしてゆくゆくは在宅医療にも挑戦できたらと考えています。訪問看護、訪問診療がそれぞれシームレスに連携しやすくなることで、在宅療養する患者さんとその家族に一層寄り添った医療が提供できるのではと思います。未来を見据え、当院にできることは何かを模索し続けていきたいです。

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梶田 泰一 病院長

1984年名古屋大学医学部卒業。名古屋掖済会病院で6年間にわたり、脳卒中や頭部外傷などの救急医療の経験を積む。その後、同大学医局に帰局し、脳血管疾患の研究に携わる。1995年に米国・ワシントン大学に留学。帰国後はパーキンソン病やてんかんの手術を専門に技術を磨く。2016年名古屋医療センターに赴任し、2022年には副院長を務める。2023年可児とうのう病院病院長に就任する。

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