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岐阜県厚生農業協同組合連合会 中濃厚生病院

(岐阜県 関市)

勝村 直樹 病院長

最終更新日:2024/03/08

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救急医療やがん治療を担い、地域連携にも力

鵜飼や刃物産業といった伝統的な文化や産業が残る岐阜県関市。「中濃厚生病院」はその中心部、市役所の近くに立つ。前身は1948年に開設した岐阜県産業会中濃病院で、2000年に現在地に移転、2005年に現在の病院名に改称した。岐阜県中南部に位置する関市・美濃市・郡上市からなる中濃エリアの医療を担い、さらに岐阜市北部や美濃加茂市西部からの患者も受け入れる。現在は495床を有する地域の基幹病院として、増え続ける救急医療やがん診療に十分な体制でもって対応している。一方で、小さな病院だった頃からのアットホームな雰囲気も魅力の一つ。勝村直樹病院長は同院に30年以上勤務しており「今も和やかな雰囲気は引き継がれていますね」と穏やかな笑顔を見せる。2023年4月に病院長に就任し、「患者さんの健康、幸福に貢献することはもちろん、職員にもやりがいや幸福を感じられる病院にしたい」と抱負を語る。地域のコミュニティの中心として、「地域住民からの求めに、常に応えられる病院」となることをめざす勝村院長に、同院の特色や強みを聞いた。(取材日2023年11月1日)

こちらの病院の特徴を教えてください。

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当院は岐阜県中南部に位置する中濃医療圏の基幹病院として、関市、美濃市、郡上市といった長良川上~中流域沿いの住民の方々の診療を行っています。多くの皆さんに安心していただけるように地域に密着した医療を当院ですべて提供しようということで、1次医療から2次医療、3次医療まで幅広く診られる体制を整えており、救急搬送は右肩上がりで増えています。また、時間との勝負となる心血管、脳血管疾患に対して、夜間でも緊急のカテーテル治療に対応できる体制をひいております。さらに今は、以前はなかった小児科の医師による当直を始めており、夜間の小児救急への対応も充実させました。今後はNICU(新生児集中治療室)の整備や産婦人科との連携を強化し、中濃医療圏での小児救急の拠点病院となることをめざしたいと考えています。

がん治療にも注力されていると伺いました。

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がんの患者さんは年々増加し、1人で複数のがんを持っている方もおられます。私は消化器内科が専門で、食道、胃、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓のがんの薬物治療に長く携わってきました。今は医療の進歩により進行がんでも治癒が望める時代となってきました。当院は手術、放射線治療、がん薬物療法、免疫療法などがんそのものに対する標準治療はもちろん、付随する問題の解決に取り組む緩和ケア体制も整え、2020年に地域がん診療連携拠点病院に指定されました。がん遺伝子プロファイリング検査(遺伝子パネル検査)も行い、個々のがんの遺伝子異常をターゲットにした治療に結びつくよう努めています。また、現在はどんな人がどんながんになるリスクが高いかわかってきていますので、生活習慣をチェックしてリスクを確認できるパンフレットを作り患者さんや開業医さんに配布しています。病気の早期発見に努めることはこれからの病院の役割でもあると思っています。

地域連携について教えてください。

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当院は3次救急病院ですが、地域に根づいてきた歴史もあり、かかりつけ医の紹介状のない方も多く来られていました。しかし、紹介受診重点医療機関の指定を受け、今まで以上に紹介率・逆紹介率を上げることが課題です。かといって急性期医療しかしないわけではなく、特に高齢の方は慢性疾患をお持ちですので、当院での治療後も地域の開業医さんや介護、福祉分野との連携が必要です。そこで始めたことの一つが「地域連携10年手帳」です。患者さんの5~10年先を見据え今何が必要か、今後どう経過観察をしていくとよいか、歯科も含む医療、福祉のすべての人が手帳によってその方の情報を共有し、適切なサポートをしていこうというものです。また、診療情報提供書には返信用はがきをつけ、情報提供書の内容についてご意見を返送してもらうことも始めました。このように地域の医療リソース・社会福祉リソースとの積極的な結びつきは重要なことととらえています。

30年以上勤務されている先生から見たこの病院の良い点とは?

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良い点は、田舎の病院ですので、患者さんもスタッフも人あたりがやわらかく、ほのぼのしているところでしょうか。私が着任した当時は今より小規模で医師は20人ほど。スタッフ全員の顔と名前がわかり、勤務後はさまざまなコメディカルスタッフと和気藹々と夜遅くまで過ごすなど仲が良かったです。今は常勤医師だけで120人ほど、スタッフは非常勤も含めれば1000人以上と規模が大きくなりましたが、昔の和やかな雰囲気もそこかしこに残っています。当院は従来「患者さんに安心を」「地域社会に信頼を」「あしたに希望を」を理念として掲げてきましたが、私はそれに加え「働くみんなのやりがい・幸せ」も大事に思っています。患者さんと真摯に向き合い、スタッフ同士での助け合いも大切に、患者さんやスタッフと「感動」のやりとりをして、自分自身の成長も見据えて日々の仕事に取り組んでほしいですね。そうすれば、より病院が良い場所になると思います。

今後の展望についてお聞かせください。

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理念を軸に、当院の存在意義として「中濃地域の住民の心身の健康・幸福に積極的に寄与する」ことをまず挙げたいと思います。「積極的に」ということが大事で、治療して終わりではなく先に述べたように、患者さんの5年先10年先の健康・幸福までもつながる関わり方をしていきたいです。合わせて「中濃地域の持続的発展に貢献する」ことも存在意義の一つです。それらの土台を踏まえて「ホスピタリティ」「地域連携」「標準医療・先進医療」「疾病予防」「職員の自律性・主体性」を5本の柱に、「地域住民から常に助けを求められる存在・それに応えられる存在」となる未来をめざします。これからの時代、病院は医療施設というだけでなくコミュニティの中心になる存在。当院は、病気の有無にかかわらず、人が集まる「マグネットホスピタル」でありたいと思います。行政と協力をしつつ、スタッフからも案を募り、地域に開かれた活動にも取り組んでいきたいですね。

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勝村 直樹 病院長

1986年岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部附属病院、岐阜赤十字病院勤務を経て1988年中濃厚生病院に着任。消化器内科部長、副院長兼消化器内科部長、副院長兼内科部長を経て2023年4月より現職。専門領域は消化器科・がん薬物療法・緩和医療。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。

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