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医療法人社団豊正会 大垣中央病院

(岐阜県 大垣市)

臼井 正明 理事長

最終更新日:2021/06/16

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急性期から回復期を中心に質の高い医療を

大垣駅より徒歩5分ほど、30台以上を収容する駐車場を設備し、アクセスの良い場所に「大垣中央病院」はある。「心安らぐふれあいの医療をめざして地域の医療機関との架け橋となる」をスローガンにかかげ、大垣市民病院や近隣のクリニック、介護施設との連携を密に取りながら、急性期から回復期を中心に質の高さにこだわった医療の提供に努めている。外来と入院、それぞれの機能において、時代が求めるニーズに対し柔軟に対応することで地域の人々の健康を守ってきた同院。内科では透析、糖尿病や高血圧症治療、整形外科では外傷や骨折治療、子どものスポーツ障害治療などに注力している。中でもリハビリテーションを重要視し、外来から入院、訪問リハビリ、通所リハビリに至るまでの体制を整え、個々の患者に合わせた適切なリハビリを提供できるのが強み。理学療法士、作業療法士といった専門のスタッフの貢献も大きいだろう。「患者さんとそのご家族の希望に寄り添った医療を一番に考えないといけない」と語る臼井理事長に、同院が進める取り組み、今後の展望などを聞いた。(取材日2020年12月10日)

病院の成り立ちや特色について教えてください。

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1983年、現院長の水川豊先生が外科系の診療所を開設したのが始まりです。その頃の私は、大学で博士号の研究をしていましたので手伝いから加わり3年後に、水川先生は心臓外科、私は整形外科を専門として一緒に診療をしてきました。当時は外科系の手術を行っているところが少なかったため、地域医療への貢献をめざし1987年に大垣中央病院を開業しました。その後、成人病・透析センターやリハビリセンター、訪問看護ステーションを開設。現在では地域包括ケア病床を含め、病床60床を完備しています。特に地域包括ケア病床に関しては、急性期~回復期の状態に対してさらに介護に進むまでの間のリハビリを重点的に行うことを目的としています。開業以来、地域のニーズの応えていくことを念頭に置き、常に先進の技術によるベストな医療環境をめざし、地域密着型の医療機関として発展してまいりました。

成人病・透析センターではどんな取り組みをされていますか?

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内科にさらに注力したいと、糖尿病を専門とする青木孝彦先生に入職してもらい、2008年に成人病・透析センターを新設しました。ベッドを34台備え、血液透析と腹膜透析を行っています。現在、水川院長の息子である水川卓丈先生が中心に担っていますが、彼はもともと外科医なので、透析を回す際に動脈と静脈をつなぐためのシャント手術や、外傷の処置も得意としています。シャントは透析を行う上で大切で、いかに長持ちさせるかが重要ですので、詰まりや出血などのトラブルがあった場合にはすぐに対応しないといけません。当院ではそれができるので、何かあったとしても他院へ移動することなく処置ができますから、患者さんの負担は軽減できていると思います。普通の透析だけでなくて、少しでもレベルが上げられるよう、医師をはじめ、看護師や臨床工学技士、ヘルパーが一丸となり、患者さんが安全で快適な透析生活を送れるよう全力でサポートしております。

注力されているリハビリテーションへの思いをお聞かせください。

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私は整形外科医なのでリハビリテーションを重要視しています。外来と入院それぞれの充実を図るため、2009年にリハビリセンターをつくりました。急性期医療だけでは、やっと歩くことができる程度までしか関われず、その後いかに元に戻れるかが重要なのに機能訓練が十分にできません。特に高齢の方は、大腿骨頸部骨折など骨粗しょう症による脆弱性骨折が多く、そういった患者さんは手術後、ある程度歩けるようになるまでのリハビリ期間が非常に重要です。ですから当院では、回復期のリハビリをしっかりと行い、患者さんが安心して自宅に戻れるようにするためのサポートに最も力を注いでいます。外来は痛みを取ること、入院は機能訓練に主眼を置き、理学療法士、作業療法士が20人ほど常勤し対応しています。とりわけ入院の場合は、患者さんとマンツーマンになり、一人ひとりのニーズに応じて計画書を作成し実施する機能訓練が何よりも大切だと考えます。

整形外科医として力を入れている診療やモットーは何でしょうか?

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高齢の患者さんには骨粗しょう症による大腿骨頸部骨折が多く、骨粗しょう症は生活の質に大きく関わってくるものといえます。ですから骨粗しょう症については、1996年に骨塩量を測定する機器を導入し、骨折の予防も兼ねて取り組んできました。加えてスポーツ医学にも精通しているため、子どもの成長期の障害や、スポーツ障害に対しての保存的治療にも注力しています。整形外科は自分の関わったことがすぐに反映され、治療の過程が目に見えてわかる分、やりがいがありますね。そういったやりがいをスタッフ全員が感じていける職場をつくっていきたいです。また、常に患者さんに目を配り、患者さんが何を希望されているのかを一番に考えることを当院のモットーとしています。

最後に、今後の展望と地域に向けてのメッセージをお願いします。

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地域の方の健康を守り続けていくためには、次の世代に任せる準備も必要です。現在、私の息子は整形外科で、水川院長の息子は透析を中心に勉強を重ね奮闘しています。将来的にはその若い医師の2人が継承していきながら、時代のニーズに合わせて地域の方々がどういう医療や介護を希望しているかに目を向け、柔軟に対応してほしいと思っています。さらに、神経ブロック療法というのがありますが、この辺りではほとんど行われていません。ですから、当院が外来でできる神経ブロックと質の高いリハビリを併せて、内服薬に頼りすぎない痛みに対する治療に力を向けたいと考えています。そして、地域のかかりつけ医として何かあれば声をかけていただき、すぐに対応することを心がけています。その際に、他の専門の病院やクリニックと連携を取り紹介するなど、最適な情報を提供していくような、地域の医療機関との架け橋となることも私たちの重要な役割と考えています。

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臼井 正明 理事長

1976年順天堂大学医学部卒業後、整形外科の医師として、大垣中央病院に入職。1997年理事長に就任。外科、整形外科、成人病、透析を中心に診療を行う同院の外来と入院、双方の機能の発展に尽力。急性期から回復期にかけてのリハビリテーションやペインクリニックに力を注ぎ、患者の一日でも早い帰宅と社会復帰に向けたサポートを信条とする。現在岐阜県医師会副会長を務めるなど地域への貢献心も強い。

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