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医療法人和光会 山田病院

(岐阜県 岐阜市)

安藤 弘道 院長

最終更新日:2023/01/23

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リハビリテーションや在宅医療に注力

岐阜市西部にある「山田病院」は、田んぼに囲まれた見晴らしの良いのどかな場所に立つ。地域で数多くの介護施設や看護ステーション、福祉事業所などを運営する和光会グループにおいて、医療の中心となっている病院だ。内科、整形外科、脳神経外科など豊富な診療科を展開する総合病院であり、在宅療養支援病院として、24時間365日体制で往診や訪問看護も行っている。昨年院長に就任した安藤弘道先生は、脳外科医療に長く携わってきた中で、大きな手術を乗り越えた患者が元の日常生活に復帰するのに、術後のリハビリテーションがどのような役割を果たすのかをつぶさに見てきた。「リハビリに注力する山田病院の院長になったのも、リハビリの重要さを実感し、やりがいを感じていたからです」と言う安藤院長に、注力するリハビリテーションや在宅医療について詳しく話を聞いた。
(取材日2022年11月30日)

地域に古くからある病院だそうですね。

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15床の山田内科小児科医院として当院が開業したのは、今からさかのぼること98年前の大正時代です。以降、戦災で消失するなどの苦難も経て、1961年には78床の山田病院となって地域の中核病院に成長しました。1966年に医療法人和光会、1998年には社会福祉法人和光会も立ち上げ、医療のみならず介護・福祉の分野でも地域に貢献するようになりました。現在では、113床ある病床のうち、56床が回復期リハビリテーション病床、29床が地域包括ケア病床となっており、地域のリハビリ・療養病院としての役割を担っています。また院外では、在宅療養支援病院として24時間365日体制で往診や訪問看護も行っています。和光会グループには、介護施設や訪問看護ステーションなどがありますから、そうした施設と連携することで病院退院後から介護、看取りまで一貫して切れ目ないサポートが可能となっています。

回復期のリハビリテーションに注力されていると聞きました。

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現在、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など80人以上のスタッフがリハビリテーションに従事し、外来リハビリ、入院リハビリ、訪問リハビリを支えています。特に、ご高齢の方が脳卒中などで入院された場合は、術後に後遺症が出たり、入院生活で心身の機能低下が起こったりすることがあるためリハビリは必須です。入院中はもとより、退院されてからも安心して日常生活が送れるよう、適切な福祉用具の選出や自宅でのトレーニング方法の指導などで身体機能や日常生活動作の向上を図り、通院が難しい方へもスタッフがご自宅に訪問してリハビリのお手伝いをしています。外来リハビリの中で特徴的なのは、大人だけでなく小児が多いことです。当初は4階のリハビリテーション室の片隅で行っていましたが、たくさんのお子さんが利用するようになって手狭になったため、昨年、別館の1階と2階を小児専用の診察室とリハビリテーション室にしました。

大人とは分けて小児リハビリテーションを行っているのですね。

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利用者は、運動や言葉の発達に心配のあるお子さんや障害のあるお子さんで、一人ひとりに合ったプログラムに沿って遊具を使って楽しみながら体を動かしたり、言葉の訓練をしたりしています。大人のリハビリと違って、小児の場合はお子さんをリハビリテーション室に連れて来るだけでも一苦労。集中してリハビリを行えるような環境も大切ですし、スタッフもお子さんの扱いに慣れた者が担当する必要があります。お子さんとの相性もありますが、できるだけ同じ担当者で継続し、信頼関係が築けるよう配慮しています。先日、吃音と発達障害についてのオンラインセミナーを行いましたが、多くの保護者が参加され、質問も時間内に収まりきらない状態でした。お子さんの発達に悩んでいらっしゃる保護者が多く、あらためて小児リハビリのニーズの高さを実感しましたね。小児科からの紹介だけでなく、最近は学校からの依頼で受診されるお子さんも増えています。

在宅医療の取り組みについて教えてください。

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在宅療養支援病院として、24時間365日体制で訪問診療と訪問看護を提供しています。和光会グループにはほかに2つの在宅療養診療所もあるため、グループ内全体の訪問診療を統括する部門を立ち上げて、和光会全体で在宅医療に注力しています。その中で当院は、特別養護老人ホーム、障害者施設、個人宅などへの訪問診療をしていますが、退院後も主治医がそのまま個人宅へ往診できることも、安心材料の一つでしょう。また、今年から「栄養ケア部門」を院内に併設し、地域の誰もが食事や栄養、健康について栄養士に相談できるようにしました。在宅療養中の方に対してはご自宅で栄養相談を実施しており、ご本人だけでなく、ご家族やヘルパーの方へのアドバイスもしています。医療と栄養相談を併せて提供することで、特別食の食べ方や栄養低下時の補充指導など、栄養面から在宅療養を支援しています。

最後に、読者へのメッセージや今後の展望をお願いします。

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患者さんの回復はわれわれにとっても喜ばしいことですし、急性期病院で手術を担当した医師も、その後の経過が良いことがわかるとうれしいものです。私自身そうでしたから。ですが、一番うれしく感じているのはやはりそのご家族です。私たちは回復期を預かる病院として、今後も患者さんやご家族に喜ばれる医療を提供し続けたい。そのために大切なのは、リハビリの質を上げ、なおかつ患者さんとの信頼関係を築き、良くなったという実績を積み上げることだと考えています。また現在、当院ではスタッフの負担軽減のためデジタル化を進めており、来年1月からベッドサイドの見守りシステムを開始する予定です。患者さんが起き上がっているか、ベッドから降りているかがモニターで確認できるシステムで、脈拍や呼吸数も確認できます。環境を整え、スタッフが全力で患者さんをサポートしますので、慢性期の医療はぜひお任せください。

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安藤 弘道 院長

1991年岐阜大学医学部卒業。岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院、岐阜大学医学部附属病院などに勤務し、総合大雄会病院脳外科部長、各務原リハビリテーション病院副院長を歴任、2021年4月に現職。米国留学期を除き生まれ育った岐阜県内で脳外科医療に尽力。「患者の立場になって考え診療する」を信条に、図解しながら例え話も交え、わかりやすい言葉で伝えることを心がけている。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。

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