医療法人太平洋記念 みなみ病院
(北海道 釧路市)
佐藤 明人 病院長
最終更新日:2023/07/19
内科診療を中心とした地域のかかりつけ病院
炭鉱関連の総合病院としてスタートし、その後、時代のニーズに合わせて一般内科を中心とした診療で地域医療に貢献してきた「みなみ病院」。広く内科診療に対応するとともに、循環器内科、糖尿病内科では専門性の高い医療を実施している。中でも生活習慣病については、医師や看護師、管理栄養士が一丸となって取り組み、予防から病気の早期発見と早期の介入まで積極的だ。訪問診療を中心とした高齢者医療にも注力し、外来、入院、在宅の切れ目のない医療のほか、介護老人保健施設や特別養護老人ホームとの連携、療養病棟での看取りなど、高齢者に必要な医療を広くカバーしている。クリニックと総合病院の間の立ち位置で、患者が必要な医療を受けられるように高次医療機関とクリニックをつなぐ架け橋の役割を担いつつ、かかりつけ病院として患者のQOLの向上に努めていきたいと話す佐藤明人病院長に、病院の特徴や重点的に取り組む医療について聞いた。(取材日2023年6月14日)
病院の特徴や力を入れている診療を教えてください。
当院は市中病院として地域の皆さんに寄り添う医療を日々頑張っており、クリニックよりも踏み込んだ診療を行いながらさらに詳細な検査が必要であれば市民病院にお願いするというように、クリニックと大きな病院の架け橋となるかかりつけ病院をめざしています。外来診療では、高血圧や糖尿病など生活習慣病の患者さんが多いことから、循環器内科や糖尿病内科ではきめ細かな診療を実施し、特に糖尿病の外来では多職種による食事療法を含めた総合的な診療で療養をサポートしています。このような生活習慣病の人や予備軍の人たちを少しでも早くに拾い上げ早期に治療を開始することを目的に人間ドックや健康診断にも力を入れており、内視鏡検査については毎日検査ができる体制を整えています。また、病院の周囲には介護老人保健施設や特別養護老人ホームなど関連施設もあり、連携しながら高齢者の医療の充実を図っています。
高齢者医療についてはどのように取り組んでいますか?
釧路市は高齢者が多いため、私がこちらに赴任したときから訪問診療に主軸を置き、状況によっては一般診療を中止してでも訪問診療を充実させたほうが地域のためになるのではないかと思っていました。そこで訪問診療を当院の重点医療の一つとし、地域のニーズに応えられるよう日々取り組んでいます。ご紹介をいただければ、当院のかかりつけの患者さんでなくてもお受けしていますが、スタッフにも限りがあるため残念ながら当院でお受けできない場合は、地域の在宅医療をされている先生方とのチームで対応しています。また、当院は医療療養型病棟を併設しており、認知症の末期の患者さんなど在宅医療が困難な人への終末期医療にも力を入れています。昔は栄養管理のために中心静脈から点滴を入れるなどさまざまな医療行為をしていましたが、今は末梢点滴にしたり場合によっては点滴を行わないなど患者さんの負担にならない形でお看取りをしています。
地域医療連携の中ではどのような役割を担っていますか?
特別なことをしているわけではありませんが、クリニックでは対応が難しい患者さんを当院でお受けし、診られる患者さんはできるだけ診るようにしています。さらに高度医療が必要なときには釧路市立病院をはじめとする高次医療病院に紹介をして治療が終わればこちらへ患者さんを戻していただき、状態が良くなればクリニックの先生にその後のフォローをお願いするという流れで密に連携をしています。加えて、今後は近隣のクリニックの先生からの超音波検査やCT検査のご依頼も受けつけ、検査機器が空いている時間を有効活用できればと考えています。当院もMRI検査については釧路市立病院にお願いしているので、それと同様に、クリニックの先生が気軽に検査だけでもご依頼していただけるようなネットワークを作ることで、地域の医療機関が一体となって地域の患者さんを診ていければと思います。
病院長として、医師として心がけていることはありますか?
病院長として、上に立つものとしてはワンマンにならないように、職員と協力して皆の良いところを伸ばし、働きやすい環境を作っていくことですね。当院のスタッフは優秀で、患者さんやご家族ができるだけ安心して入院生活を送れるように細部にまで気を配っています。頑張ってほしいので私から声をかけることもありますが、逆に何か足りないときはスタッフから指摘されることも。検査や治療についてのアドバイスがあったり患者さんの細かい変化にも気づいてくれるので、安心して現場を任せられますね。医師としては、なるべく患者さんに寄り添い希望を聞きながらQOLを高めていける医療を提供したいと思っています。内科の治療の最終目標はQOLを改善し長く良い状態を続けられるようにすることです。高齢者も健康的に過ごすためにはある程度栄養をつけて体を動かしたほうがいいので、歩いたり、体を動かしたりしてくださいねと患者さんにもお話ししています。
最後に地域の方へメッセージをお願いします。
一般内科で広くどんな患者さんも診ていくことをモットーにしています。ニーズの高い消化器内科の外来についてもスタッフをそろえてさらにレベルアップできればと考えています。当院での治療を受けていただくことはもちろんですが、高度な医療が必要な患者さんには対応できる病院を、土日しか時間が取れないという人には土日に診療しているクリニックでの治療を提案するなど、患者さんの生活の中でうまく治療が続けられるように、それぞれに事情に合った通院しやすい医療機関での治療もご提案しています。当院は地域のかかりつけ病院として診療していますので、どんな些細なことでもご相談ください。
佐藤 明人 病院長
1982年旭川医科大学卒業。北海道大学医学部循環器内科に入局。みなみ病院に入職後、2023年4月より現職。専門は一般内科、循環器内科。趣味は読書、映画鑑賞、パソコン。QOLを高める質の高い医療の提供をめざす。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/3万8500円~