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医療法人社団武蔵野会 新座志木中央総合病院

(埼玉県 新座市)

林 淳慈 院長

最終更新日:2022/06/13

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地域と高度医療をつなげる懸け橋に

志木駅南口から徒歩約6分。志木街道に面して立つ「新座志木中央総合病院」は、地域の急性期医療を担う病院として多くの住民から親しまれている。2013年より同院を率いているのが林淳慈院長だ。林院長は「都市と地域の医療をつなぐ」を目標に掲げ、大学病院と同じような高度な医療を地域で受けられる病院をめざす。その一環として人工関節・リウマチ領域ではリウマチ疾患に対する分子標的治療を導入。また、人工関節置換術にも積極的に取り組み症例数を伸ばすほか、2021年には脳血管内治療のエキスパートである医師を迎え入れ、先進のカテーテル治療が行える体制を整えた。このように専門的な医療に力を入れる一方で、屋台骨として病院を支えている総合内科部門の重要性についても言及。その言葉一つ一つに地域の患者への想いと医療に対する真摯な姿勢が伺える林院長に、同院の地域医療における役割や特徴について話を聞いた。(取材日2022年5月11日)

こちらの病院の概略について教えてください。

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当院は地域の急性期を担っている総合病院です。1967年の開業以来、地域の医療ニーズに対応しながら、診療科の増設や改築を重ねてきました。2019年にはF棟が新しく完成し、内視鏡センターや外来化学療法室、リハビリテーション室なども改修を行いました。その後2021年にはハイケアユニット8床や回復期リハビリテーション病棟48床を設置しました。急性期治療の後は、そのまま当院で回復期リハビリをしっかり行い、スムーズに在宅復帰につなげることをめざしています。手術体制もさらに拡充し、血管カテーテル治療に欠かせない先進の血管造影装置を導入、全身麻酔手術室も増設しています。当院のような地域の急性期病院ですと手術のニーズも広いことから、さまざまな難しい症例に対応できる体制・環境を整えています。

特徴的な治療分野についてお聞かせください。

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一つは脳卒中に対する脳血管内治療です。2021年12月に脳神経血管内治療部門を新設し、昭和大学脳神経外科で8年以上カテーテルチームを率いてこられた奥村浩隆先生に来ていただき、先進の脳血管治療を行っています。奥村先生によれば、今は脳動脈瘤などの脳血管の病気は頭を開けずにカテーテルで治療する時代で、実際、血管内治療を行う症例も増えています。奥村先生は脳動脈瘤に対して合併症のリスク軽減も期待できるコイル塞栓術を実践したり、脳梗塞にはカテーテルによる血栓回収療法を行っています。ほかに、循環器内科では心筋梗塞に対する経皮的冠動脈インターベンションや、不整脈に対するカテーテルアブレーションも可能です。また、消化器外科や呼吸器外科、婦人科、泌尿器科などでは低侵襲の腹腔鏡下手術を積極的に行い、消化器内科では東京医科大学病院の協力を得て早期の消化器がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にも力を入れています。

院長のご専門である関節リウマチ分野についてはいかがでしょう。

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当院では関節リウマチについて内科的治療から外科手術まで一貫して対応しています。リウマチの治療では、内科でずっと治療を受けていた人が機能障害を起こしたときにどこで外科手術を受ければいいか困ってしまうという例も多く、内科と整形外科との分断が問題視されています。当院では整形外科と密に連携していて、全身どこでも適切な時期に手術が行える体制となっています。また、最近では薬物療法が進化し、生物学的製剤によってかなりコントロールできるようになっています。さらに経口薬の分子標的薬も登場し、寛解に導ける可能性も高まっています。ただ合併症などで薬を使えない方もおられますので、患者さん一人ひとりの背景も含めて総合的に判断しながら治療を進めています。

大学病院との連携体制構築も積極的に取り組んでおられるとか。

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当院では「都市と地域の医療をつなぐ」を大きな目標に掲げています。地域の皆さんに高度な医療を提供しつつ、必要に応じて大学病院に紹介し、落ち着いたらまた当院で引き続き診ていくというように、地域と高次医療機関をつなぐ懸け橋のような役目を果たしていきたいと考えています。 常勤医の各分野における専門性の高さも当院の特徴です。「地域にある病院は大学病院と交流することが非常に重要である」。これは当法人の創設者である中村隆俊名誉会長の言葉です。大学の医局は先端医療を扱っていますから、大学と交流を図らなければ病院のレベルアップができず時代遅れになってしまう恐れがあります。現在、当院では東京医科大学病院を中心に昭和大学病院や日本大学病院と医療連携を図り、人材交流に積極的に取り組んでいます。さらに内科や整形外科では各科を専門とする医師を育成するための基幹病院となっています。

最後に今後の展望についてお願いいたします。

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昭和、平成、令和と、時代ごとに病院の増設・改築に取り組んできましたから、今後はソフト面の充実化を進めていきたいですね。患者さんの話をよくお聞きして、この方にとって何が必要か、自分は何を供与できるかを考え、躊躇することなくやるべきことをやる。そのためにはスタッフの研鑽が欠かせません。大学の医局員と同レベルで意見のやりとりをするには、臨床経験を積む中、自らデータを取り、結果をまとめて勉強会や研究会で発表するといった日々の努力が必要です。容易なことではありませんが、各自が自己研鑽へのモチベーションを持ち続けながら質の高い医療を追求し、地域に満足いく医療を届けていきたいです。患者さんは治療を終えると、皆さんとてもいい笑顔を見せてくれます。それが医療人にとっての大きなやりがいですが、若い医師たちにもそういった医療の醍醐味を実感してほしいですし、その機会を提供できる病院でありたいと思っています。

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林 淳慈 院長

1986年に東京医科大学を卒業後、昭和大学藤が丘病院整形外科に入局。1999年新座志木中央総合病院整形外科部長、昭和大学藤が丘病院整形外科兼任講師に就任。同院の副院長を経て、2013年より現職。人工関節・リウマチセンター長を兼任。日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、日本整形外科学会認定整形外科専門医。

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