医療法人社団和風会 所沢中央病院
(埼玉県 所沢市)
北 秀幸 院長
最終更新日:2024/07/23


チーム医療で患者と真摯に丁寧に向き合う
所沢駅東口から徒歩約3分のところに2016年に新築リニューアルした「所沢中央病院」。2017年には新館もオープンし、救急医療から手術、リハビリテーションなど各部門がパワーアップ。ますます地域医療に貢献できる充実した体制を整えた。地域に根差した急性期病院として24時間365日脳神経外科の医師が常駐している救急医療に重点を置き、救急車受け入れ台数は年間5000台(2023年4月~2024年3月)に上るほか、「断わらない医療」というスローガンのもと、救急医療体制の充実、チーム医療の活性化、医療介護施設との連携強化を三本柱にして診療に取り組んでいる。脳卒中センターや泌尿器科、血管外科の強化など進化の続く所沢中央病院について、落ち着いた語り口に穏やかで誠実な人柄が感じられる北秀幸院長に聞いた。(取材日2024年6月14日)
本館・新館がオープンし、ますます進化中ですね。

所沢中央病院は1993年に設立されて以来30年以上にわたり地域に根差した病院として、地域の皆さんにとって身近で親近感のある病院、安全・安心な医療を提供できる病院であることをめざし歩んできました。2016年には病院を新築リニューアルし先進のMRIやCTなどを導入。先進の医療機器を整えた手術室を大幅増強し、脳卒中などの疾患に対し血管内からのカテーテル挿入による治療を行うための血管造影室も設置しました。現在も内視鏡設備などを中心にさらに増強中です。患者さんに少しでも快適な環境をご提供できるよう待合い室も整備。2017年には新館もオープンし、病床は合計160床に。新館は2階が広いリハビリテーション室、3階は整形外科病棟、4階が内科病棟で、プライバシーに配慮した個室の病室を増加したのも特徴です。各所に先進的な機器や設備が整い、これまで以上に患者さんに寄り添う高品質な医療を提供できるようになりました。
超急性期からリハビリテーションまで注力されています。

リハビリテーションは力を入れていることの一つで、運動機能はもとより、言語や嚥下など幅広く対応し、外来リハビリテーションも行っています。当病院の所属する医療法人社団和風会にはリハビリテーション学院があり、そこから採用する理学療法士や言語聴覚士が頑張ってくれていて、人材の豊富さも自慢の一つです。超急性期からリハビリテーションを行い、患者さんの機能の早期回復がめざせるのはそのためです。例えば脳梗塞患者に対しては発症当日からリハビリテーションを行っていきます。そのように超急性期より取り組むことで、早くより良い回復がめざせるのです。それにはリハビリテーションだけでなく、適切な評価も重要。医師、看護師、リハビリテーションスタッフが一丸となって患者さんの状態を適切に評価し、効果につながるリハビリテーションにつなげます。
脳卒中センターは地域で確固たる地位を築かれています。

脳卒中センターでは24時間365日脳神経外科の医師が、日本脳神経血管内治療学会の脳血管内治療専門医2人、非常勤医師1人を含む計3人体制で対応しています。脳卒中治療は時間との勝負。当病院は埼玉県急性期脳卒中治療ネットワークに参加しており迅速に搬送されますので、到着次第すぐ治療を開始、リハビリテーションも開始します。当病院は、急性期の脳主幹動脈閉塞症の血栓回収療法が年間40例程度。破裂や未破裂の脳動脈瘤の治療も年間30例程度行っています(2023年4月~2024年3月)。また他の診療科の充実も図っており、2024年4月から泌尿器科の常勤医師が入職し高齢化に伴う泌尿器疾患の増加に対応。また2024年6月から血管外科の常勤医師も入職。増加傾向の生活習慣病に関わる動脈硬化病変に対応し、腹部大動脈瘤や下肢動脈の狭窄症や閉塞症などに対し血管内治療も進めていきます。
病院内の連携も素晴らしいと聞いています。

病院内の各職種の連携はもちろんですが、当病院はチーム医療の推進にも取組んでいます。呼吸ケアチームでは重症呼吸不全に対し適切な人工呼吸器の設定まで行い質の高い医療の提供をめざします。褥瘡チームでは適切な体圧分散寝具の選択や患者さん個人に合わせたポジショニング、予防的なスキンケアを通じて質の高いケアを行っていきます。栄養サポートチームでは、すべての患者さんに栄養評価を行い、さまざまな視点から患者さんのサポートをしています。さらに院内の急変対応チームでは、患者さんの状態を適切に把握して急変事態を回避する対策を徹底し、もし急変に至ったときには、どんな職種でも正しく一次救命処置ができるように教育も行っています。これらチームが連携して患者さんにより適切な治療をご提供できるよう努めています。そして常に互いに問題や悩みを共有しチームで取り組むことを意識してもらっています。
今後の展望と地域の方々へのメッセージをお願いします。

今後は地域医療の中心としての役割をさらに強化し、より一層患者さんに信頼される急性期病院をめざしてまいります。断わらない医療を掲げ、救急医療体制の充実、チーム医療の活性化、医療介護施設との連携強化を三本柱にして取り組んでいきます。当病院の魅力は、各分野専門の医師がそろい、先進の医療機器を備えた診療体制が整っていること。基本である患者さんお一人お一人に寄り添った丁寧な診察をこれまで同様に心がけ、さらに法人内の連携を強化して総合的な医療サービスの提供をめざします。健康診断は法人内のクリニックと連携し、当病院では急性期治療に注力。当病院退院後は所沢リハビリテーション病院の回復期病床や療養病床へおつなぎするなど、法人内の各施設を活用し患者さんのさまざまなニーズに対応できるように連携しています。地域の皆さんに総合的な医療をお届けする体制を整えておりますので、なんでもご相談いただければと思っております。

北 秀幸 院長
1982年防衛医科大学校卒業。脳外科の医師として同大学校病院の医局のほか複数の病院に勤務。2001年所沢中央病院に赴任し、2002年より院長を務める。現在も脳神経外科での診察を行っている。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医。自分自身の健康のための取り組みは有酸素運動。生活習慣病予防につながるとのこと。ジムなどで週に2日は取り組むことを目標としている。