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医療法人 武蔵野総合病院

(埼玉県 川越市)

宮本 雅史 病院長

最終更新日:2020/11/25

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脊椎の疾患を中心に地域医療に貢献

1967年に開設して以来、地域の中核病院として川越市の医療を支えてきた「武蔵野総合病院」。初代院⻑の頃から近隣の埼⽟医科⼤学総合医療センターをはじめとした⼤学病院との連携を密に持ち、郊外の病院でありながら専⾨性の⾼い医療を展開している。また近年では急性期治療に加えて地域医療をサポートするため地域包括ケア病棟をベースに訪問診療、訪問看護および訪問リハビリまで含めた在宅医療を展開して地域包括ケアシステムを担うことのできる病院をめざしている。「医療の提供を通じて病院を利⽤されるすべての⼈々、そして、病院で働くすべての⼈々の幸せに尽くします」を基本理念とし、患者のためだけではなく職員にとっても幸せな病院づくりにまい進する宮本雅史病院⻑に、病院の特徴や患者への思いなどを聞いた。
(取材⽇2020年7⽉13⽇)

病院の特徴についてお話しください。

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診療科ごとに得意分野を生かした診療を行っています。整形外科では脊椎外科、⼈⼯関節外科を得意としますが、外傷疾患も幅広く治療。外科は内視鏡⼿術を得意としており、急性疾患から消化器がんまで幅広く対応。脳神経外科は脳梗塞の急性治療から早期リハビリテーションを中⼼に診療しており、硬膜下血腫などの緊急手術にも対応しています。当院には11⼈の常勤医が勤務していますが、個々の医師が得意分野を最大限に生かせるような医療を⾏っており、それぞれの医師がめざす医療をサポートできるように努めています。⾮常勤医師は65⼈おり、埼⽟医科⼤学総合医療センターおよび埼⽟医科⼤学病院、日本大学病院、⽇本医科⼤学付属病院などで勤務し、専⾨外来を担当しています。また救急医療においては、⼆次救急病院として迅速で正確な診断に努め、適切な治療により1⽇も早い社会復帰ができるように、後遺症なく生活に戻れるように取り組んでいます。

先生のご専門について教えてください。

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医師になり最初の10年間は整形外科全般を勉強しましたが、それ以降は脊椎外科ひと筋でやってきました。川越市には脊椎外科の専⾨的治療を⾏う病院は比較的少なく、私がこちらに来てからの2019年4月から2020年3月までの間で105例の脊椎手術を行いました。ほとんどは医師会の先⽣からのご紹介ですが、患者さんが困っていればいつでも引き受けます。当院では骨粗しょう症性脊椎圧迫⾻折で潰れた椎体内でバルーンを膨らませることで元に近い形に戻してからセメントを注⼊する経⽪的椎体形成術(BKP)という⼿術を⾏っています。また病期が進⾏しBKPだけでは治せない場合には、スクリューやロッドで背骨を固定する経⽪的椎⼸根スクリュー(PPS)という体への負担に配慮した治療も行います。神経の病気は治療が遅れると大きな後遺症を残すこともありますが、患者さんにとって手術を決めるのは勇気がいるため、時間をかけて説明しています。

高齢の患者へのケアとして取り組んでいることはありますか?

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病棟回診を週2回行っていますが、患者さんの多くは⾼齢であり認知症の⽐率が⾮常に⾼いです。⼤腿⾻近部⾻折や脊椎圧迫⾻折では痛みが強く歩くことができないのでベッドで寝たきりの状態になります。認知症を予防するために⼤腿⾻近部⾻折は48時間以内に⼿術をし、脊椎圧迫⾻折もできるだけ早く離床してリハビリを始められるようにしています。当院には25⼈のリハビリスタッフが在籍し、急性期から積極的なリハビリができる体制を整えています。急性期の治療がおわれば地域包括病棟で社会復帰、自宅退院、回復期リハビリや施設入所などの進路に向けた準備を行います。療養病棟では1⼈で⽇常⽣活を送るのが難しいような障害が残った人のケアを行います。最期は⾃宅に帰りたいという⼈のための訪問医療にも⼒を⼊れています。治療を終えた後も患者さんのことをよく理解している医師がサポートすることで、患者さんへ安⼼感が与えられていると思います。

その他、各診療科での取り組みについて教えてください。

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脳⾎管障害の患者さんは早期リハビリテーションがとても重要です。超急性期の⾎管内治療など先進医療が必要な患者さんは⼤学病院にお願いしますが、早い段階からリハビリを実践しています。できるだけ合併症の少ない形で回復期リハビリテーションに橋渡しできるように⼼がけています。外科は⿏径ヘルニアや胆のう炎から胃や腸のがん、腸閉塞の緊急手術まで幅広く対応しています。地域密着型の病院であるため緊急であろうが⾼齢であろうがご本⼈の意思とご家族のサポートがあれば正面で受け止め、病気を治すことに貪欲な治療を⾏っています。緩和ケア専⾨の看護師も参加して治療計画を立て、外来での抗がん剤治療を含めた地域完結型の医療を実践しています。

最後に今後の展望とメッセージをお願いします。

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皆がやりたい医療をより積極的に取り組むことでさらに質の高い医療を提供できる病院をめざします。職員全員の声を聞くことができるように、各部署のチーフの声に⽿を傾けるようにしています。調子の悪いところにはエールを送り、良い業績を残せた時には労いの⾔葉をかけることで結束を強くし、それぞれが同じ⽅向を向いていることを確認し、支え合って働ける職場づくりに務めています。そのためには病院⻑として関わるべきことには背中を向けず、⽬をそらさないでいたいです。脊椎外科医師の道を選んだのは、神経に興味があったこともありますが、患者さんが⽬に⾒えて悪くなっていくのを⼿術によって変えられるからです。⾜が動き、歩けるようになり、患者さんがどんどん治っていくのを⾒ることはとても楽しいです。私⾃⾝が健康なうちはこれまでに⾝につけた専⾨的な治療技術や経験を、今まで育てて頂いたことへの恩返しとして役⽴てていきたいです。

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宮本 雅史 病院長

1980年徳島⼤学医学部卒業後、⽇本医科⼤学整形外科⼊局。1982年同⼤学⼤学院医学研究科⼊学、1986年3⽉修了。同年4⽉栃⽊県県南総合病院整形外科医⻑。1989年4⽉⽇本医科⼤学整形外科医員助⼿、1993年4⽉同⼤学講師、2003年10⽉助教授、2007年4⽉准教授。2013年4⽉⽇本医科⼤学多摩永⼭病院整形外科部⻑、10⽉同院教授、2017年4⽉同院副院⻑。2019年6⽉より現職。

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