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医療法人社団弘人会 中田病院

(埼玉県 加須市)

中田 代助 院長

最終更新日:2022/09/05

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整形外科を中心に地域の医療を支える

年齢を重ねてくると多くの人が悩むのが、関節の痛みや腰痛、転んだ拍子の骨折などの運動器の問題だろう。「医療法人社団弘人会 中田病院」は、埼玉県内で早い時期から整形外科やリハビリテーション領域の治療に取り組んできた病院だ。整形外科の単科クリニックとして1952年に開業。1956年に病院組織となり、地域のニーズを受けて内科や小児科にも対応してきた。膝・股関節の人工関節置換手術をはじめとする入院治療に加え、自宅復帰と安定した生活の継続をめざす入院・外来・訪問でのリハビリテーションにも注力。運動器のリハビリのみならず、作業療法・言語療法にも対応して、脳血管障害などのリハビリも行っている。治療だけでなく予防意識の啓発に力を入れており、健康診断受診の呼びかけや地元の施設、団体のリクエストに応じた出張健康講座、病院主催の健康講座の開催も行っている。3代目院長の中田代助先生に話を聞いた。
(取材日2019年8月28日)

長く地域医療を担ってきた病院だと聞きました。

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当院は、1952年に整形外科単科のクリニックとして開業。1956年に病院組織となり、「安全、安心、親切な地域医療をめざす」をモットーとして診療してきた地域密着型の中小病院です。整形外科・リハビリテーション科が中心ですが、地域のニーズを受けて内科や小児科も併設。また、2009年には回復期リハビリテーション病棟、2016年9月は、もともと取り組んでいた訪問リハビリテーションに加えて、「なかだ訪問看護ステーション」を開設しました。入院治療では、股関節や膝関節の人工関節手術、脊柱管狭窄症の手術などが多いですね。また、高齢者に多い大腿骨骨折や靭帯損傷、靭帯再建など整形外科分野の二次救急治療、脳梗塞後のリハビリを含めた入院・外来・在宅のリハビリテーションにも力を入れています。

内科や小児科の診療も行っているそうですね。

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ええ。地域密着型の病院なので、患者さんのニーズに合わせて診療科は拡大しています。整形外科の患者さんもご高齢の方が多く、そのほとんどは合併症をお持ちです。「骨折で運ばれた方を入院検査してみたら、糖尿病がかなり進行していた」ということもあるので、整形外科の手術にも内科的フォローは欠かせません。運動能力を回復するためにはできる限り早く手術した方がいいですが、安全・安心な治療でなくては意味がない。そこで内科で糖尿病や循環器疾患の有無を診断し、手術に備えたコントロールや術後の管理でタイアップすることで、安全な治療提供に努めています。小児科も同様で、例えば整形外科の病気である化膿性関節炎の症状は内科領域の感染症と見分けがつかないような場合もあります。子どもは大人と違って「ここが痛い」とうまく表現できないので、一見整形外科領域の病気のようでも、全身疾患がないかしっかりチェックすることは大事にしています。

先生が診療する際に大事にしていることを教えてください。

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手術を受けるのは誰でも怖いし、悩むもの。その不安を丁寧に聞き、今の状態、治療の選択肢、リスク、手術後の見通しなどもしっかりお話しして、納得した上で手術を受けていただくことを大事にしています。手術後のリハビリも、積極的に取り組む人、痛みもあって尻込みする人と人それぞれなので、その人に合わせたアドバイスを行い、リラックスして臨めるように気をつけていますね。具体的には、「何のために行っているのか」「乗り越えればどうなるのか」を理解し、納得してもらった上で取り組んでもらうのがポイントでしょうか。例えば、「膝が90度に曲がらないと、電車などで座った時に足が通路に出ちゃうから、引っ掛けられて危ないよね。90度に曲げられれば引っ掛けられる心配はない。生活がしやすくなるからそこまで頑張ろう」という具合です。目標が大きすぎると頑張りにくいので、身近でわかりやすく、具体的な目標をはっきりとお話ししていきます。

健康診断にも力を入れていると聞きました。

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地元の人々の健康を守るのが地域病院の役割なので、健診には積極的に取り組んでいます。特定健診の枠を増やし、市民からのニーズに応えられるようにしているのと、企業健診にも入らせてもらっています。加須市は県内でも健診受診率が低いため、これを上げていくことが当面の目標です。「どこも悪くないのに、なぜ病院へ行かないといけないの?」「検査をすると、悪いところが見つかっちゃうから困る」という人もまだまだ多いので、「健康診断は悪いところを見つけるためにするんじゃなく、今健康であることを確認して、1年や半年を安心して過ごせるためにするんだよ」とお話しするところから始めています。医療の言葉は難しくて結果がわかりにくい、病名を聞いてもピンとこないという人もいますから、その人の理解に合わせてできる限りわかりやすい言葉で伝えるようにしています。結果、外来の時間が長くなって、スタッフに怒られるんですけれどね(笑)。

最後に、今後の展望についても一言お願いします。

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患者さんを外来や病棟で治療し、リハビリをして、社会に復帰してもらうよう努めていく今のサイクルは変わりません。病院の理念、地域密着型病院という立ち位置の中でできる限りのことは、整形外科に限らず、患者さんからのニーズがあれば全うしていく。地域の施設や他の病院と連携し、お互いにお互いの必要な所を補完し合いながら、この地域で暮らす方々が安らかな生活を営めるよう、その健康を守っていく病院であり続けたいと思っています。治療だけでなく、年に1度の健康講演会、老人会や施設などからの依頼で出張講演会を開いているのもその一環ですね。医師は、病気やケガを診て患者さんに指導しないといけないため、どうしても上から目線になりがちです。けれど、来院されるのは基本的に病気やケガをして弱っている方々。それを忘れず、できる限り横の目線で、その方にとって最善の治療法を一緒に考えていきたいと思います。

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中田 代助 院長

日本整形外科学会整形外科専門医。1981年、埼玉医科大学整形外科教室医局に入局。整形外科の医師として研鑽を積み、1993年に中田病院の常勤医となる。1998年に一度非常勤医となり、中田整形外科内科クリニックを設立。後に、中田病院理事、常務理事を経て再び常勤勤務となり、2012年に同院院長に就任。治療はもちろん、健康診断の普及をはじめ、医療知識の啓発活動にも力を入れている。

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